Googleの次期フラッグシップモデル、Pixel 10およびPixel 10 Proのカラーバリエーションに関する詳細な情報がリークされた。特に目を引くのは、Pixel 10に用意されるとされる鮮やかなイエロー系「Limoncello」だが、長らくPixelのラインナップから姿を消していたブルー系の復活も噂されており、デザイン面での大きな変更が少ないとされる中、カラーが重要な差別化ポイントとなりそうだ。
リーク情報源とPixel 10シリーズのカラー概要:4つの選択肢
今回明らかになったPixel 10シリーズのカラーバリエーション情報は、Telegramのリーカー「Mystic Leaks」氏によってもたらされた。
リークによれば、標準モデルの「Pixel 10」と上位モデルの「Pixel 10 Pro」および「Pixel 10 Pro XL」は、それぞれ4つのカラーオプションで展開される見込みである。ProモデルとPro XLモデルは共通のカラーラインナップとなるとされている。
Pixel 10:遊び心あふれる鮮やかなカラーパレット
標準モデルのPixel 10では、これまでのPixelシリーズの伝統を踏襲しつつも、新鮮さを感じさせるカラーリングが期待される。
「Limoncello (リモンチェッロ)」:太陽を思わせる鮮烈なイエロー系
最も注目すべきは、イタリアのレモンリキュールを彷彿とさせる「Limoncello (イエロー系)」であろう。 GoogleがPixelにイエロー系を採用するのは、Pixel 6 Proの「Sorta Sunny」やPixel 7の「Lemongrass」(社内コードネームがLimoncelloだった可能性も指摘されている)以来となり、明るくポップな印象を与えるだろう。夏の発表時期(例年通りであれば8月頃)にもマッチし、多くのユーザーの心を掴むのではないだろうか。どのような色合いのイエローになるのか、期待が高まる。
「Blue (ブルー)」:待望の復活か?深みのある色合いに期待
長らくPixelの主要ラインナップから遠ざかっていたブルー系が、「Blue」としてPixel 10で復活する可能性が示唆されている。 かつて初代Pixelの「Really Blue」、Pixel 2の「Kinda Blue」、Pixel 4aの「Barely Blue」、そして最近ではPixel 8 ProやPixel 8aの「Bay (ベイ)」など、Googleは様々な色合いのブルーを提供してきた。 今回の「Blue」が、落ち着いた深みのある色合いになるのか、あるいはより鮮やかなトーンで登場するのか、そして同時に噂される「Iris (パープル系)」との色の棲み分けも気になるところである。
「Iris (アイリス)」:Pixel 9aから続く人気のパープル系
Pixel 9aで採用され好評を博したパープル系の「Iris」も、Pixel 10のカラーオプションとして継続される見込みである。 洗練された上品さと個性を両立するこのカラーは、幅広い層に受け入れられる定番色となるかもしれない。
「Obsidian (オブシディアン)」:揺るぎない定番のブラック系
もはやPixelシリーズの象徴とも言えるブラック系の「Obsidian」は、Pixel 10でも健在のようだ。 Pixel 9シリーズの広告でもその存在が確認されているこのカラーは、時代や流行に左右されない安定した人気を誇り、シックで落ち着いた印象を好むユーザーにとって定番の選択肢となるだろう。
Pixel 10 Pro / Pro XL:洗練と上質感を追求したカラーラインナップ
上位モデルとなるPixel 10 ProおよびPixel 10 Pro XLでは、より落ち着きと高級感を重視したカラーが用意されると見られている。
「Green (グリーン)」:Pixel 9 Proからの進化、あるいは新たな息吹か
グリーン系は、Pixel 10 Pro/Pro XLの注目カラーの一つである。「Green」というシンプルな名称でリークされているが、Pixel 9 Proのグリーングレーや光の加減で微妙に色合いを変えるグリーンからの進化形となるのか、あるいはPixel 8 Proの「Mint」やPixel 8aの「Aloe」のような、より鮮やかで自然を想起させるグリーンとなるのか、その方向性が注目される。
「Sterling (スターリング)」:上品な輝きを放つグレー系
新たに登場するとされる「Sterling (グレー系)」は、その名の通り、銀のような上品な光沢感を持つ、洗練されたカラーとなることが予想される。 Pixel 9 Proの「Hazel (ヘーゼル)」のような、落ち着きがありつつも表情豊かなグレー系の進化版と捉えることもできるだろう。
「Porcelain (ポーセリン)」:清潔感とミニマリズムを体現するホワイト系
ホワイト系の「Porcelain」も、Proモデルの定番カラーとして継続される見込みである。 磁器のような滑らかでクリーンな印象は、ミニマルなデザインを好むユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。
「Obsidian (オブシディアン)」:Proモデルにも共通する漆黒の存在感
標準モデルと同様に、Proモデルでもブラック系の「Obsidian」が用意される。 その深みのある黒は、Proモデルの持つ高級感や高性能さを一層引き立てる効果が期待できる。
デザイン踏襲の中でのアイデンティティ
9to5Googleが指摘するように、Pixel 10シリーズのデザインは現行のPixel 9シリーズから大きな変更はないと見られている。 そうした中で、カラーバリエーションの刷新は、ユーザーに新鮮な印象を与え、モデル間の差別化を図る上で極めて重要な役割を担うと言えるだろう。
Googleはこれまでも、「Sorta Sunny」や「Kinda Coral」といったユニークなネーミングや、絶妙な色合いの調整によって、Pixelのカラーに独自の個性を与えてきた。今回の「Limoncello」のような遊び心あふれる名称も、その伝統を受け継ぐものと言えそうだ。
過去のPixelカラーを振り返る:伝統と革新の調和
Pixelシリーズの歴史は、多彩なカラーバリエーションの歴史でもある。初代Pixelの鮮烈な「Really Blue」、Pixel 3の淡いピンク「Not Pink」、Pixel 4の「Oh So Orange」など、記憶に残るカラーが数多く存在する。
今回のリークされたPixel 10シリーズのカラーラインナップは、ObsidianやPorcelainといった定番色で安定感を保ちつつ、LimoncelloやBlueの復活、GreenやSterlingといった新たな提案によって、Pixelのカラーパレットに新しい風を吹き込もうとするGoogleの意図が感じられる。それは、過去の資産を尊重しながらも、常に新しい刺激を求めるユーザーの期待に応えようとする、伝統と革新の調和と言えるかもしれない。
今回伝えたカラーバリエーションは、あくまでリーク情報に基づくものであり、正式発表時には名称や色合いが変更される可能性も十分に考えられる。 特に、リーク情報ではカラー名のみが明らかになっており、実際のシェード(色合い)がどのようなものになるかは、現時点では想像の域を出ない。
例年通りであれば、Pixel 10シリーズはAndroid 16を搭載し、8月頃に発表されると予想される。 Googleがこれらのカラーを最終的にどのように仕上げてくるのか楽しみだ。
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