Donald Trump米大統領は2026年8月13日、無人航空機システム(UAS)と部品の輸入に最大100%の追加関税を課す布告に署名した。9月3日から、熱画像装置を備える機体や最大離陸重量25kg超の機体などは100%、それ以外の25kg以下の機体は25%となる。米連邦通信委員会(FCC)は外国製の新型機を認証段階で締め出してきたが、今回の措置は輸入を続けられる認証済みモデルにもコストを課す。米国市場に残れる製品と、採算を維持できる製品の境目が別々に引かれた。

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100%と25%を分ける「25kg」と熱画像

100%の対象は機体と周辺機器に分かれる。機体では最大離陸重量が25kgを超えるUASに加え、重量を問わず熱画像装置を組み込んだUASが対象だ。周辺ではUASのドッキングステーションと、別紙Iが指定する重要部品に課す。ドッキングステーションに使う一部の電力変換装置や電気制御・配電装置も含まれる。いずれも9月3日午前0時1分(米東部時間)以降に輸入申告する品物へ適用される。

25kg以下で熱画像装置を持たないUASには原則25%を課す。別紙IIは、250g以下、250g超7kg以下、7kg超25kg以下の三つの重量帯を並べ、遠隔操縦専用かどうかを問わず対象にした。したがって、一般消費者向けの小型機も25%区分に入る。250g未満の機体が飛行規制上の利点を持っていても、今回の関税区分からは外れない。

関税は既存の関税や税、手数料に上乗せされる。100%とは輸入時の課税価格と同額を追加で納めるという意味であり、店頭価格が自動的に2倍になるという予告ではない。メーカーと輸入業者がどこまで負担し、販売価格へ転嫁するかは布告からは決まらない。

部品関税は用途と発効日で二段階

100%の部品関税は、航空機部品全般を無条件に覆う措置ではない。別紙Iが対象にするのは、最大離陸重量25kg超のUASに使うプロペラやローター、降着装置などである。しかも小売配送用、農業用、米戦争省(Department of War)向け販売用は除外される。有人航空機の部品すべてに100%を課す制度でもない。

一方で、別紙IIIは同じ関税分類に入るその他のUAS用部品を25%の対象とした。25kg以下の機体に使う部品や、100%区分から除かれた用途の部品も、別紙IIIの条件に当たれば課税される。100%区分と重なる品物には100%だけを適用するため、二つの追加税率が重なるわけではない。

この25%には180日の猶予がある。布告本文は発効を2027年2月9日午前0時1分(米東部時間)と定めており、署名日の8月13日から180日後とも一致する。ただし、税率表を実装する別紙IVのB項には「2026年2月9日」と記されている。署名より約6カ月前になるため、輸入実務では政府による訂正か税関向け実施文書を待つ必要がある。

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15%・10%の友好国枠と米国生産免税

上限15%の枠は日本、韓国、台湾の製品に適用される。EU、スイス、リヒテンシュタインも同じ扱いだ。英国製品の上限は10%である。ただし原産国だけで決まる優遇ではない。重要部品と技術の実質すべてが米国または列挙国に由来すると輸入者が証明し、商務省が今後設ける手続きで認められなければならない。

米国内に新工場を建てる企業には、さらに低い税率が用意された。商務省がオンショアリング計画を承認すると、工場の建設中、完成後に見込む年産量に見合う範囲で対象製品と必要な生産設備を232条関税なしで輸入できる。計画には、2029年1月20日より前に米国内で施設を新設、改修または拡張する約束が必要だ。約束を大幅に果たせなければ優遇を取り消し、意図的な虚偽があれば遡って関税を徴収できる。

既に政府の安全審査を通った企業にも猶予を設ける。2026年9月2日時点でBlue UAS Cleared List、Blue UAS Framework、FCCのConditional Approval Listに載る企業の対象製品と部品は、9月3日ではなく署名から180日後に発効する。認証リストへの掲載が、市場参入資格に加えて関税の時期まで左右することになった。

FCC認証停止の次に来た価格障壁

FCCは2025年12月22日、外国で生産したUASと重要部品をCovered Listに追加した。リスト入りした新型機はFCC機器認証を取得できず、米国で新たに輸入・販売できない。一方、既に認証を得た機種の輸入、販売、利用は継続できる。今回の232条関税は、その残された流通経路に作用する。

FCCが認めた例外のうち、Blue UASと個別承認は関税の猶予にもつながる。FCCはBlue UAS掲載品、Buy American基準を満たす国内最終製品、個別のConditional Approvalを得た製品をCovered Listから外してきた。2026年6月には、最大離陸重量150g以下でGPSやカメラを持たず、飛行時間10分以下などの全条件を満たす玩具ドローンも除外した。しかし、FCC上の例外が今回の関税免除を自動的に保証するわけではない。布告は、リスト掲載品には180日の猶予を与えるにとどめている。

米政府は、外国製UASを認証で止め、残る輸入には関税を課し、米国工場への投資を選ぶ企業には免税枠を渡す制度を組み上げた。ただし、布告は輸入依存度や国内供給不足を数値で示していない。9月3日の発効までに確定させるべき項目は、9月2日時点の承認リストと商務省の原産地認定手続きである。180日猶予の対象企業には、別紙IVの日付修正も初回申告を左右する。