Microsoft Edgeは、Microsoftが開発しているWebブラウザである。2015年にWindows 10の標準ブラウザとして初登場し、当初は独自のEdgeHTMLレンダリングエンジンを採用していたが、現在はGoogle Chromeと同じChromiumエンジンをベースに構築されている。Windowsに標準搭載される主要ブラウザの一つとして、Google ChromeやMozilla Firefoxと市場で競合している。
概要
Microsoft Edgeは、旧Internet Explorerの後継としてMicrosoftが開発したWebブラウザである。Windows、macOS、モバイルOSなど複数のプラットフォームに対応し、Windows 10および11では標準ブラウザとして組み込まれている。Chromiumベースへの移行後は、Google Chrome向けに開発された拡張機能の多くがそのまま利用可能となっており、レンダリング性能やWeb標準への準拠度もChrome系ブラウザと同等の水準にある。
沿革
Microsoft Edgeは2015年に発表され、当初はMicrosoft独自のEdgeHTMLエンジンを搭載していた。しかしシェア拡大が進まず、Microsoftはエンジンを自社開発から放棄し、オープンソースのChromiumプロジェクトをベースとした新版へ移行した。この移行により、拡張機能の互換性やWebサイトの表示互換性が大幅に改善され、企業導入や個人利用の両面で採用が進んだ。
技術的位置づけ
現在のMicrosoft Edgeは、Google Chromeと同じChromiumエンジンを採用しているため、レンダリング挙動やAPI対応の面では両者に大きな差はない。一方でMicrosoftは、Copilotとの統合や独自のプライバシー機能、企業向け管理機能などを付加価値として提供し、単純なChromeの代替ではない差別化を図っている。ただし認証情報の管理方式など、セキュリティ設計の一部はChromeやBraveといった他のChromium系ブラウザと異なる挙動を示すことがあり、これが議論の対象となる場合もある。
主要な動向
2026年5月6日には、Microsoft Edgeが起動時に保存済みパスワードを平文でRAM上に展開し続ける設計であることが指摘された。管理者権限を持つ攻撃者が共有端末やターミナルサーバ上で複数の認証情報を一括取得できるリスクがあり、Google ChromeやBraveでは見られない挙動であるとされた。Microsoftは当初この挙動を「設計通りの機能」と説明したが、コミュニティからの批判が続いた結果、2026年5月16日には方針を転換し、起動時の平文パスワードロードを廃止する修正を行うことを決定した。この一連の経緯は、ブラウザの脅威モデルにおける設計判断の妥当性が問われた事例として注目された。
また同時期には、Microsoft自身がAI分野でも動きを見せている。2026年6月8日には米商務省傘下のCAISIとの協定を通じて、Google DeepMindやxAIとともにフロンティアAIモデルの公開前審査に応じる枠組みへの参加が報じられた。これはMicrosoft Edge自体の機能ではないが、Microsoft製品全体を取り巻くセキュリティ・安全性への規制対応の流れを示すものであり、ブラウザを含む同社製品の信頼性への関心が高まっている背景として位置づけられる。
一方、競合するMozilla Firefoxは2026年5月23日に次世代デザイン「Project Nova」を発表し、プライバシーとAI管理を軸にした刷新を進めている。Google Chromeも2026年4月14日にデスクトップ版で分割ビューやPDF連携などの新機能を追加しており、ブラウザ市場全体で機能競争が続いている。このような状況の中で、Microsoft Edgeのセキュリティ対応の遅れや修正の経緯は、ユーザーのブラウザ選択における判断材料の一つとして扱われている。