12万枚を自動選別、MoS₂トランジスタの層数と性能を統計で結ぶ
KAISTなどの研究チームが12万枚超のMoS₂片を自動分類し、1,615個のFETを評価。層数ごとの電流とスイッチ性能の差を統計で捉え、2D半導体設計のデータ基盤を築いた。
KAIST(韓国科学技術院)は、韓国・大田広域市に本部を置く国立の研究大学であり、科学技術分野に特化した教育・研究機関である。工学、情報科学、材料科学、生命科学など理系分野を中心に高度な研究活動を展開し、韓国国内のみならず国際的にも科学技術研究の拠点として認知されている。
KAISTは韓国を代表する理工系国立大学として、基礎研究から応用技術開発まで幅広い研究領域を持つ。特に半導体、人工知能(AI)、エネルギー技術、バイオメディカル分野において、産学連携や国際共同研究を積極的に推進しており、研究成果は学術誌や技術メディアで頻繁に取り上げられている。学内発の技術シードを基にしたスタートアップの創出にも力を入れており、研究成果の産業応用を重視する姿勢がうかがえる。
KAISTの研究活動は、単一分野にとどまらず、AI、半導体メモリ、エネルギー変換技術、医療応用技術など複数の先端領域を横断している点が特徴である。特にAIの信頼性向上や次世代メモリアーキテクチャ、燃料電池の効率化といった、産業全体の基盤技術に関わる研究テーマを多く扱っており、基礎科学の知見を実用技術へ橋渡しする役割を担っている。こうした姿勢は、学内発スタートアップの技術移転活動にも表れている。
2026年に入り、KAIST関連の研究成果が相次いで報告されている。2026年4月には、がん細胞を殺すことなく正常細胞へ転換させる治療技術が発表され、従来のがん治療における副作用や再発リスクの低減が期待されるとされた。同月には次世代HBM(広帯域幅メモリ)に関する技術動向の中でもKAIST関連の研究が言及されており、AI半導体基盤技術への関与がうかがえる。
2026年5月には、KAISTの研究チームがディープラーニングモデルの過信問題に着目し、ランダム初期化直後のネットワークが未学習の状態でも高い確信度で誤判断を下す現象を発見した。この研究では、胎児の脳が外界に触れる前にノイズを処理する仕組みから着想を得た学習手法が提案され、AIの過信抑制に寄与する可能性が示された。同月には、KAISTとSony AIが共同開発した音響生成モデル「PAVAS」も発表され、映像から物体の質量や速度を推定し物理法則に忠実な音を生成する技術として注目された。
2026年6月には、KAISTなどの研究チームが燃料電池の酸素還元反応を制御する新手法を開発し、触媒周囲の局所電場を操作することで反応選択性を大幅に高める成果を報告した。また同月、KAISTが支援するスタートアップPanmnesiaが、AI GPUがDRAMやSSDを低遅延でメモリとして利用できる「CXL-GPU」技術を発表し、GPUメモリ制限の克服に向けた技術として取り上げられている。これらの動向は、KAISTがAI、エネルギー、半導体という複数の先端分野で継続的に研究成果を生み出していることを示している。
KAISTなどの研究チームが12万枚超のMoS₂片を自動分類し、1,615個のFETを評価。層数ごとの電流とスイッチ性能の差を統計で捉え、2D半導体設計のデータ基盤を築いた。

KAISTなどの研究チームは、燃料電池の効率を阻む酸素還元反応を制御するため、触媒の構造ではなく周囲の局所電場を操作する新手法を開発した。陽イオンで電子の流れを導くことで、理想的な反応の選択性を従来の約4倍に高めるパラダイムシフトを実現した。

映像の「見た目」だけで音を作る時代は終わった。KAISTとSony AIが共同開発した新技術『PAVAS』は、映像から物体の「質量」と「速度」を力学的に推定し、現実の物理法則に忠実なリアルな音響を生成する。映画やゲーム体験を変革する「Physical AI」の最前線に迫る。

AIが「自分が間違っているかもしれない」と疑う能力を持たない過信が、ハルシネーションや人命に関わるシステムでの誤判断を引き起こすことが問題視されている。KAISTの研究チームは、ディープラーニングのランダム初期化直後に、まだ何も学習していないネットワークがランダムノイズに対して高い確信度で誤った判断を下すことを発見した。これは、ネットワーク内の微小な偏りがソフトマックス関数で強調され、初期段階で過信が形成されるためであり、胎児の脳が外界に触れる前にノイズを処理するメカニズムから着想を得た「ランダムノイズによるウォームアップ学習」が、この過信を抑制する可能性を示唆している。

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