Appleの時価総額が、2026年10月14日の米国株式市場の終値で5兆ドルを突破した。MarketBeatの株価データによると、Apple株の終値は342.96ドルで、前日比0.50%上昇し、時価総額は約5.01兆ドルに達した。一方、9月に発売されたiPhone 18 Proシリーズの初期需要には地域差があり、世界的に販売が好調とは言い切れない状況だ。今回の時価総額5兆ドル突破を事業の成長という観点から理解するには、iPhoneの販売台数だけでなく、高価格モデルの販売比率や、利益率の高いサービス事業の貢献を分けて考える必要がある。

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Appleの時価総額が5兆ドルを突破、株価は前日比0.50%高

MarketBeatの株価履歴によると、Apple株の10月13日の終値は341.27ドルで、時価総額は約4.98兆ドルだった。翌14日には株価が1.69ドル上昇して342.96ドルとなり、時価総額が5兆ドルを超えた。前日の終値を基準に計算すると、上昇率は約0.50%となる。

時価総額5兆ドルは、株式市場におけるAppleの評価を示す大きな節目だ。ただし、時価総額は株価に発行済株式数を掛けて算出するものであり、Appleが実際に得た売上高や保有する現金を表すものではない。また、株価が0.50%上昇したからといって、iPhoneの販売台数が同じ割合で増えたわけでもない。株価の変動にはさまざまな要因が関わるため、iPhoneの需要が今回の上昇にどの程度寄与したかは別途検証する必要がある。

Appleの事業がこの市場評価をどこまで支えられるかを考えるうえでは、新型iPhoneの販売状況と同社の収益構造が重要になる。特に、iPhoneの販売台数が伸び悩んでも高価格モデルの販売比率が高まれば、売上高への影響は抑えられる可能性がある。さらに、サービス事業が全社の利益にどれだけ貢献しているかも、Appleの収益力を評価するうえで欠かせない。

iPhone 18 Proの需要には地域差、中国とインドで好調

調査会社Counterpoint Researchが10月1日に公開した7市場の店頭調査によると、iPhone 18 Proシリーズの初期需要には地域によって明確な違いが見られる。調査対象は中国、インド、米国、英国、韓国、日本、アラブ首長国連邦(UAE)の7市場で、中国とインドでは販売が伸びた一方、その他の多くの市場では勢いが弱まったという。同社は、iPhone 18 Proシリーズの出荷台数が前年のiPhone 17 Proシリーズを下回ると予測する一方、高価格モデルの販売比率が高まることで、売上高への影響はある程度抑えられるとみている。ただし、これは発売初期の店頭調査に基づく予測であり、確定した販売実績ではない。公開された概要には市場別の具体的な販売台数や増減率が示されていないため、世界全体の販売動向を正確に算出することはできない。

中国では、iPhone 18 Proシリーズの好調さを裏付ける具体的な数字も報告されている。Counterpoint Researchの9月30日付の調査によると、9月14〜20日の週にAppleは中国のスマートフォン販売で33%のシェアを獲得し、首位に立った。iPhone 18 Proシリーズの発売日は9月18日であるため、この週に新機種が販売されたのは3日間だけだった。なお、33%という数字はApple全体の中国における週次販売シェアであり、iPhone 18 Proシリーズ単独のシェアや世界市場でのシェアを示すものではない。

Counterpoint ResearchのシニアアナリストであるIvan Lam氏は、標準モデルのiPhone 18の発売が遅れたことで、一部の消費者がProシリーズを選んだ可能性を指摘している。また、中国メーカーの高価格帯スマートフォンが値上がりしたことで、iPhoneの相対的な価格競争力が高まった可能性もあるという。中国のスマートフォン市場全体では需要の弱さが続いているものの、製品の発売時期や競合製品との価格差によって、特定のモデルに購入が集中する状況が生まれていると考えられる。

