サイエンス
次元の壁を越えたMITの新技術。数十年の謎だった「リラクサー材料」の深層構造を初解明
マサチューセッツ工科大学を中心とした国際研究チームは、多スライス電子タイコグラフィ(MEP)を駆使し、これまで不明だったリラクサー強誘電体の3次元原子構造と電荷分布を直接観測することに成功した。この発見は、従来のシミュレーションが描いた原子レベルの乱れが巨視的な性能に結びつくメカニズムを覆し、高感度センシング技術の飛躍的発展に貢献する可能性を秘めている。
別名: リラクサー材料, Relaxor Ferroelectrics, リラクサー, リラクサー強誘電体
結晶構造内に意図的な化学的無秩序(原子レベルの乱れ)を持つ材料群。一般的な強誘電体が特定の温度で一斉に相転移するのに対し、リラクサーは広い温度範囲で柔軟な分極状態を維持する。この特性により、微小な電場や圧力に対して巨大なエネルギー変換効率を発揮し、超音波診断装置や高感度ソナーなどの高性能センサーに不可欠な素材となっている。