Sonyの次世代ノイズキャンセリングヘッドホン「WH-1000XM6」の正式発表が、来週5月15日(米国時間)に迫っていることが、Sonyの公式情報から明らかとなった。同時に外観に関する大量のリークもあり、発売が近付き世界中のオーディオファンから熱い視線が注がれている。
ついに公式発表!待望のWH-1000XM6、5月15日デビューへ
Sony AustraliaがInstagramに投稿したティザービデオが発端となり、WH-1000XM6の発表日が明らかになった。 映像にはヘッドホンのシルエットと共に「May 16, 2 AM AEST」とのタイムスタンプが表示されており、これは米国東部時間で5月15日午後12時にあたる。 その後、Sonyは公式YouTubeチャンネルで発表イベントのライブストリーム用リンクも公開した。 静寂を破り、いよいよそのベールを脱ぐ瞬間が近づいているのだ。
この発表は、Sonyの最新フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」の発表(5月13日を予定)のわずか2日後というタイミングであり、Sonyが5月に新製品攻勢をかけていることが伺える。
リーク情報から紐解く、WH-1000XM6の劇的進化:デザイン、音質、機能性
正式発表を前に、海外の有力リーク情報サイト「The Walkman Blog」や早期に公開されたAmazonのリスティング情報から、WH-1000XM6の進化の全貌が徐々に見え始めている。 特にデザイン面では、ユーザー待望の変更点が多数盛り込まれているようだ。
復活の折りたたみ機構と刷新されたデザイン



最も注目すべきは、前モデルWH-1000XM5で見送られた折りたたみ機構の復活だろう。 The Walkman Blogが独占入手したとされるリーク画像からは、より厚みを増し堅牢になったとみられるヒンジ部分で、イヤーカップを内側に折りたためる構造が確認できる。 これは旅行や持ち運び時の利便性を大きく向上させるものであり、多くのユーザーにとって朗報と言えるだろう。

デザイン全体も洗練されており、イヤーカップの継ぎ目がなくなり一体感のある形状に変更されている。 マイク穴にはWF-1000XM5で見られるようなメッシュ加工が施されている。 ヘッドバンドもより幅広な新設計となり、快適な装着感と耐久性の向上が期待される。 The Walkman Blogは、プラチナシルバーモデルではヒンジ部分がマットメタリック仕上げになる一方、ブラックとミッドナイトブルーは単色デザインになると報じている。

待望の耐水性能も?細部に見られる進化の兆し
マイク穴のメッシュ加工や、Amazonスペインのリスティングに「防水」との記載があったことから、WH-1000XM6がついに耐水性能を獲得するのではないかという期待が高まっている。 IPX等級などの具体的な防水レベルは不明だが、これが実現すれば、小雨の中での使用や、運動時の汗に対する安心感が増すことになる。長年多くのユーザーが待ち望んでいた機能だけに、その搭載に注目が集まる。

さらに、The Walkman Blogは、左イヤーカップ底部、電源ボタン付近に「+」と「-」の小さな記号が存在することを指摘している。 WH-1000XM5では右イヤーカップのタッチパッドで音量調整を行っていたため、これが新たな操作系統を示すものなのか、あるいはタッチパネルが左側に移動した可能性も示唆されており、謎を呼んでいる。
ケースも刷新され、従来のジッパー式からマグネット式の開閉機構に変更されるようだ。 これにより、より素早いアクセスが可能になる一方、ジッパー故障の報告があったWH-1000XM5の反省点を踏まえた改良かもしれない。 ケース自体も、WH-1000XM5より小型化されているように見受けられる。



