Appleは9月9日(米国時間)、初の折りたたみiPhone「iPhone Duo」を発表した。日本では10月16日午後9時に予約を開始し、10月23日に発売する。税込価格は364,800円からで、開けば7.6インチの画面に2つのアプリを並べられる、従来のiPhoneとは使い方の異なる製品となる。同じA20 Proを搭載するiPhone 18 Proシリーズや、先行するAndroidの折りたたみ機と比べると、Duoを選ぶ理由は画面の大きさに加え、毎日の作業をどこまでiOS上でまとめたいかにある。
10月23日発売、容量別価格と予約の段取り

iPhone Duoの日本発売日は、iPhone 18 Pro/Pro Maxの9月18日から5週間後となる。Duoの予約開始は10月16日(金)午後9時、発売は翌週の23日(金)。日本は最初の発売対象に含まれる。Appleは発売時期の違いを明らかにしたが、その理由を製造上の問題などと説明してはいない。
| iPhone Duoの容量 | 日本の税込価格 |
|---|---|
| 256GB | 364,800円 |
| 512GB | 399,800円 |
| 1TB | 469,800円 |
| 2TB | 574,800円 |
価格は2026年9月10日に確認したものだ。下取りや通信契約による割引は含めていない。色はスターホワイトとナイトスカイの2色だ。
上位容量ほど用途を絞って考えたい。動画や大量の資料を本体に保存するなら容量は役立つが、画面を開いて2つのアプリを使う機能は256GBでも共通する。折りたたみの使い勝手を得るために、大容量モデルまで選ぶ必要はない。
開いて使うiOSと、折り目を支える仕組み
Duoの内側画面は7.6インチ、外側は5.4インチで、どちらも最大120HzのProMotionに対応する。Appleによると、外側の画面面積はiPhone 18 Proの90%、内側はPro Maxより50%大きい。対角線の長さだけを見て、5.4インチなら小さなiPhone、7.6インチなら少し大きなPro Max、と捉えると使い勝手を見誤る。画面の縦横比が異なるためだ。
その広さを使う機能が、iOS 27の「Split View」である。iPhoneで初めて2つのアプリを横に並べられ、Safariなど対応するアプリでは同じアプリのウインドウを2つ開ける。組み合わせを保存して呼び出すことも可能だ。例えば、ブラウザの資料を見ながらメモを書いたり、別々の商品ページを見比べたりする際に、画面を切り替える回数を減らせる。

操作部分も大画面に合わせて変わる。Dockやアプリの操作要素は側面に配置され、縦方向をコンテンツの表示に使う。Appleは内外の画面で同じ縦横比を採り、開閉時に内容を同じ比率で拡大・縮小すると説明している。Netflix、Zoom、Slackの対応例も示された。ただし、普段使っている他社製アプリがすべて同じように最適化されるとは限らない。
画面を折り曲げるための工夫も、表示品質に関わる。Appleの説明では、ヒンジが開いた画面の中央を支え、ディスプレイ内部のガラス層は接着剤を介して互いに滑ることで、曲げる際の摩擦を和らげる。内側表面には映り込みを抑えるポリマー製のNano-texture仕上げを用い、その下にはチタニウムプレートを置く。硬い板をそのまま折るのではなく、層ごとの動きを許しながら面を支える設計だ。

この構造は、折り目が長期間まったく見えないことを証明するものではない。反射を抑える表面処理と、中央を平らに支える構造が実際の視認性にどう効くかは、照明や見る角度を変えた実機で確かめたい。Apple Pencil(USB-C)は両方の画面で使えるようになる予定だが、対応時期は2026年内とされ、発売日の利用は確約されていない。
Pro Maxとの差額で何を得るのか

