Term

集束イオンビーム

別名: FIB

Overview

最終更新: 2026年7月9日

集束イオンビーム(FIB)は、イオン源から発生させたイオンを電磁レンズで収束させ、試料表面に照射する技術である。この細く絞られたイオンビームを走査することで、材料のナノスケールでの精密な加工や表面観察が可能となる。半導体業界では、ICチップの回路修正、不良解析のための断面加工、TEM(透過型電子顕微鏡)観察用の薄膜試料作製などに不可欠なツールとして広く活用されている。また、材料科学分野では、新素材の開発における微細構造解析や、MEMS(微小電気機械システム)デバイスの試作・評価にも用いられる。

FIB装置の基本的な動作原理は電子顕微鏡と類似するが、電子の代わりにイオンを用いる点が異なる。一般的にガリウム(Ga)イオンが液体金属イオン源(LMIS)から生成され、高電圧で加速された後、静電レンズによって数ナノメートルから数十ナノメートルのスポットサイズに集束される。この集束されたイオンビームが試料表面に衝突すると、スパッタリングと呼ばれる現象により原子が叩き出され、材料が除去される。同時に発生する二次電子や二次イオンを検出することで、試料表面の形態観察や元素分析も可能となる。

近年では、FIBとSEM(走査型電子顕微鏡)を組み合わせたFIB-SEM複合装置が主流であり、イオンビームによる加工と電子ビームによる高分解能観察を同時に行い、効率的な解析作業を実現する。また、プラズマFIB(PFIB)のような大電流イオン源を用いた装置も登場し、より高速かつ広範囲の加工が可能になった。これは、特に大規模な試料の加工や、3D構造の連続断面観察(シリアルセクショニング)による三次元再構築においてその真価を発揮する。半導体製造プロセスの微細化が進むにつれて、FIB技術は今後もその重要性を増していくと考えられる。

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