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Ryzen AI 9 HX 370を搭載したミニPCが驚異のゲーム性能を発揮、AAAゲームの多くを1080p 60fpsで実行可能

Y Kobayashi

2024年8月25日

AMDのZen 5最新プロセッサー、Strix Pointこと「Ryzen AI 9 HX 370」は、ノートPC向けに発売したばかりだが、これを搭載したミニPCも登場予定のようで、早期レビューで予想を上回る高性能を発揮しており、デスクトップPCの新たな可能性を提示している。この革新的なチップセットは、ゲーミングハンドヘルドからミニPCまで、幅広いデバイスでの高性能コンピューティングの新時代を予感させるものだ。

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Ryzen AI 9 HX 370の驚異的なゲーミング性能

発売予定日の約2ヶ月前にテック系YouTuberのETA Primeが、ミニPC「Souyo S9 AI」のプロトタイプをレビューしているが、なんとディスクリートGPUなしでも最新のAAA級ゲームタイトルを1080p解像度で快適に動作させる能力がある事が示されている。

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Souyu S9 AIに搭載されているRyzen AI 9 HX 370は、AMDの最新のZen 5アーキテクチャを採用し、4つのZen 5パワーコアと8つのZen 5c高効率コアを搭載した12コア構成となっており、高性能と省電力を両立させる設計となっている。この構成により、負荷の高いタスクと日常的なタスクの両方を効率的に処理することができる。

しかし、今回焦点を当てるべきは統合GPU「Radeon 890M」だ。前世代のRDNA3アーキテクチャから進化したRDNA 3.5を採用し、コンピュートユニット(CU)数も12から16に増加している。これにより、グラフィックス処理能力が大幅に向上し、ディスクリートGPUなしでも高度なゲーミング体験を提供できるようになった。

ETA Primeのテストによると、このGPUは多くのAAA級ゲームタイトルを1080p解像度で60fpsを超える滑らかなフレームレートで動作させることができた。具体的な性能データを見てみると:

ゲームタイトル設定平均フレームレート
Cyberpunk 20771080p、低設定、FSRバランス平均74 fps
Starfield1080p、低設定、50%解像度スケーリング、Frame Gen平均78 fps
ホグワーツ・レガシー1080p、低設定、FSRバランス平均72 fps
Mortal Kombat 11080p、中設定、FSRバランス平均60 fps
Horizon Forbidden West1080p、低設定、Frame Gen60-70 FPS
Ghost of Tsushima1080p、中設定、FSR 3.1 バランス、Frame Gen62-73 FPS
Red Dead Redemption 21080p、低設定、FSRバランス平均76 fps

特に注目すべきは、Horizon Forbidden Westの性能だ。このゲームは非常に要求の高いタイトルとして知られているが、Ryzen AI 9 HX 370は1080p解像度の低設定でAMDのFrame Generationを有効にして60fpsを超えるフレームレートを維持できた。これは前世代のAPUが720p低設定でも60fpsを超えるのに苦労していたことを考えると、大きな進歩だ。

ベンチマークテストでも、Ryzen AI 9 HX 370は3DMark Fire Strikeで9,469ポイント、Time Spyで4,199ポイント、Steal Nomadで625ポイントを記録し、前世代からのGPU性能の大幅な向上を示している。

Souyo S9 AIミニPCの特徴

このRyzen AI 9 HX 370を搭載したSouyo S9 AIミニPCは、コンパクトなボディに高い処理能力を詰め込んだ製品である。その特徴は以下の通りだ:

  • 接続性:前面に2つのUSB-Aポートと1つのUSB-Cポート(プロトタイプでは機能せず)、背面に2つのHDMI出力、Ethernet、2つのUSB-A、1つのUSB-Cポートを搭載。
  • ストレージ:3つのM.2 NVMe PCIe 4.0 SSDスロットを搭載(プロトタイプでは1つが非アクティブ)。
  • メモリ:LPDDR5X RAMを採用し、16GB、32GB、64GBの容量オプションを提供。ただし、はんだ付けされているため、ユーザーによるアップグレードは不可。

Souyo S9 AIミニPCは10月中旬頃の発売が予定されているが、価格はまだ未定である。その性能を考えると、多くのゲーマーやクリエイターにとって魅力的な選択肢となる可能性が高い。

さらに、このミニPCの登場は、より広い意味を持っている。Ryzen AI 9 HX 370チップの性能は、ミニPCだけでなく、ゲーミングハンドヘルドやノートPCなど、さまざまなフォームファクターでの高性能コンピューティングの可能性を示唆している。特に、ディスクリートGPUなしでこれほどの性能を発揮できることは、省電力性と高性能を両立させたモバイルデバイスの新時代の幕開けを意味するかもしれない。

WindowsではあまりミニPCが話題になることも少ないが、Ryzen AI 9 HX 370を搭載したSouyo S9 AIのこの性能はほとんどのユーザーにとって必要十分なものであり、今後はこうした高性能APUを搭載したミニPCがWindowsにとってのMac miniのような存在になる可能性もありそうだ。


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