電力網や電気自動車のインバーターでは、より高い電圧に耐えながら、熱として失われるエネルギーをいかに減らすかが重要な課題となっている。半導体が絶縁破壊を起こさずに耐えられる電界の強さは、材料固有のバンドギャップ(電子が価電子帯から伝導帯へ移るために必要なエネルギー)の大きさと密接に関係している。一般にバンドギャップが広いほど高い電界に耐えられるが、その一方で材料は絶縁体に近づき、電流を流すために必要な電子をドーピングによって供給することが難しくなる。この物理的なトレードオフが、より高性能な半導体材料の開発を長年にわたって制約してきた。

コーネル大学を中心とする研究チームは、この限界を押し広げる成果を発表した。シリコンを添加したコランダム構造のアルミニウム・ガリウム酸化物薄膜を開発し、7.0電子ボルト(eV)を超えるバンドギャップを持ちながら電気伝導を制御できることを確認した。さらに、この材料を使ったダイオードと電界効果トランジスタを試作し、実際に動作することを実証した。研究成果は2026年10月7日付で学術誌『Nature』に査読済み論文「A 7-eV bandgap semiconductor based on silicon-doped α-(AlxGa1−x)2O3」として掲載され、コーネル大学が11月3日に発表している。

研究チームは、バンドギャップが6.0電子ボルトを超える領域を「コロッサル・バンドギャップ(colossal-bandgap)」と定義している。今回の研究は、この領域の半導体で電子伝導を制御し、能動素子を動作させられることを実験的に示したものだ。ただし、試作素子が動作したからといって、現在商用化されている炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を直ちに置き換えられるわけではない。今回の成果が材料科学において持つ意味と、実用的なパワー半導体への応用に向けて残された課題を詳しく見ていく。

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この比較からも分かるように、今回開発された薄膜は、既知の半導体材料の中でも特にバンドギャップが広い領域に位置している。

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絶縁体の壁を破る「7電子ボルト超」の測定結果

半導体のエネルギー構造において、価電子帯と伝導帯を隔てる禁制帯幅(バンドギャップ、\(E_g\))は、材料の電気的・光学的性質を左右する基本的な物性値である。一般的なシリコン(Si)のバンドギャップは約1.1電子ボルト、高耐圧パワー半導体として普及が進む4H-SiCは約3.2電子ボルト、GaNは約3.4電子ボルトだ。バンドギャップが広い材料ほど、結晶内部でアバランシェ降伏を引き起こす臨界電界強度が高くなる傾向がある。そのため、より薄い半導体層で高電圧に耐えられる素子を設計できる可能性がある。

しかし、バンドギャップを広げるほど、電気を流すために必要な電子を確保することが難しくなる。結晶中に電子を供給するドナー不純物を導入しても、そのエネルギー準位が伝導帯の底から大きく離れると、室温の熱エネルギーでは電子が伝導帯へ移りにくくなるためだ。さらに、意図しない不純物や点欠陥がドナーの働きを打ち消す「補償」と呼ばれる現象も問題となる。このため、バンドギャップが6.0電子ボルトを超える結晶性材料では、ドーピングによって十分な導電性を得ることが極めて難しく、多くの場合、実質的に絶縁体として振る舞ってきた。

論文によると、従来、半導体として知られる材料の中で特に広いバンドギャップを持つものとして、立方晶窒化ホウ素(c-BN、約6.4電子ボルト)が挙げられてきた。今回の研究チームが着目したのは、酸化アルミニウム(サファイア、約8.6電子ボルト)と酸化ガリウム(α-Ga₂O₃、約5.4電子ボルト)を組み合わせた混晶材料、**α-(AlₓGa₁₋ₓ)₂O₃(アルファ相アルミニウム・ガリウム酸化物)**である。この材料は、アルミニウムとガリウムの組成比を変えることでバンドギャップを調整できる。研究チームは、結晶構造をα相に維持しながらシリコンを添加し、電子伝導が可能な薄膜を作製した。

その結果、シリコンを添加したα-(AlₓGa₁₋ₓ)₂O₃薄膜で、7.0電子ボルトを超えるバンドギャップが確認された。さらに、バンドギャップが6.0電子ボルトを超える材料に限って比較すると、室温での導電率が従来の報告値を1億倍以上、すなわち8桁以上上回ったと論文で報告している。ただし、論文の要旨に示されているのは相対的な改善倍率であり、比較対象と今回の材料それぞれの導電率について、絶対値は記載されていない。

重要なのは、この「1億倍」という数字が、シリコンやGaNと比較した導電率の向上を意味するわけではないという点だ。従来の6電子ボルト超の材料では、室温で利用できる電子が極めて少なく、ほとんど電流を流せなかった。今回の成果は、こうした極限的な材料でも電子デバイスのチャネルとして利用できる導電性を得られることを示したものである。

