
サイエンス
空間から時間へ:光子を捕捉する「時間結晶」が拓くテラヘルツ波制御の新次元
国際研究チームは、空間構造ではなく時間の周期性で光を操る「光子時間結晶」を世界で初めて実証した。粒子加速器を用いた強力なテラヘルツパルスにより、物質の光学特性をピコ秒単位で変調させることで、光子の散逸を劇的に抑えることに成功したのである。
別名: Photonic Crystal
光の波長と同程度の周期的な屈折率分布を持つ構造体。特定の波長の光の伝搬を禁止する「フォトニックバンドギャップ」を形成できる。この性質を利用して、光をナノスケールの極めて狭い領域に閉じ込めるナノキャビティ(共振器)を作製することが可能であり、光と物質の相互作用を極限まで高めるデバイスに応用される。

国際研究チームは、空間構造ではなく時間の周期性で光を操る「光子時間結晶」を世界で初めて実証した。粒子加速器を用いた強力なテラヘルツパルスにより、物質の光学特性をピコ秒単位で変調させることで、光子の散逸を劇的に抑えることに成功したのである。

ルイジアナ州立大学の研究チームは、金の薄膜に微細なスリットを刻んだメタクリスタルを開発し、光の量子統計的性質を室温で制御することに成功した。半導体のようなバンド構造を用いて多光子系の干渉を操作する本技術は、量子技術の実用化を加速させる。

チャルマース工科大学の研究チームは、物理法則を直接組み込んだ機械学習システム「QNM-Net」を開発した。電磁気学の基礎方程式を学習済みのAIは、従来数ヶ月を要したナノ構造の設計プロセスを数日へと劇的に短縮し、次世代の光制御技術を加速させる。

ペンシルベニア大学とモンタナ州立大学の研究チームは、電子ベースの計算機が直面する熱と電力の限界を克服するため、光と物質のハイブリッド準粒子「エキシトンポラリトン」を利用した全光学的な非線形演算技術を開発した。これは、極薄半導体とナノスケールの光共振器を組み合わせることで、光の高速性と物質の相互作用を両立させ、次世代AIハードウェアの課題解決に貢献する画期的な成果である。