Microsoftは2026年10月21日、Xbox Game Passに加入せず、クラウドで遊ぶ時間を購入できる仕組みのプレビューをXbox Insiders向けに始めた。導入時価格は10時間3.99ドルからで、11月には提供対象を広げる予定だ。9月に予告していた時間販売の費用が具体化し、月額契約を続けずに対応ゲームを配信して遊ぶ選択肢が見えてきた。ただし、時間を買うこととゲームを遊ぶ権利を得ることは別であり、短時間の利用では、安い時間単価より最初の支払額と残り時間が判断を左右する。
10時間3.99ドルから、買うのはゲームの配信時間
今回の試験対象は、有効なGame Pass契約を持たないXbox Insidersの参加者である。Xbox Insidersは、新機能を先行して試し、意見を寄せるためのプログラムだ。対象者は時間パックを購入し、対応端末でゲームをストリーミングできる。誰でも同じ条件で使える一般提供の開始とは区別したい。
10月21日の公式発表が示した導入時価格は、次の3種類となる。価格は米ドルで、1時間当たりの金額はパックの全時間を使った場合の平均を計算したものだ。
| 購入する時間 | パックの導入時価格 | 全時間を使った場合の1時間当たり価格 |
|---|---|---|
| 10時間 | 3.99ドル | 約0.40ドル |
| 25時間 | 7.99ドル | 約0.32ドル |
| 50時間 | 11.99ドル | 約0.24ドル |
平均単価は、各パックの価格を購入時間で割り、小数第2位に丸めた。大きいパックほど単価は下がるが、必要な時間だけを1時間ずつ、この金額で買えるという料金表ではない。最小の購入単位は、発表されたパックでは10時間となっている。
また、時間パックの購入だけでGame Passのゲームカタログを利用できるわけではない。クラウドプレイに対応するゲームの購入、または一部の基本プレイ無料ゲームへのアクセスが必要になる。既に持っている作品でも、クラウド対応の対象かどうかを確認することが先だ。
6時間だけ遊ぶなら、支払額と残り時間を比べる
既に対応作品を持ち6時間だけ遊ぶ仮定では10時間パックは3.99ドル支払い4時間が残る。大容量は全量消化時の単価が低いが最初の支払額が大きい。
例えば、旅行中だけ対応端末で合計6時間遊ぶとしよう。10月21日の導入時価格を使い、ゲームの購入費を除いた配信時間の支払いを比較すると、次のようになる。実際の利用者を測定した結果ではなく、購入時間から6時間を引く編集部の試算である。
| 購入パック | 最初に支払う金額 | 6時間遊んだ後の残り時間 |
|---|---|---|
| 10時間 | 3.99ドル | 4時間 |
| 50時間 | 11.99ドル | 44時間 |
50時間パックは10時間パックに比べ、最初に8.00ドル多く支払い、40時間多く買う。今後も使う見込みがあるなら低い平均単価が意味を持つ一方、今回の旅行分だけでよければ、10時間パックのほうが最初の出費を抑えられる。
購入した時間について、Microsoftは使い切るまで利用できると説明している。月ごとに残量が消える前提で、旅行中に使い切ろうとする必要はない。ただ、残る時間が多いことと、実際にその時間を使う予定があることも分けて考えたい。
10時間パックを買って6時間だけ使った時点では、支払った3.99ドルを実際に遊んだ6時間で割ると約0.67ドルになる。これは公式の時間単価ではなく、その時点での支払いを利用済み時間へ割り振った数字だ。残り4時間も使えば平均は約0.40ドルに近づくため、表の単価だけで購入額を決めるより、次にクラウドを使う予定まで考えるほうが実態に合う。
Game Passの月間枠と、広告付き無料試験は別の条件
Microsoftは9月3日の変更予告で、11月からGame Passに含まれるクラウドのプレイ時間を、Ultimateは月15時間、Premiumは10時間、Essentialは5時間にすると発表していた。使い切った加入者はXbox Storeで追加時間を購入できるようになる。
同じ発表では、Game Pass未加入者も所有する対応ゲームを時間購入で配信できるようにすると予告していた。今回のプレビューは、その未加入者向けの選択肢を実際に試す段階に進めたものだ。ときどきクラウドを使いたい人や、毎月の継続契約を望まない人を想定している。
ただし、今回示されたのは有効なGame Pass契約のないInsiders向けの導入時価格である。11月以降の加入者向け追加時間にも、同じ購入単位や金額がそのまま適用されるとは、この発表だけでは決められない。月間の付帯時間と別途購入した時間は、価格も利用条件も確認してから合わせて考える必要がある。
月額契約を避ける方法としては、広告付きの無料配信試験も続いている。7月23日の公式説明では、所有する対象ゲームを配信し、セッション開始前に広告を表示する方式を案内した。この試験の上限は1セッション1時間だ。
一方、有料の時間パックについてMicrosoftは、広告なしで、待ち時間を短くし、高品質に配信すると説明する。具体的な待ち時間や解像度は今回の告知に示されておらず、どの環境でも同じ品質になる保証とは読めない。無料試験のセッション制限を、そのまま有料パックの制限に置き換えることも避けるべきだろう。
日本で選ぶには、円価格と対象条件の確認が先
11月の提供拡大には、日本での利用可否や円建て価格まで確定したという意味は含まれていない。公式発表は、提供状況や購入方法、対象ゲームが市場によって異なる可能性を示している。端末やアカウントの参加資格、プレビューの参加区分による違いもあるため、Insiderに参加すれば必ず購入できると考えるのは早い。
さらに、価格は導入時のものだ。いつまで同じ金額が続くかや、一般提供後の条件は、この発表では明らかにされていない。消費時間の細かな計測方法なども含め、実際の購入画面や追加案内で確かめることになる。
既に持っている対象作品を外出先で少し遊ぶ人には、作品代とは別に、必要な配信時間を買う方法が加わる。新たにゲームを購入するなら、その代金も総費用に含めたい。日本向けの価格と対象作品がそろえば、次の旅行で使う時間、その後も遊ぶ見込み、最初に払える金額を当てはめて、自分に合うパックを選べるようになる。
