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20分の太陽光で1時間駆動、Lenovoが「Yoga Solar PC」コンセプトを発表

Y Kobayashi

2025年3月3日

LenovoはMWC(Mobile World Congress)にて、ノートPCに太陽光発電機能を統合した「Yoga Solar PC」コンセプトモデルを発表した。蓋に搭載されたソーラーパネルにより、わずか20分の太陽光による発電で最大1時間の動画再生が可能となり、電源ケーブルへの依存を減らすことを目指している。

高効率ソーラーパネルと先進技術

Yoga Solar PCの最大の特徴は、ノートPCの蓋に統合された84個のソーラーセルから成る太陽光パネルだ。このパネルはBack Contact cell設計を採用しており、パネルの配線や電気接点がすべてソーラーセルの背面に配置されている。これにより前面は最大限に光を捕捉することが可能になり、変換効率は24%以上に達する。

「この変換効率は、現在の民生用電子機器で使用されているシリコンベースのソーラーパネルの多くよりも効率的ですが、光の吸収と効率を最大43%まで高めることができるペロブスカイト膜層を追加したパネルよりはやや劣ります」とLenovoは説明している。

ハードウェア面では、Intel Lunar Lakeプロセッサを搭載し、32GBのRAMと1TBのストレージを備える。14インチのOLEDディスプレイを搭載しながらも、厚さはわずか15mmで、重量は約1.22kgと超軽量設計となっている。

様々な光源から充電可能

Lenovoによれば、Yoga Solar PCは直射日光の下で20分間充電するだけで、最大1時間の動画再生が可能になるという。低照度環境での充電効率についてはまだ評価中だが、あらゆる光源からエネルギーを吸収できる。

会場での実際のデモンストレーションでも別のデバイスのディスプレイからの光でさえ充電が可能であることが示された。もちろん、最も効率的な充電は晴れた日の屋外で行われる。

ユーザーが光源を最大限に活用できるよう、Dynamic Solar Trackingシステムソフトウェアも搭載予定だ。このシステムはソーラーパネルが生成している電流と電圧をリアルタイムで表示し、最適な充電位置を見つける手助けとなる。

外付けソーラーパワーキットも同時発表

既存のYogaユーザーにも太陽光充電の選択肢を提供するため、Lenovoは外付けソーラーパワーキットのコンセプトも発表した。これは本のように開くと2枚のソーラーパネルが並んで現れるスタンドアロンのソリューションだ。バックパックに取り付けたり、折りたたみ式のキックスタンドで自立させたりすることができる。

USB-Cケーブルで直接デバイスに電力を供給することも、付属のパワーバンクを充電して後で使用することも可能だ。ただし、この外付けキットについても現時点では製品化の計画は発表されていない。

環境配慮型コンピューティングの先駆け

Lenovoはこれらのコンセプト製品について「機能性と環境意識の間のギャップを埋めるため」に開発されたと説明している。ユーザーに代替エネルギー源への容易なアクセスを提供することが目的だという。

これまでに、太陽光発電技術は長い進化の過程を経てきた。かつては厚みのあるソーラーパネルをラップトップに追加することは非現実的だったが、薄型パネルの開発とLenovoのPC軽量化の取り組みにより、洗練された外観のノートPCの実現が可能になった。

Lenovoは本製品を「世界初の超薄型ソーラーパワーPC」と位置付けており、この分野における先駆者としての立場を確立しようとしている。現時点では製品化の計画は発表されていないが、同社の過去の実績を見ると、コンセプト製品が実際の製品に発展する可能性は十分にある。例えば、拡張可能なOLEDディスプレイを特徴とするThinkBook Plus Gen 6は、2023年のMWCで最初にコンセプトとして発表され、2025年6月に3,499ドルで発売される予定だ。


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