サイエンス
コイルという制約からの解放。分子メモリスタが切り拓く「創発インダクタンス」のパラダイム
理化学研究所などの共同研究チームは、分子性モット絶縁体を用いたメモリスタにおいて、外部コイルなしで最大10万ヘンリーを超える巨大なインダクタンスが発現する現象を実証した。これは、電子の遅いダイナミクスと履歴依存性が巨視的な慣性として機能する「創発インダクタンス」であり、従来のコイルの約10万倍の規模で、電子回路の設計思想を根本から変える可能性を秘めている。
別名: Impedance Spectroscopy
インピーダンス分光は、測定対象に微小な交流信号を印加し、その周波数を掃引しながら応答電流の振幅と位相差を測定することで、複素インピーダンスを算出する解析手法である。得られたデータを複素平面上にプロット(ナイキストプロット)することで、物質内部の抵抗成分、静電容量(コンデンサ成分)、インダクタンス(コイル成分)を分離して評価できる。電池の内部抵抗解析、腐食モニタリング、半導体材料の物性評価などに広く用いられる。