
サイエンス
電池の寿命と効率が劇的に変わる。酸素還元反応の限界を打ち破った「見えない引力」とは
KAISTなどの研究チームは、燃料電池の効率を阻む酸素還元反応を制御するため、触媒の構造ではなく周囲の局所電場を操作する新手法を開発した。陽イオンで電子の流れを導くことで、理想的な反応の選択性を従来の約4倍に高めるパラダイムシフトを実現した。
別名: Local Electric Field
局所電場とは、分子や原子の極めて近い周囲に形成される微細な電気的な力場を指す。本研究では、触媒分子の周囲にクラウンエーテル構造を用いて陽イオンを配置することで、意図的にこの電場を作り出した。この電場は、酸素分子が電子を引き込む力を強める「静電的効果」と、分子の結合姿勢を安定化させる「ルイス酸効果」を誘発する。これにより、触媒自体の物質的構造を大きく変えることなく、化学反応の経路を選択的に制御し、エネルギー効率を向上させることが可能となる。