テクノロジーと科学の最新の話題を毎日配信中!!

Apple、2026年に液体金属ヒンジ搭載の折りたたみiPhoneを発売か – 約30万円で限定生産の見込み

Y Kobayashi

2025年3月24日

著名アナリストのMing-Chi Kuo氏や、BloombergのMark Gurman氏など複数の信頼できる情報筋によると、Appleが2026年に初の折りたたみiPhoneを発売する計画が進行中のようだ。このデバイスはSamsung Galaxy Z Foldに似たブックスタイルのデザインで、画面のしわを軽減する液体金属ヒンジを採用し、価格は約2000〜2500ドル(約30〜37万円)の価格帯になる見込みだという。

スポンサーリンク

折りたたみiPhoneの詳細が明らかに

BloombergのMark Gurman氏による最新の報告では、Appleが長らく噂されてきた折りたたみ式iPhoneを2026年に発売する計画を確認したとのことで、これまで多くのメディアが報じてきた情報を裏付けるものだ。この折りたたみデバイスは、縦に折りたたむクラムシェル型ではなく、Samsung Galaxy Z Foldシリーズに似た本のように横に開くブックスタイルのデザインを採用するとされている。

報告によれば、この新しい折りたたみ式iPhoneは超薄型の「iPhone 17 Air」と多くの技術を共有するという。iPhone 17 Airは厚さわずか5.5mmとされており、これまでで最も薄いiPhoneになる見込みだ。これまでの情報では、このiPhone 17 Airはスピーカーやカメラにいくつかの妥協点があるものの、カメラコントロールボタンや背面に配置される48MPカメラ、その他の点では完全なiPhone体験を提供し、バッテリー持続時間も十分確保されるとされている。この超薄型デザインの技術開発は、折りたたみデバイスの開発においても重要な要素となり、将来の折りたたみiPhoneにも応用されることで、コンパクトな折りたたみデバイスの実現が期待される。

注目すべき特徴の一つが、Dongguan EonTecによって製造される液体金属ヒンジだ。Appleはこのヒンジを採用することで、折りたたみスマートフォンの主な課題の一つである画面のしわの問題に対処しようとしている。通常、Appleは液体金属をSIMイジェクトツールなどの小さな部品に使用しているが、今回はより良い画面の平坦さを実現するために同じ技術を活用する計画だ。

サプライチェーンアナリストのMing-Chi Kuo氏によると、この折りたたみiPhoneは5.5インチの外部ディスプレイと7.8インチの内部画面を特徴とし、iPad miniに近いサイズになるという。また、Wccftechの報告では外部ディスプレイは5.49インチ、メインパネルは7.74インチと、若干異なる数値も報告されている。ただし、いずれの情報源も基本的には小型の外部ディスプレイと、iPad miniサイズに近い大型の内部ディスプレイという構成を指し示している。

また、デバイスにはAppleの自社開発したC1モデムが搭載される可能性も報告されている。このモデムは優れた電力効率を特徴とし、どの6.1インチiPhoneよりも優れたバッテリー持続時間を実現するとされている。さらに、テスト段階にあるとされるC2モデムはさらに性能が向上する可能性があり、これが折りたたみiPhoneに採用される可能性もある。

Ming-Chi Kuo氏によると、Appleは高価格帯のデバイスでも適切な利益率を確保するために、部品コストを削減するための自社製パーツを積極的に使用する戦略をとる可能性があるという。これは特に折りたたみディスプレイやヒンジなどの高コスト部品を使用するデバイスでは重要な戦略となる。

発売時期と価格戦略

価格に関しては、Gurman氏は約2,000ドル(約30万円)になると予測している。一方、Apple製品の予測で高い精度を誇るMing-Chi Kuo氏はさらに高い可能性を示唆しており、2,000ドルから2,500ドル(約30万円から37万円)の範囲になる可能性を報告している。この価格帯は、現在のSamsungの最上位折りたたみモデルGalaxy Z Fold6(約20万円)よりもさらに高価になる可能性を示しており、Appleの高級路線戦略を反映したものと考えられる。

