サイエンス
原子を変えずに“電子だけ”を溶かす新技術「量子冶金」が超伝導や人工ニューロンを身近にするかもしれない
ミシガン大学の研究チームは、金属内部で電子が形成する「電子の氷」(電荷密度波)が融解する過程を「量子冶金」と名付け、その謎を解明した。彼らは透過型電子顕微鏡を用いた実験で、電子の結晶が固定された体積内で連続的に崩壊し、波の振幅を局所的に消失させることで圧力を解放するメカニズムを発見した。この成果は未来の超伝導体や人工脳細胞の開発に繋がる可能性を秘めている。
別名: quantum metallurgy
ミシガン大学のロバート・ホブデン准教授らが提唱した概念。金属の原子格子を溶かすのではなく、内部の電子が形成する周期構造(電荷密度波)に熱や電圧で意図的な欠陥を作り出し、超伝導の安定化やニューロモルフィック・デバイスへの応用を目指す手法。従来の冶金学がマクロな結晶構造を対象としたのに対し、量子レベルでの電子の振る舞いをエンジニアリングの対象とする。