Morgan Stanleyのテクノロジーカンファレンスで、Intelの幹部が18Aプロセスを採用する次世代Panther Lakeプロセッサの遅延に関する噂が流れている中、これを明確に否定した。同社は2025年下半期の発売予定を変更しておらず、現在の歩留まりは過去のMeteor Lakeの同時期よりも良好であることを強調した。
延期の噂に対するIntelの明確な反論
業界アナリストのMing-Chi Kuo氏を含む複数の情報筋が、Intelの18Aノードプロセスの開発遅延により、次世代Panther Lake(PTL)プロセッサの生産が2025年第4四半期半ばまで遅延し、消費者向け製品の市場投入は2026年になると伝えられていた。
これに対し、3月5日に開催されたMorgan Stanleyテクノロジー・メディア・通信カンファレンスで、IntelのコーポレートVP兼投資家向け広報責任者のJohn Pitzer氏は、これらの噂を明確に否定した。
「18Aは予定通りです。私は毎朝、X(旧Twitter)やソーシャルメディア上のIntel 18Aに関する噂をチェックしています。明確にしておきたいのは、Panther Lakeは2025年下半期に予定通り発売されるということです。その発売日は変更されていません」とPitzer氏は強調した。
さらに、現在のPanther Lakeの開発状況について、「実際、現時点でのPanther Lakeの収率は、Meteor Lakeの開発プロセスの同時期と比較してわずかに優れています」と付け加え、開発が順調に進んでいることを示した。
Panther Lakeが持つIntelにとっての戦略的重要性
Panther LakeはIntelにとって単なる新製品以上の意味を持っている。これは同社の自社ファウンドリ(Intel Foundry Services、IFS)の18Aノードプロセスを採用する最初の製品ファミリーであり、Intel Foundryの将来を大きく左右する重要な製品となる。
技術的な観点では、数週間前に発表された技術論文で、Intel 18AのSRAM密度がTSMCのN2と比較して良好な結果を示していると報告されている。Pitzer氏は「一般的に、Intel 18AはTSMCのN3タイプ/N2と同等レベルと考えている」と述べ、外部競合他社と比較しても競争力があることを強調した。
2月中旬には、PantherLakeがIntelのポータブルゲーミング戦略においても重要な位置を占めることが報じられており、同社の事業戦略全体における重要性が伺える。
量産スケジュールと今後の展望
Intelは2025年上半期に18Aプロセスを使用した初の外部設計のテープアウトを予定しており、その進捗も順調だとPitzer氏は述べている。
Panther Lakeは2025年下半期に発売される予定だが、本格的な量産は2026年になる見通しだ。これはIntelの過去の製品ラインでも見られたパターンで、Meteor Lakeは2023年下半期に発売されたが実際の大量生産は2024年に、Lunar Lakeも2024年下半期に発売され2025年に本格的な量産を迎えている。
「Panther Lakeは2025年下半期に発売しますが、全社的な利益率を向上させるような量に達するのは実際には2026年になります」とPitzer氏は説明した。
カスタマーサンプルは2025年下半期に出荷される予定であり、Intelは大量生産に向けた十分な収率を達成したと見られている。
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