発売時期については、各情報源が2026年を指しているものの、具体的な時期については見解に若干の違いがある。投資アナリストのJeff Pu氏は2026年後半の発売を予測している。BloombergのMark Gurman氏も「来年」(2026年)の発売を報じているが、より具体的な時期については明言していない。一方、Ming-Chi Kuo氏は、2026年第4四半期に生産が開始され、実際の発売は2026年後半または2027年初めになる可能性を示唆している。

注目すべきは、複数の情報源が初期の段階では生産量が限られる可能性を指摘していることだ。Gurman氏は「生産量の拡大には時間がかかるため、初期の入手可能性は限られる可能性がある」と報告している。これは新しい折りたたみ技術の複雑さによるものと考えられ、発売初期には入手困難な状況が予想される。Wccftechも同様に限定数量での販売を報じており、「時間の経過とともに入手可能性は改善されるが、初期の供給不足が高価格の一因となる可能性もある」と分析している。

市場投入に関しては、複数の情報源がこの折りたたみデバイスはiPhone 18ラインナップの一部になると予測している。名称については、Gurman氏はポッドキャストで「iPhone Ultra」という名前の可能性を示唆しているという。ただし、これはあくまで推測の段階であり、正式な名称については今後の情報を待つ必要がある。

スポンサーリンク

折りたたみスマートフォン市場とAppleの参入意義

Appleが折りたたみスマートフォン市場に参入することは、業界全体に大きな影響を与える可能性がある。現在、折りたたみスマートフォン市場はSamsungが主導しており、Galaxy Z FoldとGalaxy Z Flipの2つのデザインで市場を牽引している。また、中国市場ではHuawei、OPPO、Xiaomi、vivoなどのメーカーも独自の折りたたみモデルを展開している。

しかし、Appleの参入は市場の勢力図を大きく変える可能性がある。Appleは新しい製品カテゴリーに後発で参入することが多いが、参入後は優れたユーザー体験と強力なブランド力で市場を拡大させてきた実績がある。スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどがその例だ。

特に液体金属ヒンジの採用は、Ming-Chi Kuo氏が指摘するように、Android製造業者も追随する可能性のある新基準を設定するかもしれない。現在の折りたたみスマートフォンの主な課題の一つは画面のしわの問題であり、Appleがこの問題に革新的な解決策を提供することで、市場全体の技術水準を引き上げる可能性がある。

また、Appleの参入は、これまで折りたたみデバイスに懐疑的だった消費者の認識を変え、市場全体の拡大につながる可能性もある。特に、iPhoneユーザーの中には、他のブランドの折りたたみデバイスに乗り換えることに抵抗がある層も多く、Appleの参入によってこれらのユーザーが折りたたみスマートフォンを検討するきっかけになる可能性がある。

普及は第2世代以降か

とは言え、2,000ドル(約30万円)以上という高価格設定は、一般消費者への普及には障壁となるだろう。初期の段階では、テクノロジー愛好家やビジネスユーザーなど、特定のセグメントをターゲットにした展開が予想される。また、Appleの場合、初代デバイスは実験的な要素が強く、より完成度の高い第2世代以降に主流の製品となることが多い。そのため、2026年または2027年に発売される初代折りたたみiPhoneは、あくまでもAppleによる折りたたみデバイス市場への第一歩と位置づけられる可能性が高い。

Appleの折りたたみデバイス戦略はiPhoneだけにとどまらない可能性もある。 これまでに、Appleが折りたたみiPadやMacBook Proといった他のデバイスの折りたたみバージョンも検討していると報告されている。だが、これらは早くても2027年または2028年までは発売されない可能性が高いとされている。

最終的に、Appleが折りたたみデバイスをどのように位置づけ、どのような革新をもたらすかは、同社の製品戦略全体の中で重要な役割を果たすことになる。特に、iPhoneがAppleの収益の大部分を占める現状において、折りたたみiPhoneは将来の成長の重要な柱となる可能性を秘めている。

ただし、高価格帯と初期の生産制限は、Appleが短期間で大きな市場シェアを獲得することを難しくする要因となるだろう。そのため、折りたたみiPhoneの真の成功は、初代モデルの発売から数年後、技術の成熟と価格の低下によって、より広範な消費者に受け入れられるようになってからと予想される。


Sources

Follow Me !

\ この記事が気に入ったら是非フォローを! /

フォローする
スポンサーリンク

コメントする