サブ酸化物分子線エピタキシーと多層成長の工夫

従来は絶縁体に近い性質を示していた酸化物混晶で、どのようにして電流を流せるようにしたのか。成膜を担当した博士課程のJacob Steeleらは、サブ酸化物分子線エピタキシー(suboxide molecular-beam epitaxy)と呼ばれる結晶成長法を採用した。これは超高真空中で原料をビーム状に供給し、薄膜の組成や厚さを精密に制御しながら結晶を成長させる技術である。

最大の課題は、アルミニウムの割合を増やしてバンドギャップを7電子ボルト以上に広げながら、添加したシリコンから電子を供給できる状態を作り出すことだった。高温で結晶を成長させると、欠陥による補償や熱力学的な制約によって、利用可能な電子が十分に得られなくなる場合がある。研究チームは成長温度を適切に制御し、比較的低温でシリコンを結晶格子内に取り込ませることで、室温でも電流を運ぶ電子を確保することに成功した。

ただし、薄膜全体を単一の温度で成長させたわけではない。論文の付録資料(Supplementary Information)によると、素子の作製には高温、中温、低温の成長工程を組み合わせた多段階の温度制御が用いられている。代表的な評価試料「サンプルA1」では、基板上にアルミニウム濃度の高いバッファ層を形成し、その上にシリコンを添加した \(\alpha\text{-(Al}_{0.51}\text{Ga}_{0.49}\text{)}_2\text{O}_3\) のチャネル層を成長させている。つまり、素子を構成するすべての層が同じバンドギャップを持つのではなく、結晶成長や電気的特性を考慮した多層膜構造になっている。

電極から電子を注入する際の抵抗も、大きな技術的課題だった。バンドギャップの広い半導体では、金属電極との界面に形成されるショットキー障壁が高くなりやすく、電極から半導体へ電子が流れにくくなる。研究チームはこの問題に対処するため、トランジスタの電極直下に、アルミニウム組成を減らして導電性を高めた高濃度n型(n+)領域の再成長層や、α-Ga₂O₃のコンタクト層を組み合わせた。チャネル材料だけでなく、電極との接続部分にも専用の構造を設ける必要があったのである。

バンドギャップの測定には、光の反射特性から材料の光学定数を求める分光エリプソメトリー法を使用した。結晶の光学的な異方性を考慮し、3方向の方位角と50度、60度、70度の入射角を組み合わせてデータを取得し、フィッティング解析を行っている。また、ホール効果測定による電気特性評価のほか、二次イオン質量分析(SIMS)、アトムプローブトモグラフィー(APT)、透過型電子顕微鏡(TEM)も用いられた。これらの分析によって、薄膜内部のシリコン濃度分布、結晶格子の原子配列、局所的な結晶欠陥などを調べている。

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試作トランジスタ「AlphaFET」が示した成果と限界

今回の研究で特に重要なのは、材料の導電性を測定するだけでなく、実際に電流を制御できる能動素子を試作したことだ。Huili Grace Xing教授とDebdeep Jena教授の指導のもと、共同筆頭著者である博士課程のDebaditya Bhattacharyaらが素子の設計、作製、電気測定を担当した。

研究チームは、コロッサル・バンドギャップ材料を用いたショットキーダイオード「AlphaDiode」と、電界効果トランジスタ「AlphaFET」をそれぞれ作製した。コーネル大学の発表によると、AlphaFETでは、容量結合された金属ゲート電極に電圧を加えることで、ドレイン電流を4桁以上、すなわち1万倍以上変化させることに成功した。ただし、大学の発表資料に記載されているのは電流の変調倍率であり、オン状態とオフ状態の具体的な電流値や印加電圧などの測定条件は示されていない。

この結果の学術的な意味と、実用化に向けた性能評価は分けて考える必要がある。今回直接実証されたのは、7電子ボルト級のバンドギャップを持つ材料でも、不純物ドーピングによって電子を供給し、電界効果を利用して電流を制御できるという原理である。これまで絶縁体に近いと考えられてきた領域の材料を、能動的な電子デバイスに利用できる可能性が示されたことになる。

一方、商用パワー半導体に求められる高い電力密度、高速スイッチング性能、エネルギー変換効率、長期信頼性が実証されたわけではない。今回の試作素子は研究用の微細なテストデバイスであり、電極の寄生抵抗や熱特性、実際に流せる電流の大きさなど、性能を制限する要因が残っている。数マイクロメートル規模の試作素子で確認された電流変調特性を、そのまま高耐圧の商用デバイスや大型パワーモジュールの性能に結びつけることはできない。また、今回の成果は査読付き学術誌に掲載された研究チーム自身の報告であり、独立した第三者による再現実験や製造歩留まりの検証も今後の課題となる。

