Term

トカマク

別名: Tokamak

Overview

最終更新: 2026年7月9日

トカマクとは、強力な磁場によって高温のプラズマをドーナツ状(トロイダル状)の空間に閉じ込め、核融合反応を持続させることを目指す装置方式である。1950年代にソビエト連邦で考案され、以来核融合エネルギー研究における主流の方式として位置づけられてきた。現在、ITERをはじめとする国際的な研究炉から、英国のTokamak Energyや中国のEASTなど民間・国家主導のプロジェクトまで、多様な形で開発が進められている。

概要

トカマクは、トロイダル磁場とポロイダル磁場を組み合わせてプラズマを安定的に閉じ込める構造を持つ。プラズマ中に大電流を流すことで自己生成される磁場と、外部コイルが生み出す磁場を組み合わせることで、高温・高密度のプラズマをドーナツ形状の真空容器内に維持する。この方式は、レーザー核融合など他の閉じ込め方式と比較して長時間の連続運転や商業発電への応用可能性が高いとされ、世界各国の研究開発の中心となっている。

沿革

トカマクは磁場閉じ込め核融合の代表的な方式として長年研究が続けられてきたが、実用化までの道のりは険しく「30年後に実現する」という言葉が繰り返し用いられてきた歴史を持つ。近年は高温超伝導(HTS)磁石技術の進展により、装置の小型化と高磁場化が可能となり、開発競争が加速している。英国のTokamak Energyをはじめとする民間企業の参入も増え、核融合開発は国家プロジェクト中心から商業化を見据えた民間主導のフェーズへと移行しつつある。

技術的位置づけ

トカマクは核融合発電の実現に向けた最有力候補の一つであり、プラズマの安定維持時間や閉じ込め性能の向上が技術的課題の中心となっている。特にプラズマ中で発生するアルファ粒子や乱流(ELMなど)の制御は加熱効率とエネルギー損失に直結するため、シミュレーション技術と実験データの両面からの解明が進められている。高温超伝導磁石を用いた球状トカマクは、従来型よりも小型かつ高性能な炉を実現できる可能性があるとされ、次世代設計の焦点となっている。

主要な動向

2026年4月には、英国のTokamak Energyが高温超伝導マグネットシステム「Demo4」の開発進展を発表し、2025年11月時点での成果として商業核融合発電に向けた前進と位置づけられた。同社は2026年6月にも、球状トカマク装置「ST40」内部のプラズマを高速カラー撮影する技術に世界で初めて成功したと公表している。同じく2026年6月には、英国のMAST Upgradeがプラズマの乱気流「ELM」を2025年10月に世界で初めて抑制したと報告され、核融合実用化に向けた歴史的な節目とされた。また2026年6月には、核融合炉内で生じるアルファ粒子が熱閉じ込め性能を向上させる正のループを形成することが最新シミュレーションで明らかになり、次世代炉設計への応用が期待されている。中国科学院のプラズマ物理研究所は、核融合実験装置EASTにおいて1月20日にプラズマの安定維持時間1,066秒という世界記録を更新したと発表した。さらに2026年6月には米国エネルギー省が2030年代の商用化を見据えた核融合科学技術ロードマップを公開し、2026年4月にはGoogleが2025年6月30日に核融合分野への投資を発表するなど、AIの電力需要増大を背景とした投資拡大の動きも続いている。過去5年間で核融合エネルギー分野への民間資金流入は100億ドル規模に達しており、トカマク方式は商業化に向けた開発競争の中心的な技術として注目され続けている。

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よくある質問

トカマクとは何ですか?
トカマクとは、強力な磁場を用いて高温のプラズマをドーナツ型に閉じ込め、核融合反応を制御する装置方式のことである。核融合発電の実現を目指す研究の主流方式の一つとされている。
トカマクは他の核融合方式と何が違うのですか?
トカマクはトロイダル磁場とポロイダル磁場を組み合わせてプラズマを閉じ込める磁場閉じ込め方式であり、レーザーで瞬間的に圧縮するレーザー核融合方式と異なり、長時間の連続運転や商業発電への応用が期待されている。
トカマク方式を採用している主な企業や施設は?
国際プロジェクトのITER、中国のEAST、英国のTokamak EnergyやMAST Upgradeなどが代表例であり、国家主導の研究炉と民間企業のプロジェクトが並行して進められている。
直近ではトカマク関連でどのような進展がありましたか?
2026年にはTokamak Energyの高温超伝導磁石Demo4の進展発表やST40のプラズマ高速撮影成功、MAST UpgradeによるELM抑制、EASTのプラズマ1,066秒安定維持など複数の成果が報じられた。
核融合発電の実用化はいつごろとされていますか?
米国エネルギー省は2030年代の商用化を見据えたロードマップを2026年6月に公開しており、民間資金の流入も過去5年間で100億ドル規模に達するなど開発が加速している。