
サイエンス
電池の寿命と効率が劇的に変わる。酸素還元反応の限界を打ち破った「見えない引力」とは
KAISTなどの研究チームは、燃料電池の効率を阻む酸素還元反応を制御するため、触媒の構造ではなく周囲の局所電場を操作する新手法を開発した。陽イオンで電子の流れを導くことで、理想的な反応の選択性を従来の約4倍に高めるパラダイムシフトを実現した。
別名: Iron Porphyrin
鉄ポルフィリンは、中心に鉄原子を持ち、それを窒素を含む環状分子であるポルフィリンが囲んだ構造の錯体である。生体内ではヘモグロビンやシトクロムなどの重要なタンパク質に含まれ、酸素の運搬や電子伝達を担っている。材料科学の分野では、高価な白金に代わる安価で豊富な資源を用いた酸素還元反応(ORR)触媒として期待されてきたが、従来の設計では反応効率や選択性が低いことが課題であった。本研究では、この鉄ポルフィリンの周囲に電場を導入することで、その潜在能力を最大限に引き出すことに成功した。