サイエンス
光だけで計算する未来へのブレイクスルー。ペンシルベニア大が開発した「エキシトンポラリトン」素子とは
ペンシルベニア大学とモンタナ州立大学の研究チームは、電子ベースの計算機が直面する熱と電力の限界を克服するため、光と物質のハイブリッド準粒子「エキシトンポラリトン」を利用した全光学的な非線形演算技術を開発した。これは、極薄半導体とナノスケールの光共振器を組み合わせることで、光の高速性と物質の相互作用を両立させ、次世代AIハードウェアの課題解決に貢献する画期的な成果である。
別名: 励起子極性子, Exciton-polariton
光子(フォトン)と物質中の励起子(エキシトン)が、微小な共振器内などで極めて高速にエネルギーを交換し合うことで形成される量子力学的な強結合状態の準粒子。光の持つ超高速な移動特性と、物質(電子・正孔ペア)の持つ強い相互作用(非線形性)を併せ持つ。これにより、光子同士では困難な相互作用を、内包するエキシトンの電気的反発力を介して実現できるため、次世代の全光スイッチング素子や超省電力な光コンピューティングを実現する鍵として期待されている。