
TSMC、77%増益で粗利率67.7%:2nm増産下で設備投資最大640億ドルへ
TSMCの2026年第2四半期決算は、AI向け需要の拡大とコスト改善により純利益が前年同期比77.4%増と大幅に伸長した。同社は強気な需要予測に基づき、設備投資額を最大640億ドルへ引き上げ、アリゾナ州への追加投資も進める方針である。
別名: N3, 3nm
3nmプロセス(N3)は、TSMC(台湾積体電路製造)が提供する半導体製造プロセス技術の一つであり、2020年代前半から量産が始まった先端ノードである。従来の5nm世代と比較してトランジスタ密度や電力効率を高めた設計で、スマートフォン向けSoCやPC・サーバー向けCPUなど幅広い製品に採用されている。TSMCの次世代である2nmプロセスへの移行が進む中、3nmは依然として主力量産ノードとしての役割を担っている。
3nmプロセスは、TSMCが開発・提供するファウンドリ向け製造プロセスであり、N3という名称でも呼ばれる。同プロセスには性能・電力効率・コストのバランスを調整した複数の派生版が存在し、顧客企業ごとの用途に応じて提供されている。Appleをはじめとする大手ファブレス企業が、スマートフォンやタブレット、PC向けSoCの製造に採用してきた実績を持つ。
TSMCは3nmプロセスの量産を先行して開始し、Apple製品などへの供応を通じて実績を積んできた。その後、同社は生産体制の拡大を進め、台湾国内の工場に加え、海外拠点でも3nm世代の製造を拡大する動きを見せている。2026年5月には、TSMCの熊本第2工場が3nm製造に対応する方針であることが明らかになり、日本国内における先端プロセス製造の実現として注目を集めた。これは日本の半導体産業にとって、長期にわたる停滞からの転換点と位置づけられている。
半導体プロセスにおいて、ノード名の数値は必ずしも実際のトランジスタサイズを直接示すものではないが、世代が進むほど微細化・高密度化が進み、同等の性能をより低い電力で実現できるようになる。3nmプロセスは5nmプロセスの後継として登場し、TSMCの2nmプロセスが本格展開される前の主力ノードとして位置づけられている。iPhoneやMacに搭載されるAppleシリコン、Androidスマートフォン向けSoC、さらにはIntelやAMDのCPUの一部生産委託先としても採用されており、モバイル・PC・サーバーの各分野で広く利用されている。
2026年に入り、3nmプロセスを取り巻く状況にはいくつかの動きが見られる。2026年5月にはTSMC熊本第2工場が3nmプロセスの製造拠点として稼働する方針が明らかになり、日本国内での先端半導体製造体制強化が進んでいることが示された。同年6月には、Agentic AIの台頭によるデータセンター向けCPU需要の急増が、3nmをはじめとする最先端プロセスの生産枠を巡る競争を激化させていることが報じられた。この需給の逼迫はコンシューマー向けCPU価格の上昇にもつながっており、2027年頃まで続く可能性があるとされている。さらに、Appleは2nmプロセスの採用をiPhone 17 Proから見送り、iPhone 18 Pro向けのA20 Proチップまで持ち越す方針を固めたと伝えられており、この間、3nmプロセスがiPhoneシリーズの主力チップ製造プロセスとして継続利用される見通しとなっている。Intelについても、自社製造能力を補うため、次世代CPU「Arrow Lake」の製造をTSMCへ委託拡大する方針を固めたと報じられており、TSMCの先端プロセス全体への需要がさらに高まっている状況がうかがえる。

TSMCの2026年第2四半期決算は、AI向け需要の拡大とコスト改善により純利益が前年同期比77.4%増と大幅に伸長した。同社は強気な需要予測に基づき、設備投資額を最大640億ドルへ引き上げ、アリゾナ州への追加投資も進める方針である。

iPhone 18 Pro向けA20 ProチップはTSMCの2nmプロセスと新パッケージング技術WMCMを採用し、AI処理と電力効率を大幅に向上させる。ベースモデルのiPhone 18はDRAM供給不足からWMCMを見送るが、メモリを12GBに増強し、Appleはリリースサイクルを分割してサプライチェーンの負荷分散を図る。

Agentic AIの台頭により、データセンターにおけるCPU需要が急増し、コンシューマー向けCPUの価格が大幅に上昇している。DRAM価格は下落したものの、IntelやAMDの主力CPUが最大20%値上がりし、自作PCのコストは高止まりしている。この状況は、サーバー市場での需要逼迫と最先端プロセスを巡る生産枠競争が原因で、2027年まで続く可能性がある。

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