それでも、今回の成果によって研究開発の課題は大きく変わったと考えられる。従来の最大の難関は、バンドギャップが6電子ボルトを超える材料で、そもそも制御可能な電子伝導を生み出せるのかという点にあった。今回、その原理が実証されたことで、今後は結晶欠陥の低減、電極や界面の抵抗改善、実用的な素子構造の確立といった、より具体的なデバイス工学上の課題に取り組めるようになった。

理論的な「バリガ性能指数」と実測性能の隔たり

超広バンドギャップ半導体の潜在的な性能を評価する際によく使われるのが、バリガ性能指数(Baliga's figure of merit、BFOM)だ。これは、主に低周波動作を想定したパワー半導体のオン抵抗と耐圧のトレードオフを評価する理論指標である。材料の誘電率(\(\epsilon\))、電子移動度(\(\mu\))、臨界電界強度(\(E_c\))を用いて、次の関係で表される。

\[ \mathrm{BFOM}\propto\epsilon\mu E_c^3 \]

臨界電界強度はバンドギャップに強く依存するため、ほかの物性を含めた近似では、BFOMがおおむねバンドギャップの5.5乗(\(E_g^{5.5}\))に比例するとされる。つまり、バンドギャップを広げることで、理論上はパワー半導体の性能を大幅に高められる可能性がある。ただし、この関係は材料の潜在的な性能を評価するためのものであり、実際の素子性能を直接表すわけではない。

論文の付録資料(Supplementary Table 1)には、各種半導体材料の物性値と、シリコンを1とした場合の理論的な相対BFOMがまとめられている。

材料名・区分 バンドギャップ \(E_g\) (eV) 理論臨界電界 (MV/cm) 理論電子移動度 (cm²/V·s) Si比の理論BFOM 根拠と注意点
シリコン(Si) 1.1 0.3 1,450 1 商用基準材料。実測データと成熟した素子技術を持つ
4H-SiC 3.2 3.0 950 540 商用化済み。高耐圧EVインバーターなどで量産実績がある
窒化ガリウム(GaN) 3.4 3.3 2,000 2,400 商用化済み。高速スイッチング電源を中心に量産されている
β-Ga₂O₃ 4.8 8.0 300 4,200 研究開発段階。大型バルク単結晶基板の製造技術がある
α-Ga₂O₃ 5.4 10.0 300 11,000 研究開発段階。ミストCVDやサファイア上でのヘテロエピタキシャル成長が用いられる
ダイヤモンド 5.5 10.0 2,000 73,000 研究開発段階。高い熱伝導率を持つが、基板サイズとドーピングに制約がある
AlN(窒化アルミニウム) 6.0 12.0 1,000 290,000 研究開発段階。高抵抗のため導電層の形成が難しい
c-BN(立方晶窒化ホウ素) 6.4 13.0 1,000 450,000 研究開発段階。高温高圧合成が中心で、大面積基板の製造技術が確立されていない
α-Al₂O₃(サファイア) 8.6 18.0 600 6,500,000 理論的な材料限界の参照値。実用的な導電性トランジスタの性能を示すものではない
α-(Al,Ga)₂O₃(本研究の薄膜) >7.0 未確定(高電界が期待される) 2 ± 1(300 Kでの実測値) 未確定 今回開発された材料。移動度などの物性評価は初期段階にある

表に示された数万倍から数百万倍という相対BFOMは、材料の物性値を理想的に仮定した理論上の指標である。実際の素子の変換効率や性能を比較したものではなく、材料の優劣をそのまま示すものでもない。特にサファイア(\(\alpha\text{-Al}_2\text{O}_3\))の650万倍という数値は、理論的な臨界電界強度などを基に算出された参照値にすぎない。サファイアを使った導電性トランジスタで、この性能が実証されているわけではない。

今回開発された \(\alpha\text{-(Al}_x\text{Ga}_{1-x}\text{)}_2\text{O}_3\) についても、組成ごとの臨界電界強度や誘電率、電子移動度の上限はまだ十分に明らかになっていない。そのため、現時点で確定的なBFOMを算出し、SiCやGaNに対する理論上の性能優位性を数値で断定することはできない。広いバンドギャップが大きな潜在力につながることは確かだが、その潜在力を実際の素子でどこまで引き出せるかは別の問題である。

一方、製造技術の面では注目すべき利点がある。今回の薄膜成長と素子試作には、基板としてサファイア(酸化アルミニウム単結晶)が使用された。ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素などの超広バンドギャップ材料では、大面積で高品質な単結晶ウェハーを低コストで製造することが難しい。これに対してサファイアは、青色LEDなどの製造に長年使用されており、直径6〜8インチ規模のウェハーも量産されている。既存の基板製造技術を利用できる点は、将来の製造規模拡大を考えるうえで有利な条件となる。

