サイエンス
銅線を置き換える「炭素の血管」。強度は5倍、重量は半分になる新世代ケーブルの正体
スペインの研究チームは、二重壁カーボンナノチューブ繊維の間質空間に気相法でテトラクロロアルミン酸イオンを挿入することで、ナノチューブの構造を破壊せずに電子を供給する新技術を開発した。これにより、銅の約8倍の比導電率を持つ軽量かつ高強度な導電性素材が実現し、次世代モビリティやエネルギーインフラの軽量化に貢献する可能性を示した。
別名: AlCl4-
塩化アルミニウム(AlCl3)と塩化物イオンが結合して形成される、四面体構造を持つ負の電荷を帯びた錯イオン。カーボンナノチューブなどの炭素材料へのドーピングにおいて、チューブ間の隙間(間質空間)に侵入して電子状態を変化させ、材料の導電性を劇的に向上させるドーパントとして利用される。水分と反応しやすい性質を持つため、実用化には封止技術が重要となる。