Appleの公式発表によると、iPhone 18 Proの米国での価格は1,199ドルから、iPhone 18 Pro Maxは1,299ドルからとなっている。両モデルにはA20 Proチップや可変絞りに対応した48MPカメラが採用され、Appleはバッテリー駆動時間や持続的な処理性能の改善もアピールしている。こうした進化は買い替えを促す要因になり得るが、実際の購入者がどの機能を評価したかを示す調査結果ではない。高価格モデルの販売比率が高まれば、販売台数の伸びが鈍くても売上高を維持できる可能性があるため、今後は販売台数と製品構成の両方を確認する必要がある。

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Appleのサービス事業は売上高の28%で粗利益の42%を占める

Appleの企業価値を考えるうえで、iPhoneの販売動向と並んで重要なのがサービス事業の収益力だ。同社が公表した2026年度第3四半期の未監査連結財務諸表によると、サービス事業は全社売上高の約28.1%を占める一方、売上総利益では約42.4%を占めている。対象期間は2026年6月27日までの3カ月間であり、9月に発売されたiPhone 18 Proシリーズの売上は含まれていない。

財務諸表の3カ月間の数値を使い、サービス事業の売上高から売上原価を差し引いて売上総利益を求めると、次のようになる。金額の単位はすべて100万ドルだ。

指標 サービス事業 Apple全体 サービス事業の構成比
売上高 30,739 109,417 約28.1%
売上総利益 23,245 54,770 約42.4%

サービス事業の売上総利益は、売上高30,739百万ドルから売上原価7,494百万ドルを差し引いた23,245百万ドルとなる。これをApple全体の売上総利益54,770百万ドルで割ると、構成比は約42.4%だ。一方、売上高の構成比は30,739百万ドルを全社売上高109,417百万ドルで割った約28.1%となる。つまり、サービス事業は売上規模に比べて全社の粗利益に大きく貢献しており、Appleの収益構造を支える重要な柱となっている。

ただし、売上総利益は研究開発費や販売管理費などを差し引く前の利益であり、営業利益とは異なる。そのため、サービス事業が粗利益の約42.4%を占めているからといって、営業利益や時価総額への寄与率も同じだと解釈することはできない。また、Appleは2026年度第3四半期の決算発表で、関税の還付が全社の売上総利益率を約2ポイント押し上げたと説明している。今回の数値はあくまで当該四半期の実績であり、今後も同じ利益構成が続くと保証するものではない。

それでも、サービス事業が売上高以上に粗利益を生み出していることは、Appleの収益力を評価するうえで重要な事実だ。iPhoneなどのハードウェア販売と、それらの利用に関連するサービス事業では、売上原価や利益率の構造が異なる。したがって、iPhoneの販売台数だけでApple全体の収益力を判断するのではなく、サービス事業の成長と利益への貢献を合わせて確認する必要がある。

11月2日の決算発表で注目すべきポイント

Appleは投資家向けサイトで、2026年度第4四半期の決算と事業動向を説明する電話会議を11月2日に開催すると発表している。今回の決算は、6月までの利益構造に関する実績と、9月に発売されたiPhone 18 Proシリーズの初期需要を、Apple自身が示す新たな業績と照らし合わせる機会になる。特に注目されるのは、iPhoneの売上高がどの程度伸びたのか、その背景に販売台数の増加と高価格モデルへの需要集中のどちらがあるのかという点だ。

iPhoneの売上高が増加したとしても、それが販売台数の拡大によるものなのか、高価格モデルの販売比率が高まった結果なのかによって、事業の状況は異なる。また、中国やインドでの好調さと、その他の市場での需要の弱さが、実際の売上にどのように反映されるかも確認する必要がある。Appleが製品構成や地域別の販売動向についてどのように説明するかに加え、サービス事業の売上高と利益率が引き続き成長しているかも重要な判断材料となる。

時価総額5兆ドルという数字は、Appleに対する株式市場の高い評価を表している。しかし、その評価を今後も支えられるかどうかは、iPhoneの販売台数だけでなく、高価格モデルへの需要とサービス事業の収益力にかかっている。11月2日の決算発表では、これらの要素がどのように組み合わさり、Apple全体の売上と利益につながっているのかが焦点となる。