超伝導量子コンピューティングのパイオニア企業Rigetti Computingは、普通株式の売却を通じて1億ドル(約150億円)の資金調達を完了したと発表した。2024年3月から開始した「at-the-market」株式募集プログラムを通じての調達となる。
資金使途と技術開発方針
調達された資金は、運転資金や設備投資に加え、同社の中核技術である超伝導量子コンピューティングの性能向上に投じられる。特に注目すべきは、2量子ビットゲートの忠実度向上と量子ビット数の拡大に向けた取り組みだ。CEOのDr. Subodh Kulkarniによれば、同社の量子システムのゲート速度は60-80ナノ秒という高速性を実現しており、これはイオントラップや中性原子などの他の方式と比較して「数桁」優れているという。
事業展開と市場動向
現在、Rigettiの量子コンピュータには国立研究所やアカデミア機関からのオンプレミス導入に関する強い関心が寄せられている。技術の進化と量子アプリケーションの開発が進むにつれ、産業界や民間セクターからの需要も高まると予測されている。具体的な開発ロードマップとして、2025年半ばまでに99.5%の2量子ビットゲート忠実度を目指す36量子ビットシステムの提供を計画。さらに2025年末までには100量子ビット以上のシステムのリリースを予定している。
先月、同社の株価が一時1ドルを下回ったが、現在はニューヨーク証券取引所からの上場廃止を辛うじて免れている。
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