AMDは、次世代GPU「Radeon RX 9000」シリーズを2月28日に正式発表することを明らかにした。RDNA 4アーキテクチャを採用し、AI処理能力を強化した新GPUは、NVIDIAのGeForce RTX 50シリーズに対抗する製品として注目される。
AMD、Radeon RX 9000シリーズ発表イベントを予告
AMDのRyzen CPUおよびRadeon Graphics担当VP兼GMであるDavid McAfee氏は、自身のXアカウント(@david_mcafee)で、Radeon RX 9000シリーズの発表イベントを2月28日午前8時(東部標準時)にAMD Gaming YouTubeチャンネルで実施すると発表した。長らく情報が伏せられていたRDNA 4アーキテクチャ採用のGPUの詳細がいよいよ公開される。
発表イベントでは、Radeon RX 9070 XTとRadeon RX 9070の詳細スペック、価格、パフォーマンスなどが公開される予定だ。これまでAMDは、RX 9070 XTとRX 9070に関する情報を断片的にしか公開していなかったが、今回の発表で全てが明らかになる。
Radeon RX 9070 XTおよびRX 9070が先行発表か
今回発表されるのは、Radeon RX 9070 XTおよびRX 9070の2モデルと見られている。
Radeon RX 9070 XTの公式仕様は未発表だが、リーク情報から以下のスペックが予測されている:
- メモリ:16GB GDDR6
- メモリバス幅:256ビット
- シェーダー数:4,096基(64 CU)
- ブーストクロック:3.1GHz
これらの予測値に基づけば、Radeon RX 9070 XTの性能はNVIDIA GeForce RTX 4080 Superに匹敵すると見られる。
AI機能を強化したRDNA 4アーキテクチャとFSR 4.0
Radeon RX 9000シリーズGPUは、RDNA 4アーキテクチャを採用し、AIハードウェアを強化した点が特徴だ。AIアップスケーリング技術がネイティブグラフィックスに匹敵する進化を遂げる現代において、AMDはRDNA 4アーキテクチャでAI処理能力を重視する方針へ転換した。
次世代アップスケーリング技術FSR 4.0は、Nvidia DLSSに対抗すべくAIコアを積極的に活用する設計となっている。AMDはFSR 4.0初期統合の品質向上を図るため、Radeon RX 9000シリーズの発売を3月に延期したと説明していた。
3月上旬発売、価格設定が鍵に
Radeon RX 9070 XTおよびRX 9070は、3月5日に発売されると噂されている。David McAfee氏も、「3月上旬の発売に向けて準備を進めている」と述べている。
価格については様々な憶測があるが、ある情報筋によると、RX 9070が499ドル、RX 9070 XTが599ドルになる可能性があるという。ただし、これはあくまで噂であり、最終的な価格は、AIBモデルや税金などを考慮すると高くなる可能性があるだろう。
Radeon RX 9070 XTの競合製品としては、NVIDIAが2月20日に発売を予定しているGeForce RTX 5070 Tiが挙げられる。しかし、RTX 5070 Tiは供給不足に悩まされる可能性があると報じられており、AMDにとっては、十分な供給量を確保することが、アッパーミドルレンジ市場での成功の鍵となるだろう。
XenoSpectrum’s Take
AMDのRadeon RX 9000シリーズは、AI機能を強化したRDNA 4アーキテクチャとFSR 4.0を武器に、NVIDIAの牙城を崩すべく投入される意欲的な製品だ。特に、FSR 4.0がDLSSにどこまで迫れるかが注目される。
懸念点は、過去のRadeonシリーズで見られたドライバの最適化不足や、レイトレーシング性能の相対的な低さだ。これらの課題を克服し、NVIDIAに匹敵する総合的な性能と安定性を提供できるかが、市場での評価を左右するだろう。
また、供給量の確保も重要な要素だ。NVIDIAがRTX 50シリーズで品薄に陥っている現状を踏まえ、AMDが十分な数量を市場に投入できれば、シェア拡大の大きなチャンスとなる。
価格設定については、リーク情報が正しければ、競争力のある価格帯と言える。しかし、実際の性能や、競合製品の価格動向によっては、調整が必要になる可能性もある。
総じて、Radeon RX 9000シリーズは、AMDのGPU市場における復権をかけた重要な製品となる。2月28日の発表で、その全貌が明らかになることを期待したい。
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