256GBのiPhone 18 Proは219,800円、Pro Maxは239,800円。DuoはPro Maxより125,000円高く、重量差は5g、閉じた幅は6.1mm広い。価格は364,800−239,800円、重量は254−249g、幅は84.1−78.0mmとして、それぞれの公式値から算出した。
| 比較項目 | iPhone Duo | iPhone 18 Pro | iPhone 18 Pro Max |
|---|---|---|---|
| 256GBの税込価格 | 364,800円 | 219,800円 | 239,800円 |
| 画面の対角サイズ | 内側7.6/外側5.4インチ | 6.3インチ | 6.9インチ |
| 幅 | 閉じて84.1mm | 71.9mm | 78.0mm |
| 高さ | 117.8mm | 150.0mm | 163.4mm |
| 厚さ | 閉じて11.3/開いて5.2mm | 8.75mm | 8.75mm |
| 重量 | 254g | 211g | 249g |
| チップ | A20 Pro | A20 Pro | A20 Pro |
| 背面カメラ | 48MP広角+48MP超広角 | 48MP広角+超広角+専用望遠 | 48MP広角+超広角+専用望遠 |
| メインカメラの絞り | f/1.6 | f/1.48〜f/4.0の可変絞り | f/1.48〜f/4.0の可変絞り |
| 認証 | 側面Touch ID | Face ID | Face ID |
| 公称ビデオ再生時間 | 内側最大31/外側最大44時間 | 最大36時間 | 最大45時間 |
価格は2026年9月10日確認のApple日本向け256GB本体価格で、割引・下取り・別売品を含まない。仕様はDuoと18 Proシリーズ、価格はDuoと18 Proシリーズの販売ページに基づく。寸法・重量は公称値で、電池持続時間はAppleの試験値だ。
携帯性では、重さがほぼ同じでも持ち方が変わる。DuoはPro Maxより背が低い一方、閉じた幅と厚さが増す。「開いた時は最薄」という説明を、ポケットに入れた時の薄さと読み替えることはできない。短い本体を手のひらに収める使い方が合うか、横幅が親指の操作を妨げるかが分かれ目になる。
カメラ重視なら、Proシリーズを選ぶ理由は明快だ。Duoの「光学品質2倍」はメインカメラを使う撮影で、専用望遠レンズを追加したものではない。Proの4倍望遠カメラや、メインカメラの可変絞りとは役割が違う。遠くの被写体を撮りたい人と、背面カメラで自撮りしながら外側画面で構図を確認したい人では、欲しい機能が分かれる。
同じA20 Proでも、Duoの追加費用を処理性能だけで説明するのは難しい。Duoも専用のベイパーチャンバーを備えるが、筐体や冷却構造が違えば、負荷をかけ続けた時の動作も確認が必要になる。Duoに払う差額の中心は、折りたためる大画面と、その上で使うiOSの並列作業だ。
GalaxyとPixelを並べると見える選択肢
Galaxy Z Fold8は、Duoと同じ7.6インチ級の内側画面を約201gの本体に収める。DuoはFold8より94,920円高く、53g重い。前者は364,800−269,880円、後者は254−201gで求めた差で、Samsungの価格には8月7日の日本発売時の公式直販価格を用いた。
| 比較項目 | iPhone Duo | Galaxy Z Fold8 | Galaxy Z Fold8 Ultra | Pixel 11 Pro Fold |
|---|---|---|---|---|
| 256GBの税込価格 | 364,800円 | 269,880円 | 296,780円 | 279,900円 |
| 内側/外側画面 | 7.6/5.4インチ | 約7.6/5.5インチ | 約8.0/6.5インチ | 8/6.5インチ |
| 閉じた幅 | 84.1mm | 約82mm | 約73mm | 76mm |
| 閉じた厚さ | 11.3mm | 約9.7mm | 約8.9mm | 10.1mm |
| 重量 | 254g | 約201g | 約215g | 239g |
| 専用望遠カメラ | なし | なし | あり、約10MP | あり、10.8MP・光学5倍 |
| 防塵・耐水等級 | IP68 | IP4X/IPX8 | IP4X/IPX8 | IP68 |
AppleとGoogleの価格・仕様は2026年9月10日確認、Samsungの価格は2026年8月7日の発売時価格。いずれも日本向け256GBで、キャンペーン、下取り、通信契約を含めない。Samsungの寸法・重量は丸められた公称値である。
この4機種では、開いた画面の大きさと、閉じた本体の幅が同じ順に並ばない。DuoとFold8は短く横に広い本体を採り、Fold8の内側画面は横向きで4対3。Pixelの内側は2,076×2,152ピクセルで、より正方形に近い。対角サイズだけで、動画の表示領域や2つのアプリの収まり方まで決めることはできない。
軽さを重視するならFold8が比較対象になり、望遠も欲しいならFold8 UltraやPixelが候補になる。Galaxyの標準モデルとUltraを一括りにすると、重さとカメラの選択肢を見落としてしまう。Duoは、この比較では価格も重量も最も大きい。使い慣れたiOSアプリを開いて並べることに、どれだけ価値を置くかが選択を左右する。
また、IP68などの等級は防塵・耐水の条件を示すもので、折り目の寿命や落下への強さを順位付けするものではない。Duoの耐水条件は最大水深6mで最大30分間。画面を押した時の耐久性や長期間の開閉後の状態まで、同じ表示から判断することはできない。
発売前に見極めたい、大画面の使い勝手

Duoは左右に電池を分けて搭載するが、Appleの公称ビデオ再生時間は内側で最大31時間、外側で最大44時間と大きく変わる。大きな画面を使うために買うなら、判断の基準になるのは内側の値だ。「最大44時間」だけを見て、Pro Maxの最大45時間に近い使い心地を期待するのは早い。動画再生と、複数アプリを開く日常利用でも条件は異なる。
充電は別売りの60W以上対応アダプタとUSB-Cケーブルで約20分で最大50%。MagSafeとQi2によるワイヤレス充電にも対応する。電池の大きさを推測するより、画面を開いて仕事や動画視聴を続けた際に、充電がどの程度必要になるかを確かめたい。
ソフトの提供時期にも差がある。Apple Pencilは年内対応予定で、Siri AIは9月14日に英語のベータ版から始まり、日本語は10月対応予定となる。Apple Intelligenceの日本語対応と、新しいSiriの利用開始を同じものとして扱うことはできない。購入時には、必要な機能がその時点で使えるかを確認する必要がある。
予約前に考えておくとよいのは、毎日並べたいアプリの組み合わせだ。資料とメモ、比較する商品ページなど、具体的な使い道があり、そのアプリが大画面に適応していれば、Duoは外出先での画面切り替えを減らせる。実機ではその組み合わせを開き、文字の大きさやキーボード表示時の残りの領域まで確かめたい。使い慣れたiPhoneの作業を、開いた一画面でどこまで完結できるかが、Duoを選ぶ判断軸になる。



