自然のオゼンピック：何をどのように食べるかが薬なしでGLP-1レベルを上昇させる

オゼンピックやウゴービなどのセマグルチド薬が減量に人気があるにもかかわらず、調査によると、ほとんどの人はまだ薬を使わずに体重を減らすことを好んでいる。薬を使わない減量アプローチを好む人々にとって、研究によれば特定の栄養素と食事戦略が自然にセマグルチドの効果を模倣できることが示されている。

食物繊維とモノ不飽和脂肪（オリーブオイルやアボカドに含まれる）の摂取量の増加、そして食事をする時間帯、食べ物を食べる順序、食べる速度、さらには咀嚼でさえも、セマグルチド薬の効果に責任を持つ同じホルモンの生産を自然に刺激することができる。

栄養学の博士号を持つ家庭医として、私は最新の栄養科学を患者への食事推奨に翻訳している。最新の科学に根ざした戦略的な減量アプローチは、時代遅れのカロリー計算よりも優れているだけでなく、人気のある減量薬の成功に責任を持つ同じ生物学的メカニズムを活用している。

セマグルチド薬は、GLP-1（グルカゴン様ペプチド1）と呼ばれるホルモンのレベルを上昇させることで機能する。これは満腹感を伝えるシグナルであり、消化を遅らせ、満腹感を感じさせる。これらの薬はまた、GLP-1を不活性化するDPP-4という酵素のレベルを同時に減少させる。

その結果、通常は数分しか生存しないこの「食べるのをやめる」ホルモンが1週間丸ごと生存できるようになる。これにより、半永久的な、ちょうど食べ終わったような満腹感が得られ、結果として食物摂取量が減少し、最終的に体重減少につながる。

しかし、GLP-1レベルを上げる方法は薬だけではない。

何を食べるか

食物繊維-主に豆類、野菜、全粒穀物、ナッツ、種子に含まれる-はGLP-1を大幅に増加させることができる最も注目すべき栄養素である。食物繊維が腸内に住む何兆もの細菌によって発酵されると、その副産物である短鎖脂肪酸がGLP-1の生産を刺激する。

これは、食物繊維の摂取が体重減少の最も強力な予測因子の一つである理由を説明し、カロリー制限がなくても体重減少を可能にすることが示されている。

モノ不飽和脂肪-オリーブオイルやアボカドオイルに含まれる-もGLP-1を上昇させる別の栄養素である。ある研究では、パンとオリーブオイルを消費した後のGLP-1レベルがパンとバターを消費した場合よりも高かったことが示された。ただし注目すべきは、どのような種類の脂肪（バターやチーズからでも）と一緒に消費されたパンはパン単独よりもGLP-1を上昇させる。

別の研究では、朝食のベーグルと一緒にアボカドを食べることも、ベーグルだけを食べるよりもGLP-1をより多く増加させることが示された。ピスタチオのような食物繊維とモノ不飽和脂肪の両方が豊富なナッツもGLP-1レベルを上昇させることが示されている。

どのように食べるか

しかし、GLP-1レベルに影響を与える特定の食品や栄養素は物語の半分に過ぎない。GLP-1は、何を食べるかだけでなく、どのように食べるかも重要であることの良い例である。

研究によると、食事の順序-食べ物を食べる順番-がGLP-1に影響を与えることが示されている。魚や肉などのタンパク質を、米などの炭水化物の前に食べると、炭水化物をタンパク質の前に食べる場合と比較してより高いGLP-1レベルになる。野菜を炭水化物の前に食べることも同様の効果がある。

時間帯も重要である。なぜなら、すべてのホルモンと同様に、GLP-1は概日リズムに従うからである。午前8時に食べた食事は、同じ食事を午後5時に食べた場合と比較してより顕著なGLP-1の放出を刺激する。これは、「朝は王様のように、昼は王子のように、夕食は貧者のように食べる」という古い言い伝えが、朝食が一日の中で最大の食事で夕食が最小の場合により大きな体重減少を示す証拠によって裏付けられている理由の一部かもしれない。

食べる速度も重要である。アイスクリームを30分かけて食べることは、5分で食べる場合と比較して著しく高いGLP-1レベルを生成することが示されている。しかし、血糖反応を調査した研究では、野菜を最初に食べれば、食べる速度はあまり重要ではなくなることが示唆されている。

咀嚼さえも重要である。ある研究では、千切りキャベツを食べることで、ピューレ状のキャベツを飲むよりもGLP-1が上昇したことが示された。

薬ほど強力ではない

特定の食品や食事戦略は自然にGLP-1を増加させることができるが、その大きさは薬で達成可能なものよりはるかに小さい。地中海式食事のGLP-1上昇効果に関するある研究では、血清1ミリリットルあたり約59ピコグラムのピークGLP-1レベルが示された。オゼンピックの製品モノグラフによると、最低用量でGLP-1レベルが1ミリリットルあたり65ナノグラムになることが報告されている（1ナノグラム = 1,000ピコグラム）。つまり、薬は食事よりも1,000倍以上GLP-1を上昇させる。

それにもかかわらず、心臓発作などの疾患の長期的リスクを比較すると、地中海式食事は心臓イベントのリスクを30％低下させ、リスクを20％低下させるGLP-1薬よりも優れている。体重減少は常に薬の方が速いが、全体的な健康のためには、食事アプローチは薬よりも優れている。

処方箋なしで体重を減らそうとしている人々にとって、以下の戦略が重要である：

朝食を食べる
朝食を一日の中で最大の食事にするよう努める（または少なくとも可能な限り一日の前半に食事を集中させる）
毎食少なくとも一つの食物繊維が豊富な食品を食べることを目指す
オリーブオイルを食事の定番にする
食べ物を食べる順序に注意し、タンパク質と野菜を炭水化物の前に消費する
ナッツを間食にする
食べ物をよく噛む
ゆっくり食べる

GLP-1を上昇させる自然なアプローチは薬ほど強力ではないかもしれないが、薬を使わない減量と健康的な食事へのアプローチを提供する。

本記事は、トロント大学家庭医学・地域医学非常勤講師 Mary J. Scourboutakos氏によって執筆され、The Conversationに掲載された記事「Nature’s Ozempic: What and how you eat can increase levels of GLP-1 without drugs」について、Creative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、翻訳・転載しています。