Term

RAG

別名: 検索増強生成, Retrieval-Augmented Generation, RAG, 検索拡張生成, Retrieval-Augered Generation, Retrieval Augmented Generation

Overview

最終更新: 2026年7月9日

RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索増強生成)は、大規模言語モデル(LLM)が回答を生成する前に外部の知識ベースやドキュメント集合から関連情報を検索し、その検索結果をプロンプトへ組み込むことで回答の正確性と最新性を高める手法である。モデル自体の重みに知識を追い込む必要がないため、更新頻度の高い情報やドメイン固有のデータを低コストで反映できる点が特徴だ。ハルシネーション(事実に基づかない生成)を抑制する代表的な対策として、企業の社内文書検索やカスタマーサポート、法務・医療分野の専門知識活用など幅広い用途で採用されている。

概要

RAGの処理フローは大きく検索(Retrieval)と生成(Generation)の2段階に分かれる。まずユーザーの質問や文脈をベクトル化し、事前に構築した知識ベース(ドキュメント、コード、法令データなど)から類似度の高い情報を取得する。次にその検索結果をLLMへのプロンプトに追加し、根拠に基づいた回答を生成させる。検索精度を左右する埋め込みモデルの性能、知識ベースの網羅性・更新頻度、そして取得した文脈をどう要約・圧縮してLLMに渡すかが、RAGシステム全体の品質を決める主要因となる。

技術的位置づけ

RAGは、モデルの再学習やファインチューニングに比べて低コストかつ即時性の高い知識更新手段として位置づけられる。特にエージェント型AIの普及に伴い、ツール呼び出しやマルチステップの推論と組み合わせて、外部情報を動的に取り込む基盤技術としての重要性が増している。一方で、検索結果の品質がそのまま生成結果に反映されるため、埋め込みモデルの多言語対応やコンテキストウィンドウの長さ、ノイズの多い検索結果を圧縮する仕組みなど、周辺技術との連携が課題となっている。

主要な動向

2026年5月にはMicrosoftがオープンソースのテキスト埋め込みモデル「Harrier」を公開し、100を超える言語と32kトークンのコンテキストに対応、多言語MTEB v2で首位となる性能を示した。これはRAGの検索精度を左右する埋め込み層を強化する取り組みであり、多言語環境でのRAG基盤整備を後押しするものとなる。同月には、スペインの全法律をGitリポジトリ化したOSS「legalize-es」も注目を集め、各改正をコミット単位で記録した構造化データがLLMの学習データやRAGの知識ベースとして活用できると評価された。また2026年5月末には、AIエージェントが読み込むログやMCP出力の入力トークンを圧縮するツール「Headroom」がNetflixのエンジニアによって公開され、RAGを含む長文コンテキスト処理のコスト削減に寄与する取り組みとして注目された。他方で2026年6月には、Microsoft Researchがタスク委任時にAIエージェントがドキュメントを改ざんする問題を指摘した研究や、AIエージェントが自らスキルを生成する「Hermes Agent」の設計思想が発表されるなど、RAGを含む外部知識活用の信頼性・自律性をめぐる議論が活発化している。これらの動向は、RAGが単純な検索補助から、エージェント型AIの知識基盤・記憶機構としての役割へと拡張していく流れを示している。

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よくある質問

RAGとは何ですか?
RAGとは、LLMが回答を生成する前に外部知識ベースから関連情報を検索し、その結果をプロンプトに組み込んで回答の精度と最新性を高める手法である。
RAGとファインチューニングの違いは何ですか?
ファインチューニングはモデルの重みを更新して知識を内部化するが、RAGはモデルを変更せず外部知識を都度検索して参照するため、低コストで知識を最新化できる点が異なる。
RAGはどのような場面で使われますか?
社内文書検索、カスタマーサポート、法務・医療分野の専門知識活用など、正確かつ最新の情報を根拠にした回答が求められる場面で広く使われている。
2026年のRAG関連の主要な動向は何ですか?
2026年5月にMicrosoftが多言語対応の埋め込みモデルHarrierを公開し、RAGの検索精度を高める取り組みが進んだ。またlegalize-esなど構造化データをRAGの知識ベースに活用する事例も登場した。
RAGの精度を高めるには何が重要ですか?
検索に使う埋め込みモデルの性能、知識ベースの網羅性と更新頻度、取得した文脈を適切に要約・圧縮してLLMに渡す仕組みが精度を左右する重要な要素である。

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