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OpenAI、ChatGPT Searchを全ユーザーに開放、音声検索やモバイル地図連携も実装

Y Kobayashi

2024年12月17日

OpenAIは、ChatGPTのWeb検索機能「ChatGPT Search」を無料ユーザーを含むすべてのユーザーに開放すると発表した。この発表は同社が実施している12日間の新製品発表シリーズの一環として行われたものである。音声検索機能の追加やモバイルアプリでの地図連携など、ユーザビリティを大幅に向上させる新機能も同時に導入された。

無料ユーザーへの開放とアクセス方法

これまで有料プランのユーザーにのみ提供されていたChatGPT Searchは、アカウントを持つすべてのユーザーが利用可能となる。利用にはログインが必要で、テキスト入力欄下部にある地球アイコンをクリックすることで検索機能が有効化される。この機能により、ChatGPTの回答にWebからの最新情報が反映されるようになる。

新機能の詳細と改善点

対象ユーザーの拡大と共に、ChatGPT Searchの検索体験を向上させる複数の新機能が実装された。主な改善点として以下が挙げられる:

  • Webサイトリンクの最適化:Netflixやホテルの予約サイトなど、一般的なWebサイトの検索時には、AIによる説明文の前にリンクが表示されるようになった。
  • モバイルアプリの強化:レストランや観光スポットの検索時に、画像、評価、営業時間などの情報がリスト形式で表示される。iOS版ではApple Maps、Android版ではGoogle Mapsとの連携により、地図上での場所の確認や経路案内が可能となった。
  • 高度な音声モード:有料ユーザー向けの機能として、音声による検索が可能となった。天気予報や旅行先の情報など、最新の情報をリアルタイムで音声により取得できる。10種類の音声スタイルから好みの声を選択可能だ。

Xenospectrum’s Take

今回のアップデートは、OpenAIによるWeb検索市場への本格参入を示す重要な一歩である。無料ユーザーへの開放は、Google検索に対する挑戦状とも見える。特筆すべきは、単なる検索結果の羅列ではなく、自然言語による回答と視覚的な情報提示を組み合わせたユーザー体験を提供している点だ。

しかし、この動きはOpenAIにとって諸刃の剣となる可能性もある。Web検索の提供には莫大なインフラコストが伴うため、無料提供による収益への影響は避けられない。また、Cohereなどの競合他社がすでに企業向けAPIを提供している中、OpenAIの収益化戦略の成否は不透明だ。

皮肉なことに、AIによる「より人間らしい」検索体験の提供は、既存の検索エンジンの在り方を根本から問い直す契機となるかもしれない。


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