Veoは、Googleの研究部門であるGoogle DeepMindが開発したテキストから動画を生成するAIモデルである。ユーザーが入力したテキストや画像のプロンプトに基づき、映像コンテンツを自動生成する技術であり、動画生成AIという急速に競争が激化する領域においてGoogleを代表する製品の一つとなっている。公式にはdeepmind.google上でモデル情報が公開されている。
概要
Veoはテキストから動画を生成するtext-to-videoモデルとして分類され、ソフトウェアという形態でGoogleのAI技術群の一部を構成する。動画生成AIは、映像制作の工程を短縮し、テキストや静止画から動く映像コンテンツを直接出力できる点が特徴であり、Veoはこの分野におけるGoogleの技術的到達点を示すモデルとして位置づけられている。開発元がGoogle DeepMindであることから、Geminiをはじめとする同社の基盤モデル群とも技術的に連携している可能性が高い。
技術的位置づけ
動画生成AIの領域では、OpenAIのSora、ByteDanceのSeedanceシリーズ、そしてGoogleのVeoが主要な競合として並び立っている。各モデルは画質、動きの自然さ、プロンプトへの忠実度といった観点でベンチマーク比較の対象となっており、業界全体の技術水準を測る指標としても注目されている。Veoはこうした競争の中で、Googleの検索・広告事業やAndroid、Chromeといった既存プラットフォームとの統合を進める余地を持つ点で、単独の動画生成ツールを提供する企業とは異なる戦略的立場にある。
主要な動向
動画生成AI市場では2026年に入り、競合による性能面での挑戦が相次いで報じられた。ByteDanceが発表した「Seedance 1.0」は、公開されたベンチマークにおいてOpenAIのSoraおよびGoogleのVeoを上回る結果を示したと報じられ、業界に波紋を広げた。さらに2026年2月にはByteDanceが「Seedance 2.0」を公開し、画質面の向上に加えてクリエイティブワークフローそのものを変える可能性が指摘されるなど、動画生成AIの競争はさらに一段階進んだ状況にある。
一方でGoogle自身も、Veoを含む生成AI群を支えるインフラ投資を加速させている。2026年6月には、Googleが今後5年間でAI計算基盤を1000倍規模までスケールアップする計画を進めており、AIインフラを半年ごとに倍増させる方針であることが報じられた。この投資はGeminiやVeoを含む同社の生成AIモデル群の性能向上と競争力維持を支える基盤になるとみられる。また同時期には、Google DeepMindがテキスト生成領域に拡散モデルの技術を応用した「Gemini Diffusion」を発表するなど、画像・動画生成で培った技術を他分野へ横展開する動きも見られ、Veoが持つ技術基盤がGoogleのAI開発全体において重要な役割を担っていることがうかがえる。
こうした一連の動きから、Veoは単体の製品としてだけでなく、Googleが動画生成AI市場での競争力を維持しつつ、自社のAIインフラおよび他モデルとの技術的シナジーを追求する上での重要な要素として位置づけられていると考えられる。