Bloom Energyは10月22日、2026年第3四半期の売上が12億3584万ドル(前年同期比138.1%増)に達し、通期の売上予想を44億〜46億ドルへ引き上げたと発表した。ただし同じ決算資料のキャッシュフロー計算書では、営業活動によるキャッシュフローが2715万ドルの流出に転じている。営業利益は2億2545万ドルだった。第3四半期は利益が入金に先行した四半期であり、この決算の質は第4四半期の営業キャッシュフローが黒字に戻るかで判定できるとみる。

AD

3度目の上方修正が前提にする第4四半期の売上

第3四半期の売上のうち、製品売上は10億7361万ドルで179.4%増え、売上全体の86.9%を占める。GAAPの粗利益率は33.8%、営業利益率は18.2%で、前年同期の1.5%から大きく上がっている。非GAAPの営業利益も2億8569万ドルに達した。

売上は第2四半期比で16.0%増えており、前年同期比138.1%増と比べれば伸びは緩やかになっている。同社の発表資料は、これを「記録的な四半期」と呼んでいる。

通期予想も上がった。売上は第2四半期時点の39億〜42億ドルから44億〜46億ドルに、非GAAP営業利益は8億〜9億ドルから9億6000万〜10億3000万ドルに、非GAAP EPSは2.55〜2.85ドルから3.10〜3.40ドルになった。CFOのSimon Edwardsは、今年3度目の引き上げだと説明している。

この予想は、第4四半期の売上にも条件を付ける。第1〜第3四半期の売上は7億5105万ドル、10億6537万ドル、12億3584万ドルで、合計は30億5226万ドルだ。筆者の計算では、通期44億〜46億ドルに届くには第4四半期に13億4774万〜15億4774万ドルが要り、第3四半期より9.1%〜25.2%多い。

日本では、ソフトバンクが2013年7月にBloom Energyとの合弁会社Bloom Energy Japanの設立を発表している。今回の決算資料に日本向けの数字は載っていない。

営業利益2億2545万ドルに対し、営業CFは2715万ドルの流出

営業活動によるキャッシュフローは、2025年第3四半期が1967万ドルの流入、2026年第1四半期が7361万ドルの流入、第2四半期が2億2643万ドルの流入だった。第3四半期だけが流出だ。Bloom Energyの2026年第3四半期は、営業利益2億2545万ドルに対し営業キャッシュフローが2715万ドルの流出で、差は約2億5260万ドルに達した。

差を作ったのは運転資本だ。キャッシュフロー計算書では、契約資産が4億3035万ドル、売掛金が1億7524万ドル、棚卸資産が1億7040万ドル、その他の長期資産が1億7803万ドル、それぞれ資金を吸い上げた。4項目の合計は約9億5401万ドルになる。契約資産の増加額は第2四半期が1億2296万ドルだったので、第3四半期はその約3.5倍にあたる。

契約資産は、売上を計上したが、対価を受け取る権利に時間の経過以外の条件が残っているものを指す。9月30日の残高は流動と非流動の合計で8億5865万ドルあり、2025年末の2億4119万ドルの約3.6倍だ。

売上は、契約資産、売掛金、入金の順に現金へ変わる。売上の伸びが速いと、この時間差が一度に大きく出る。第3四半期は契約資産と売掛金の両方が増えており、売上を計上した分のうち相当な額が、まだ現金になっていない。

設備投資も重なった。有形固定資産の購入は1億5349万ドルで、第2四半期の5164万ドルの約3倍だ。営業CFから設備投資1億5349万ドルを引いた簡易なフリーキャッシュフローは、第3四半期が約1億8063万ドルの流出になる。第2四半期は約1億7479万ドルの流入だったので、符号が一四半期で入れ替わった。

AD

流出は成長の先行か、回収の遅れか

流出を成長の先行と読む反対論には、根拠がある。繰延収益と顧客預り金は流動と非流動の合計で7億5438万ドルあり、2025年末の1億4382万ドルから増えた。第3四半期だけで3億933万ドルの資金流入を生んでおり、前受金で入金が先に来る案件もあるということだ。2025年末からの増加額は、契約資産が約6億1746万ドル、繰延収益と顧客預り金が約6億1057万ドルで、ほぼ釣り合う。第3四半期の運転資本7項目(契約資産、売掛金、棚卸資産、その他長期資産と、繰延収益、買掛金、未払費用)を差し引いても、吸い上げは約3億126万ドルにとどまる。

現金及び現金同等物は24億8670万ドルで、2025年末の24億5411万ドルを上回る。第1〜第3四半期の営業CFを足せば約2億7290万ドルの流入で、CFOも「規律をもって投資し、事業拡大に必要な能力と生産能力を築く」と述べている。

それでも見立てを第3四半期に限って維持するのは、釣り合いが年初来の話で、四半期の入金は別に動くためだ。第3四半期は営業CFが流出し、投資活動では設備投資も前四半期の約3倍に増えた。契約資産の中身は、どの案件の未請求分で、いつ請求に進むのかが決算資料に書かれていない。外から確かめられる材料は、次の四半期の営業CFと契約資産の残高の2つになる。ガイダンスの引き上げは売上と利益の予想で、キャッシュフローの予想は含まれない。

第4四半期の営業CFが黒字に戻り、契約資産が8億5865万ドルから減れば、今回の流出は時間差だったと確認でき、懸念は後退する。営業CFが再び赤字で契約資産がさらに増えるなら、先行ではなく回収の遅れとして読むことになる。第4四半期は13億4774万ドル以上の売上が要るため、そこで積み上がる契約資産も同じ表で確認できる。この2つが並んで改善すれば、ガイダンスの引き上げは利益だけでなく入金を伴う成長として読める。