注目すべきスペック詳細:新プロセッサ、マイク性能、バッテリーライフ
デザインだけでなく、内部スペックも大幅な向上が見込まれる。
機能 | 詳細 |
---|---|
ノイズキャンセリング | 新開発「QN3 HDノイズキャンセリングプロセッサー」搭載、12個のマイク、マルチノイズセンサーテクノロジー、オートNCオプティマイザー |
オーディオ | 30mmドライバー、ハイレゾオーディオ対応、DSEE Extreme、10バンドEQ、LDAC、LC3コーデック対応 |
バッテリー | 最大30時間再生、3分間の急速充電で最大3時間再生可能、充電中の使用も可能 |
通話性能 | AIを活用した6つのボイスマイクによりクリアな通話 |
接続性 | Bluetooth 5.3、マルチポイント接続対応 |
ポート | USB Type-C、3.5mmステレオミニジャック |
その他特徴 | アダプティブサウンドコントロール、クイックアテンション、バックグラウンドミュージック、パーソナライズド空間オーディオ、風ノイズ低減、360 Reality Audio(ヘッドトラッキング対応)、Speak to Chat、360 Upmix for Cinema Sound、Game EQ |
デザイン | 折りたたみ式、調整可能、密閉型 |
重量 | 約250g(WH-1000XM5と同等) |
カラー | ブラック、プラチナシルバー、ミッドナイトブルー |
同梱品 | キャリングケース、USB Type-C充電ケーブル、3.5mmオーディオケーブル(約1.2m) |
プロセッサー | Sony V2 Processor (Mediatek MT2833) も搭載か |
特筆すべきは、新開発の「QN3 HDノイズキャンセリングプロセッサー」の搭載だ。 Android Authorityによれば、このQN3プロセッサーはWH-1000XM5に搭載されていたQN1チップと比較して7倍高速であると報じられており、ノイズキャンセリング性能のさらなる向上と、より高度なオーディオ処理が期待される。 The Walkman Blogは、これに加えて「Sony V2 Processor (Mediatek MT2833)」も搭載される可能性を指摘している。
マイクの数もWH-1000XM5の9個から12個に増加する。 これにより、ノイズキャンセリング性能の向上はもちろん、AIを活用した6つのボイスマイクによるクリアな通話品質も実現するとしている。
バッテリー持続時間は最大30時間と前モデル同等を維持しつつ、3分間の急速充電で最大3時間の再生が可能という使い勝手の良さも健在だ。 さらに、充電しながらの使用にも対応するとのことである。
オーディオ面では、30mmドライバー、ハイレゾオーディオ対応、圧縮音源をアップスケーリングするDSEE Extreme、LDACコーデック対応といったお馴染みの高音質技術に加え、新たにLC3コーデックにも対応する模様だ。 また、「360 Upmix for Cinema Sound」や「Game EQ」といった新機能も搭載される可能性が示唆されており、エンターテイメント体験の向上が期待される。
価格とカラーバリエーション、そして発売時期は?
気になる価格について、The Walkman Blogの情報によると、欧州では449ユーロから470ユーロ、英国では399ポンド、そして米国では449ドルになる可能性が示唆されている。 日本円での価格は現時点では不明だが、これらの情報を参考にすると、前モデルの発売時価格(日本では税込49,500円程度)と同等か、若干上昇する可能性も考えられる。
カラーバリエーションは、ブラック、プラチナシルバー、ミッドナイトブルーの3色が用意される見込みだ。



The Walkman Blogは、製品の小売店での販売開始は6月中旬になるのではないかという情報源からの話を伝えている。 5月15日の発表後、比較的早い段階で市場に登場することになりそうだ。
Sonyの本気度が凝縮された、死角なきフラッグシップモデルとなるか
3年ぶりのメジャーアップデートとなるSony WH-1000XM6。これまでの情報を総合すると、デザイン、機能性、音質、そして使い勝手の全てにおいて、ユーザーの期待を大きく上回る進化を遂げている可能性が高いと言えるだろう。
特に、折りたたみ機構の復活や耐水性能の搭載(あくまで可能性だが)といった、ユーザーからの長年の要望に応える姿勢は、Sonyの本気度を感じさせる。新プロセッサーQN3によるノイズキャンセリング性能の飛躍的な向上も、ライバルひしめく高性能ヘッドホン市場において、再び「絶対王者」の地位を確固たるものにするための重要な一手となりそうだ。
5月15日の正式発表では、これらのリーク情報がどこまで真実なのか、そして我々の予想を超えるサプライズが用意されているのか、その全貌が明らかになる。
Sources
- The Walkman Blog: Sony WH-1000XM6 Exclusive Leak
ノイズキャンセリングヘッドホンを四六時中使用していると、音を聞き分ける力が失われて聴覚が退化するので、飛行機の後部座席とか飛行場とかデータセンターのラックの裏(最近は表にファンがあるものも増えてきたが)とか以外での使用には注意しましょう。