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Microsoft、サインインUIを刷新 ― Fluent 2でモダン化、ダークモードも

Y Kobayashi

2025年3月27日

Microsoftは10億人以上のアカウントユーザー向けに、Fluent 2デザイン言語を採用した新しいサインインUIの展開を開始した。既にXboxユーザーが利用を始めているこの刷新されたインターフェースは、パスワードレス認証を優先し、ダークモードをサポートするなど、より安全でシンプルなユーザー体験を2025年4月末までに全サービスに提供する計画だ。

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新UI導入の背景と主な改善点

Microsoft は過去数年間で Windows、Xbox、Microsoft 365 などのクラウド接続体験を近代化してきた。Robin Goldstein(Microsoft Identity のパートナーディレクター)によると、「パスキーなどの新しい認証方法が利用可能になったことで、サインインユーザー体験もリデザインすることを決定した」と説明している。

今回の刷新は、10億人以上のユーザーに影響を与えるものであり、その中核にはMicrosoftの最新デザインシステムである「Fluent 2」の採用がある。

Fluent 2に基づく新しいデザインは、見た目のモダン化だけでなく、ユーザー体験の向上も目的としている。新インターフェースでは、次のような改善が図られている:

  • 画面ごとの要素を削減し、認知負荷を軽減。これにより、認証プロセス全体のスピードアップを図る。
  • ステップの順序を論理的に最適化
  • 中央揃えデザインで注意散漫を減少。サインイン操作に集中しやすくした。
  • レスポンシブデザインによるマルチデバイス対応
  • ユーザー設定に基づく自動ダークモード切替

デザイン面では、「紛れもなく Microsoft」のルックアンドフィールを目指し、製品間で統一された背景画像や一貫したブランドカラーを採用した。これにより、Microsoft アカウントでサインインするすべての場所に視覚的な一貫性をもたらしている。

特に注目すべきは、ユーザーからの強い要望に応えたダークモードの実装だ。サインイン画面のほとんどは、ユーザーの設定に基づいて自動的に切り替わるライトテーマとダークテーマの両方をサポートする。最初にこの機能を利用できるのはゲームアプリで、他の消費者向けアプリでのダークモード対応は今後展開される。

パスワードレス認証の強化とセキュリティ向上

今回のUI刷新は、単なる見た目の変更にとどまらず、セキュリティと利便性の向上、特にパスワードレス認証の推進に重点を置いている。「新しいUXはパスワードレスとパスキー優先の体験に最適化されています」と Goldstein 氏は述べている。

具体的には、以下の点が強化された。

  • パスワードレスでのアカウント作成: 新規アカウント作成時、ユーザーが既に持っているメールアドレスを使用し、ワンタイムコードで確認するプロセスを推奨。これにより、最初からパスワードを持たない(パスワードレス)状態でアカウントを開始でき、パスワード忘れや推測による不正アクセスのリスクを低減する。同時に、アカウント復旧用のメールアドレスも確保される。
  • パスキーの推奨とデフォルト化: サインイン後、パスワードに代わる新しい認証技術である「パスキー」の追加が推奨される。Microsoftは、可能な限りパスキーをデフォルトのサインイン選択肢とするようサインインロジックを更新中である。同社によれば、パスキーはパスワードよりも安全性が高く、サインイン速度も3倍速いという。
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グローバルロールアウト計画と対象サービス

新しいサインイン体験の展開は段階的に進められている:

  1. Xbox ユーザーには既に2025年2月から提供開始(A/Bテスト)
  2. Microsoft 消費者向け体験全体は2025年3月〜4月に段階的に展開
  3. サインインセッションの約95%をカバーする最も一般的な画面を優先
  4. ウェブとモバイルアプリが先行し、Windows上のアプリが後続

「ゲームファンは既に新しい Fluent デザインでサインインを楽しんでいます! 2月にゲームウェブおよびモバイルプロパティに新デザインを A/B 実験を通じて導入しました」と Microsoft は説明している。この対象を絞った実験により、新しい UX の影響、特にダークテーマのサポートに関するデータを収集することができたという。

変更は複数の週にわたって段階的に展開されるため、現時点では元のデザイン言語を表示する画面がまだ見られる可能性がある。

今後の展望とユーザーへの影響

今回の Microsoft アカウント認証のリデザインは、現時点では個人向けのMicrosoftアカウントが対象であり、 Microsoft Entra アカウント(職場または学校アカウント)には影響しない。そのため、Microsoft Entra の顧客は消費者向けのこの UX ロールアウトに関連して対応する必要はない。

しかし、Microsoft はこれらの改善から得られる知見が、将来的に Microsoft Entra アカウントのデフォルト体験を更新するための貴重な情報になると考えている。これには、Microsoft アカウントと Microsoft Entra アカウントの両方を介した認証をサポートするアプリの共通サインイン画面も含まれる。

Goldstein 氏は「UX 実験とユーザーのフィードバックから常に学び、今後さらなる洞察を共有できることを楽しみにしています」と述べており、今後もユーザー体験の改善が続くことを示唆している。


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