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Microsoft、Windows向け真のネイティブCopilotアプリをテスト配信開始 – 新UI採用で使い勝手を大幅向上

Y Kobayashi

2025年3月5日

Microsoftは、Windows 11向けのAIアシスタント「Copilot」のネイティブアプリケーション版のテストを開始した。これまでWebアプリとして提供されていたCopilotが、ネイティブXAMLを採用した完全なWindowsアプリとして生まれ変わり、操作性と機能が大幅に向上している。現在はWindows Insidersプログラム参加者向けに段階的に展開されており、今後数週間ですべてのWindows 11ユーザーに提供される見込みだ。

新しいネイティブCopilotアプリの特徴と改善点

新しいネイティブCopilotアプリは、以前のWebベースのバージョンから大幅に改善されている。Windows Insiderブログの公式発表によれば、「ネイティブXAMLアプリと新UI:新しい会話を簡単に開始したり会話履歴を確認できるサイドパネルを含む」という主要な変更が実施された。

このネイティブアプリ化により、起動速度が向上し、より滑らかな操作感を実現している。筆者も実際に使用してみたが、アプリの起動も高速化され、動作もスムーズになり、見た目も向上している。さらに、Windows 11のデザイン言語に沿った統一感のあるUIを採用しており、異なるチャット用のサイドバー、micaブラー効果、ネイティブコンテキストメニューとボタンが導入されている。

また、PCに関する質問への対応も強化された。「このデバイスでBluetoothヘッドセットをセットアップする方法は?」といった質問に対して、ユーザーの現在のWindowsバージョンに合わせたカスタマイズされた情報を提供する機能が追加された。

技術面では、デバイスのNeural Processing Unit (NPU)を活用するように設計されており、これにより処理速度と効率の向上が見込まれる。また、ネイティブアプリとしてローカルで実行できる可能性が高まり、クラウドベースの処理への依存が軽減される可能性もある。

利用方法と入手方法

新しいCopilotアプリは、現在バージョン1.25023.101.0以上として、Microsoft Storeを通じてすべてのWindows Insiderチャンネルに段階的に展開されている。Windows Insider Blogによれば、「これは段階的な展開であるため、すべてのInsidersがすぐに更新を受け取るわけではない」とのことだ。

Copilotへのアクセスは、Alt + Spaceホットキーを使用してどのPCからでも素早く行うことができる。また、Copilot+ PCを使用している場合は、専用のCopilotキーを使用することも可能だ。

なお、Insiderプログラムに登録していないユーザーでも、以下の手順で更新をインストールすることができる可能性があるようだ。

  1. store.rg-adguard.netにアクセスし、最初のドロップダウンリストで「Product ID」を選択
  2. 検索バーに「9NHT9RB2F4HD」を貼り付け、2番目のドロップダウンリストで「Fast」を選択
  3. チェックマークボタンをクリックして、利用可能なパッケージを検索
  4. Microsoft.Copilot_1.25023.106.0_neutral_~_8wekyb3d8bbwe.appxbundleを見つけてクリックしてダウンロード
  5. ファイルを開き、プロンプトが表示されたら「更新」をクリック
  6. 更新されたCopilotアプリを実行

Copilotアプリの変遷と開発経緯

今回のネイティブアプリへの移行は、CopilotのWindows統合の歴史における重要な転換点だ。Microsoftは最初にWindows 11に「パーソナルアシスタント」としてCopilotを統合したが、1年後にこの統合を削除し、これをWebアプリに置き換えた。この変更により、特に新しいCopilot+ PCでのCopilotの有用性が低下していた。

数ヶ月前、Microsoftは新しい「ネイティブ」Copilotアプリを発表したが、ユーザーがそれを実際に使用してみると、依然としてWebアプリであることが判明し、期待は急速に薄れていた。

奇妙なことにMicrosoftは先にMacプラットフォーム向けに「美しいネイティブCopilot体験」を導入していた。このため、Windows用の本格的なネイティブアプリの登場が多くのユーザーから待ち望まれていた。今回それが実現することになる。

今後の展望と業界への影響

現在はWindows Insidersに限定されているこの更新だが、今後数週間でまもなくすべてのWindows 11 PCに登場する見込みだ。機能面では、現在のバージョンでもテキストによるチャット、Copilot Voice、サイドバーへのチャット保存、新しいチャットボタン機能などが維持されている。

また、MicrosoftはCopilotが不正なWindowsやOfficeのアクティベーション方法を提供することを防ぐための対策も最近実施している。これはCopilotの適切な利用についてMicrosoftが注意を払っていることを示している。

Microsoftの今回の動きは、AIアシスタントをオペレーティングシステムにより深く統合させる戦略の一環と見られる。ネイティブアプリ化により、パフォーマンスとユーザー体験の向上が期待でき、特にNPUを搭載した新しいCopilot+ PCでの活用の幅が広がることになるだろう。

この変更は、MicrosoftがAI機能をWindowsの中核的な要素として位置づけていることを示している。GoogleやAppleなど競合他社もそれぞれのプラットフォームでAIアシスタントの強化を進めており、OSレベルでのAI統合競争は今後さらに激化すると予想される。


Sources

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