Intelが2026年に投入を予定している次世代デスクトップCPU「Nova Lake」は、最大52コア構成となる可能性がある。複数のリーカー情報や出荷書類から、その詳細が徐々に明らかになってきた。
最大52コア構成のNova Lake、3つのSKU構成が検討中
著名リーカーのJaykihn氏によって、Intelの次世代デスクトップCPU「Nova Lake」に関する新たな情報がもたらされた。それによると、Nova Lakeは最大で52コア構成となる可能性があり、2026年のリリースに向けて開発が進められているとのことだ。
具体的なSKU構成として、以下の3つが検討されている。
- 52コア: 16 Pコア (Coyote Cove) + 32 Eコア (Arctic Wolf) + 4 LPEコア
- 28コア: 8 Pコア (Coyote Cove) + 16 Eコア (Arctic Wolf) + 4 LPEコア
- 16コア: 4 Pコア (Coyote Cove) + 8 Eコア (Arctic Wolf) + 4 LPEコア
最上位モデルでは、Core Ultra 9 285Kの2倍以上となる52コアを搭載する可能性があり、大幅な性能向上が期待される。これらのコア構成は、デスクトップ向け「Nova Lake-S」とゲーミングノートPC向け「Nova Lake-HX」の両プラットフォームで展開される見込みだ。
新アーキテクチャ「Coyote Cove」と「Arctic Wolf」を採用
Nova Lakeでは、Pコアに「Coyote Cove」、Eコアに「Arctic Wolf」という新しいアーキテクチャが採用されるとされている。Coyote Coveは、Arrow LakeやLunar Lakeに搭載されるLion Coveの後継となるアーキテクチャと推測され、Arctic WolfはSkymontの後継となるEコアアーキテクチャと見られている。
また、一部情報では、144MBもの大容量L3キャッシュを搭載するSKUの存在も示唆されている。キャッシュ構成が統合型かセグメント型かは不明であるが、いずれにしてもパフォーマンス向上に貢献する可能性がある。
製造はIntel 14AとTSMC 2nmのハイブリッドか
Nova Lakeの製造プロセスについて、Intelは自社の14AノードとTSMCの2nmプロセス技術を組み合わせるハイブリッドアプローチを採用する可能性がある。Intelの共同CEOであるMichelle Johnston Holthaus氏は、「Intel Foundryが新しいノードごとにIntel製品部門の信頼を新たなノードごとに獲得する必要がある」と述べており、最適なノードを柔軟に選択する姿勢を示唆している。
サプライチェーンの強靭化と歩留まりの向上を図るため、戦略的に製造プロセスを選択すると考えられる。
開発は順調に進捗、サンプル出荷も開始か
NBDの出荷ドキュメントによると、Nova Lakeのエンジニアリングサンプルが開発者向けに出荷されていることが確認されている。これは、開発がスケジュール通りに進捗していることを示唆するものだ。PCIe Gen 6.0のサポートも期待されているが、ソケット互換性やメモリ仕様など、詳細なプラットフォーム情報はまだ明らかにされていない。
ただし、過去には40コアのArrow Lakeなど、ロードマップ上で計画されながらも実現しなかった構成も存在する。最終的な製品仕様は、開発段階の進捗によって変更される可能性がある点には留意が必要だ。
新たなエントリー向けCPU “Wildcat Lake”
Nova Lakeに加えて、Intelは軽量ノートPCやミニPC向けのエントリーレベルプロセッサ「Wildcat Lake」も計画している。Wildcat Lakeは、2個のPコア、0個のEコア、4個のLPEコア、2個のXe3 iGPUを搭載し、Thunderbolt 4ポートやLPDDR5x/DDR5メモリをサポートするとのことだ。
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