
テクノロジー
肥大するポスト量子暗号を64バイトに圧縮するGoogleの奇策:MTC(Merkle Tree Certificates)が切り拓く次世代Webトラスト構造
量子コンピューターの実用化が現実味を帯びる中、現在のインターネット通信の根幹をなす公開鍵暗号(RSAや楕円曲線暗号)の脆弱性が指摘されて久しい。「Shorのアルゴリズム」が実用的な規模で稼働すれば、素因数分解や離散対数問 […]
X.509は、公開鍵インフラストラクチャ(PKI)におけるデジタル証明書の標準形式を定める国際規格である。証明書の所有者の識別情報、公開鍵、発行者(認証局)の署名などのデータ構造を定義している。現在のインターネットにおけるHTTPS通信の信頼性の基盤となっているが、署名データが直列的に連結される構造のため、耐量子計算機暗号(PQC)のような巨大な署名を採用するとデータサイズが肥大化するという課題がある。Googleが推進するMTCは、このX.509の構造的な限界を打破し、より効率的な検証を可能にする新しいアプローチとして位置づけられている。