Perplexityは2026年11月4日、継続する業務を担当するAIエージェント「Teammates」を発表した。目標や作業履歴、共有ファイルを次の実行へ持ち越し、調査や修正を担当し続けるという。11月7日時点では個人向けMax会員を対象とするWebの研究プレビューで、企業向け契約には標準で含まれない。Perplexityには定期・イベント実行の機能がすでにあるが、Teammatesが加えるのは、実行の間も仕事の役割を保ち、次の対応を調整する仕組みである。

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継続する役割を持つAIと、既存Automationsの違い

既存の「Automations」は、指定時刻や接続アプリで起きたイベントをきっかけに処理を動かす機能だ。クラウドで実行するため、利用者がノートPCを開いておく必要はない。補助エージェントも利用でき、定期実行や複数担当による処理そのものが今回初めて加わったわけではない。

これに対し、PerplexityはTeammatesを、担当を変えるまで同じ役割を引き受けるエージェントとして説明している。何を目指し、何を試し、どのファイルを使ったかを実行間で記憶し、優先順位が変われば計画を調整する。個々の処理を起動することに加え、その処理の結果を受けて次の仕事を組み立てるところまで担当させる設計だ。

同社が挙げる営業の想定例では、取引が止まったことを検知すると、過去のやり取りやサポート上の問題を調べ、提案や対応候補を作って人間へ承認を求める。「変化があった」と通知して終えるのでなく、変化の後に必要な調査と提案まで同じ担当へ渡す。ただし、これは利用方法の説明であり、導入先で成果が出たという実績ではない。

両機能の公式説明を、2026年11月7日時点の五つの観点で比べると次のようになる。

比較する点 Automations Teammates
起動と継続 指定時刻や接続アプリのイベントで実行 継続する役割を持ち、変化や優先順位に応じて仕事を調整
引き継ぐ文脈 多くのバックグラウンド実行は新しいエージェント。会話を引き継ぐ実行もある 目標・履歴・共有ファイルを実行間で記憶
複数担当の調整 補助エージェントを利用できる 作業を分解し、並列実行の結果を検査して追加担当や方針変更を判断
実行環境 クラウドで実行し、利用者の端末を開く必要はない 各担当に専用のコンピューターを用意
作業後の対応 結果を保存し、注目すべき内容を通知 成果物をレビューへ戻し、修正にも対応

表は、Teammatesの機能説明とAutomationsの現行仕様を同じ項目に分けたものだ。Automationsにも会話を引き継ぐ実行や補助エージェントがあるため、「記憶のない旧機能から、記憶のある新機能へ」と割り切ると違いを見誤る。Teammatesの特徴は、役割と履歴を持つ担当が複数の実行をまたいで調整する点にある。この比較から速度や成功率の優劣までは言えない。

分解、実行、検査を繰り返す仕組み

Teammatesは目標を作業に分解し、並列に進められる部分を選んで各エージェントへ渡す。各担当は専用のコンピューターで実行し、結果を検査したうえで、担当の追加や進め方の変更を判断する。完成物は人間のレビューへ戻す。Perplexityは、公開後も監視を続けられるとしており、一度成果物ができたところで仕事が終わるとは限らない。

担当間で使う「Project」は、同じ仕事の文脈やファイル、指示を共有する場だ。複数の担当が別々の操作環境で動いても、同じProjectの情報を使って連携できる。Slackでは監視対象のチャンネルを通じて協業する仕組みもある。人間の指示を一人の担当に渡し、その担当が必要な作業を分けて進めるという使い方を想定している。

新規Teammateの既定モデルはClaude Opus 5.5で、担当ごとに変更できる。子エージェントは特段の指定がなければ親のモデルを使う。つまり、製品としての継続性は、一つのモデル名だけで決まるものではない。記憶を保つ方法や担当間の調整、結果を検査して修正する工程まで含めて説明されている。

もっとも、工程が用意されていることと、長い仕事を安定して完遂できることは別である。長期の成功率や最大並列数、監視から対応までの時間について、同社が示す機能説明から具体的な数値は分からない。現段階では、研究プレビューの能力説明として受け止める必要がある。

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共有するProject、分離する操作環境

同じProject内では情報を共有する一方、コンピューターやブラウザー、Cookieは担当ごとに分離される。したがって、操作環境が分かれているからといって、Projectに置いたファイルまで他の担当に渡らないわけではない。共同で使わせる情報と、担当別に分ける操作環境は区別されている。

Perplexityは、認証情報を暗号化し、AIからは見えないようにすると説明する。ただし、秘密情報を直接読めないことと、接続先で何を操作できるかは別の問題だ。Teammatesの権限は既存のプラグインとProjectの設定に従う。許可した接続先での行動まで、環境分離だけで安全になるとは言えない。

利用者が具体的に決めるのは、GitHubなら必要なリポジトリにアクセスを絞ること、Slackなら監視するチャンネルと送信先を指定することである。調査に必要な情報を渡すことと、成果を外へ送る権限を渡すことを一緒に考えないほうがよい。どの範囲を任せ、誰が返ってきた成果をレビューするかを、接続設定と対応させる必要がある。

共有チャットを他者に見せた場合も、その相手には読み取り専用となる。チャットを共有することが、そのまま共同編集や自由な操作の許可になるわけではない。また、成果物をレビューへ戻すという説明はあるが、すべての操作の前に必ず人間の承認が入るとまでは説明されていない。仕事を任せる範囲は、担当の名前よりも、Projectに置く情報と接続先の権限で決まる。

月額200ドルと常時稼働の利用条件

11月7日時点の提供対象は、個人向けMax会員のWeb利用である。Enterprise ProとEnterprise Maxには標準で含まれず、業務に使う製品だから企業契約ですぐ利用できるとは限らない。iOSへの対応は今後の予定だ。研究プレビューは開発途中で、挙動が変わる可能性もある。

個人向けMaxの料金は月額200ドル、または年額2,000ドルで、年払いはWebのみとなる。その契約料金と、処理を動かすクレジットの枠は分けて考える必要がある。現行のクレジット条件では、個人Maxは月10,000クレジットで、翌月への繰り越しはない。購入時の換算は100クレジット当たり1ドルだ。これらの条件は地域やプロモーションなどで変わる場合がある。

TeammatesはMaxの月間枠を使い、並列エージェントを増やしたり、大きなファイルやコードベースを扱ったり、高頻度で自動実行したりすると消費が増える。月額を払えば、どんな仕事でも無制限に動かせるわけではない。自動補充は初期状態では無効で、使う場合は明示的に設定し、補充する金額と月額上限を決められる。

残高不足は実行の継続にも関わる。Automationsの定期実行は残高不足などでその回をスキップし、スキップが繰り返されると一時停止する。残高を戻すだけでは自動復帰せず、利用者が「Enable」または「Run now」で再開する必要がある。一般の実行中タスクが残高復旧後に再開する説明とは条件が異なるため、定期監視を任せるなら停止後の確認も運用に含めたい。

実際の案件で確かめたいのは、修正を何回求められ、対応にどれだけ時間がかかり、何クレジットを消費するかである。人間のレビュー負担も含め、許可した範囲と予算の中で仕事を引き継げると確認できれば、単発の依頼を繰り返していた仕事を、継続して担うエージェントへ任せられる。