市場調査会社のTrendForceは、2024年第2四半期のNANDフラッシュ契約価格の最大18%という大幅な上昇を予測しており、これに伴いSSD価格、特にエンタープライズ向けでは最大25%もの価格上昇が見られる可能性があると報告している。
SSD価格は2023年半ばまで下落が続き、消費需要の低迷もあり、SamsungやWestern Digitalと言ったメーカーは収益悪化にあえいでいたが、NANDフラッシュメーカーの減産やサプライヤー在庫の減少、また消費者の需要が回復していることもあり、SSD価格は上昇傾向にあるようだ。
特にエンタープライズ向けSSDは北米と中国の CSP からの需要増加が見られ、特に一部バイヤーが2024年のピークシーズン前に在庫を確保しようとしている動きが見られるため、高い価格を受け入れざるを得ず、20~25%の価格上昇が見込まれるという。
一般消費者向けSSDについては、エンタープライズ向け程の積極的な購買傾向は見られないようだが、それでもメーカーの減産と在庫の減少に後押しされ、10~15%程度の価格上昇が予測されるという。
ただし、NANDフラッシュウェハーの契約価格は上昇傾向にあるとは言え、小売市場の需要低迷の影響もあり、その増加率は第1四半期の大幅な上昇から一転し、5~10%程度の小幅な物に落ち着くと見られる。
価格上昇は消費者にとってはお財布に厳しい物となるが、長い目で見れば、企業の収益性の達成を促し、最終的には将来の業界の成長につながるため、それが従業員に還元され、経済の成長を促す可能性も考えれば、健全な動きとも言えるだろう。
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