もっとも、サファイア基板を比較的安価に入手できることが、半導体素子全体の製造コストの低さを保証するわけではない。今回の技術では、サファイアと格子定数の異なる酸化物薄膜を複数の温度条件で成長させ、さらに電極接触用の再成長層を形成する必要がある。こうした複雑なエピタキシャル成長工程には、成膜速度や結晶品質、製造歩留まりなどの課題が残っている。基板の入手性という利点を、量産可能な半導体製造プロセスへと結びつけられるかが重要になる。

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実用化に向けて残る結晶欠陥と電気特性の課題

今回の成果をパワー半導体や光通信などの実用デバイスにつなげるには、解決すべき課題がいくつも残されている。コーネル大学の発表では、電子顕微鏡による微細構造解析を担当したDavid Anthony Muller教授らが、作製した薄膜内部に多数の結晶欠陥を確認したことが報告されている。シニアオーサーのDarrell Schlom教授も、現在の材料の状態をほかの半導体が開発初期にあった頃と重ね合わせ、真の性能を引き出すには欠陥の制御と改善が必要だと説明している。

論文の補足図(Extended Data Fig. 1)には、AlphaFETの積層構造に存在するミスフィット転位が示されている。これは、隣接する結晶層の格子定数が異なることで発生する結晶配列の乱れである。こうした転位は電子の移動を妨げる散乱源となるほか、条件によっては漏れ電流の経路にもなり得る。そのため、膜厚や組成、成長温度を調整して欠陥密度を減らすことが、素子の性能と信頼性を高めるうえで欠かせない。

結晶品質の問題は、電子移動度の測定結果にも表れている。付録資料に記載された「サンプルA27」のホール効果測定によると、室温(300 K)での電子移動度はわずか \(2\pm1\ \mathrm{cm^2/(V\cdot s)}\) だった。商用SiCで数百 \(\mathrm{cm^2/(V\cdot s)}\)、GaNで1,000〜2,000 \(\mathrm{cm^2/(V\cdot s)}\) 程度の電子移動度が得られることと比較すると、極めて低い値である。電子移動度が低ければ、同じ電界を加えても電子が移動しにくくなり、電流を流す際の抵抗が大きくなる。したがって、広いバンドギャップによる高耐圧化の可能性だけでなく、十分な電流を低損失で流せるかどうかも重要な評価項目となる。

温度依存性にも課題が見られる。付録資料によると、試料を300 Kから200 Kに冷却すると、シート抵抗が約10倍に増加し、同時に電子濃度が低下した。ただし、資料に記載されたのは抵抗の変化倍率の概算であり、各温度におけるシート抵抗の具体的な測定値は示されていない。研究チームは、この現象を、温度低下によって電子がドナー準位にとどまり、伝導に寄与しなくなる「キャリアの凍結(フリーズアウト)」と関連づけている。実用的なパワー半導体では幅広い温度条件での安定動作が求められるため、低温から高温までの電気特性をさらに詳しく調べる必要がある。

Debdeep Jena教授がコーネル大学の発表で述べているように、今回の素子を実用的な性能に引き上げるには、さらなる研究開発が不可欠である。同大学は将来の用途として、航空宇宙分野や地上輸送機器の推進システム、データセンター向けの超高電圧電源、通信用の量子カスケードレーザー、真空紫外光デバイスなどを挙げている。しかし、これらは新材料の物理的な特性を踏まえた将来の応用構想であり、現時点で実用化が達成されたわけではない。

今後、この材料が次世代パワー半導体の有力候補となるかを判断するには、主に3つの進展を確認する必要がある。第一に、サファイア基板との格子不整合を緩和し、貫通転位やミスフィット転位の密度をどこまで低減できるかという点だ。第二に、電極とのオーミック接触を改善して接触抵抗を下げるとともに、現在は数 \(\mathrm{cm^2/(V\cdot s)}\) にとどまる電子移動度をどこまで向上させられるかが問われる。第三に、大面積ウェハー上で均一な薄膜を形成し、実用的な素子サイズで絶縁破壊電圧、電力密度、高速スイッチング性能、熱特性、長期信頼性を検証できるかが重要になる。さらに、第三者による再現実験を通じて、今回報告された材料特性や素子動作の再現性を確認することも欠かせない。

7電子ボルトを超えるバンドギャップを持つ半導体で、トランジスタの動作が実証されたことは、固体物理学と材料工学における重要な進展である。従来は電流を流すことさえ難しかった材料を、能動的な電子デバイスとして利用できる可能性が示された。ただし、その潜在力を実際の電力インフラで生かせるかどうかは、結晶欠陥の低減、電極構造の改善、製造プロセスの確立、そして実用条件での性能検証にかかっている。今回の成果は商用パワー半導体の完成ではなく、これまで利用が難しかった新たな材料領域で、本格的なデバイス開発を進めるための出発点といえる。