サイエンス
極低温も特殊設備も不要。量子コンピュータとは異なる「Pコンピュータ」実現へ、東北大が世界初の快挙
0と1の間を揺らぐスピン素子を用いた次世代「確率コンピューター」。東北大と米国NISTは、これまで手作業の配線に頼っていた本技術を既存の半導体プロセスでシリコンチップ上へ完全統合することに成功した。巨大AIの電力問題を覆す、100万ビット規模の実用化に向けた画期的ブレイクスルーに迫る。
別名: Pコンピューター, Probabilistic Computer
従来の決定論的コンピューターが0か1の確定した状態で演算を行うのに対し、熱ノイズなどのゆらぎを積極的に利用して0と1の間を確率的に行き来するPビットを基本単位とする。組合せ最適化問題など、膨大な探索空間から正解を導き出すタスクにおいて、従来の汎用コンピューターよりも数桁速く、かつ低消費電力で解を探索できる可能性がある。量子コンピューターと異なり、室温で動作し、既存の半導体製造プロセスを転用できるため、大規模集積化と社会実装への期待が高い。