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Meta、赤字VR部門で人員削減 – Supernatural開発チームも影響

Y Kobayashi

2025年4月25日

Meta Platformsは、VR/AR技術開発を担うReality Labs部門で人員削減を実施した。同社傘下のOculus Studios、特に人気のVRフィットネスアプリ「Supernatural」の開発チームの一部が影響を受けている模様だ。今回の動きは、巨額の損失が続く同部門の効率化と構造改革の一環と見られる。

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Oculus Studiosにメス、効率化目指す

Metaは現地時間4月24日、Reality Labs部門における人員削減を認めた。具体的な削減人数は公表されていないが、対象は同部門内のOculus Studiosに所属する従業員の一部だ。Oculus Studiosは、Metaの主力VRヘッドセット「Quest」向けのゲームやコンテンツを開発する社内スタジオである。

Metaの広報担当者はCNBCに対し、「Oculus Studios内の一部のチームは、チーム規模に影響を与える構造と役割の変更を経験している」と述べた。さらに、「これらの変更は、スタジオが将来の複合現実(Mixed Reality, MR)体験に向けて、増え続けるオーディエンスのためにより効率的に作業できるようにすることを目的としている。同時に、今日の人々にも素晴らしいコンテンツを提供し続ける」と説明している。

今回の人員削減で特に影響を受けたのが、VRフィットネスアプリ「Supernatural」の開発チームである。Supernaturalは、美しい景色の中でコーチと共にエクササイズができる人気のサブスクリプションサービスで、Metaは2023年に開発元のWithinを買収していた。

Supernaturalは公式Facebookグループへの投稿で、「これらの変更により、信じられないほど才能のあるチームメンバーの一部を失うことになったことを深く悲しんでいます」とコメント。「彼らの貢献は、私たちの旅とあなたの旅を形作る上で貢献してきました。彼らの不在は深く惜しまれるでしょう」と、影響を受けた従業員への思いを綴った。

TechCrunchによると、Supernaturalのユーザーに対しては、今後週あたりの新規ワークアウトの提供本数は減るものの、個々のワークアウトはより多くのスキルレベルで利用可能になるという。また、ワークアウトを指導するコーチ陣は今回の削減の影響を受けないとのことだ。

巨額損失続くReality Labs、再構築急ぐ

MetaのReality Labs部門は、同社が「メタバース」への注力を鮮明にして以来、財務的に大きな課題を抱えている。2024年第4四半期には、売上高11億ドルに対し、49.7億ドルもの営業損失を計上した。年間を通じても数十億ドル規模の損失が続いており、投資家からの目は厳しい。

今回の人員削減は、こうした財務状況下での効率化とリストラクチャリング(再構築)の一環と見られる。Metaは今年2月にも、全社的にパフォーマンス評価が低いと判断された従業員の5%を解雇した経緯がある。

Reutersによると、Metaの全世界での従業員数は2024年12月31日時点で74,067人であった。Mark Zuckerberg CEOは、AR/VR技術への長期的なコミットメントを表明し続けているものの、Reality Labs部門の収益化は依然として大きな課題である。

Metaは来週(本記事執筆時点)に第1四半期の決算報告を控えており、Reality Labs部門のコスト構造や将来性について、投資家からのさらなる追及を受ける可能性がある。今回の人員削減が、コスト削減圧力への対応であるとの見方も強まるだろう。

テクノロジー業界全体で人員削減の動きが見られる中、メタバース構想の中核を担う部門でのリストラは、Metaの今後の戦略にも影響を与える可能性がある。効率化と将来への投資のバランスをどう取るのか、同社の次の一手に注目が集まる。


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