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Apple Intelligence、ついに日本語に対応!新機能とプライバシー保護を徹底解説

Y Kobayashi

2025年4月1日

AppleはiOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4のリリースに伴い、パーソナルインテリジェンスシステム「Apple Intelligence」の日本語対応を発表した。これにより、文章作成支援、画像生成、Siriの強化など多岐にわたる新機能が日本国内でも利用可能となる。本記事では、その詳細な機能と、Appleが重視するプライバシー保護への取り組みについて詳しく解説する。

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日本語対応と提供範囲の拡大

Apple Intelligenceは、これまで英語(米国)などに限定されていたが、今回のアップデートにより、新たに8つの言語に対応した。日本語のほか、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、韓国語、中国語(簡体字)が追加され、さらに英語(シンガポール)、英語(インド)もサポート対象となった。これにより、世界中のより多くのユーザーが、自身の母国語でApple Intelligenceの恩恵を受けられるようになる。

この機能は、対応する最新OS(iOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4)を搭載したデバイスで利用可能となっている。

文章作成を強力に支援する「作文ツール」

Apple Intelligenceの中核機能の一つが、システム全体に統合された「作文ツール」だ。メール、メッセージ、メモ、PagesといったApple純正アプリはもちろん、他社製アプリを含む、ほとんどの文章入力シーンで利用できる。

  • 書き直し: 作成した文章を、読者や目的に合わせて「プロフェッショナル」「簡潔」「フレンドリー」といった異なるニュアンスの表現に書き換える提案を行う。
  • 校正: 文法、言葉の選択、文構造をチェックし、修正候補とその理由を提示する。ユーザーは内容を確認し、ワンタップで適用できる。
  • 要約: 選択したテキストを、段落、箇条書き、表、リスト形式などで簡潔に要約する。長い文章の内容を素早く把握するのに役立つ。
  • スマートリプライ: 受け取ったメッセージに対し、文脈に合った返信候補を提示する。
  • 変更を説明: 「履歴書によりダイナミックな動詞を追加」「招待状を詩の形式に」といった具体的な指示を与えることで、より柔軟かつ創造的な文章作成が可能になる。

特筆すべきは、これらの機能が多言語に対応している点だ。ユーザーが複数の言語でコミュニケーションする場合でも、作文ツールは現在書いている言語に合わせて機能する。

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写真・動画体験が変わる新機能

写真アプリもApple Intelligenceによって大幅に機能強化された。

  • 自然言語検索: 「赤いドレスを着て踊っているマヤ」のように、日常会話に近い言葉で写真や動画を検索できるようになった。
  • ビデオ検索: 動画内の特定のシーンや出来事を言葉で検索し、該当箇所へ瞬時にアクセスできる。
  • クリーンアップツール: 写真に写り込んだ不要な人物やオブジェクトを、自然な仕上がりで消去できる。これにより、撮影者が意図した構図をより忠実に再現することが可能となる。
  • メモリー機能の強化: ユーザーが「こんな雰囲気のムービーが見たい」といった説明を入力するだけで、Apple Intelligenceが関連する写真や動画を自動で選択・編集し、テーマに基づいたストーリー性のあるショートムービーを作成する。

創造性を刺激する「Image Playground」と「ジェン文字」

Apple Intelligenceは、画像生成機能も提供する。

  • Image Playground: 「テーマ」「コスチューム」「アクセサリ」「場所」などのコンセプトを選択したり、自由なテキストで指示したりすることで、オリジナルの画像を簡単に作成できる。「アニメーション」「イラスト」「スケッチ」という3つの特徴的なスタイルが用意されている。写真ライブラリの人物に似せた画像を生成することも可能だ。作成した画像はメッセージアプリ内で直接利用できるほか、フリーボード、Keynoteなどのアプリにも統合されている。専用アプリとしても提供される。
  • ジェン文字 (Genmoji): 従来の絵文字を進化させ、ユーザーが入力した説明に基づいてオリジナルの絵文字風画像を生成する機能。写真ライブラリの人物からインスピレーションを得たジェン文字を作成したり、帽子やサングラスなどのアクセサリを追加してカスタマイズしたりすることもできる。メッセージの文中やTapback(メッセージへのリアクション機能)でステッカーのように使用可能だ。

メモが進化する「画像マジックワンド」

メモアプリでは、「画像マジックワンド」という新ツールが登場した。ツールパレットからアクセスでき、手書きまたはタイプ入力されたメモの文脈に合わせて、関連性の高い画像をその場ですばやく生成する。ラフなスケッチを円で囲むだけで洗練された画像に変換したり、メモ内の空白部分に円を描いて周囲のテキストから画像を生成したりすることもできる。生成される画像のスタイルはImage Playgroundと同様に「アニメーション」「イラスト」「スケッチ」から選択可能だ。

賢く情報を整理・優先順位付け

日々の情報過多に対応するため、Apple Intelligenceは情報の整理と優先順位付けを支援する機能も搭載している。

  • 優先メッセージ: メールアプリの受信ボックス上部に新設されるセクションで、ランチの招待や搭乗券など、緊急性の高いと判断されたメールを自動で表示する。
  • メール要約: 受信ボックスでメールを開かずに内容の要約を確認できる。長いスレッドの場合は、タップ一つで関連する詳細のみを表示させることも可能だ。
  • スマートリプライ(メール): メールへの返信候補を提案するほか、メール内の質問を特定し、回答漏れがないように促す。
  • 通知の要約: ロック画面に、溜まった通知や頻繁なグループチャットの要点をまとめて表示する。
  • 優先通知: 特に重要度の高い通知を目立つように表示する。
  • 集中モード「さまたげ低減」: 緊急性の高い通知のみを許可し、集中を維持しやすくする新しい集中モード。
  • 音声の録音・文字起こし・要約: メモアプリと電話アプリで、音声を録音し、自動で文字起こしを行い、さらにその内容を要約する機能が追加された。電話アプリでの録音中は、プライバシー保護のため参加者全員に録音中であることが自動で通知される。

より賢く、自然になった「Siri」

Apple Intelligenceの基盤技術により、Siriも大幅な進化を遂げた。より自然な会話が可能になり、文脈の理解力も向上した。ユーザーが言い間違えたり、途中で言葉に詰まったりしても、会話の流れを維持しやすくなっている。

iPhone、iPad、CarPlayでは、Siri起動時に画面の縁が光る新しいデザインを採用。Macでは、デスクトップ上の好きな場所にSiriウィンドウを配置できるようになった。

また、Siriへの指示は音声だけでなく、タイプ入力でも行えるようになり、状況に応じて音声とテキスト入力をシームレスに切り替えられる。

現実世界を理解する「ビジュアルインテリジェンス」

カメラを通して現実世界の情報を認識し、活用する「ビジュアルインテリジェンス」機能も搭載された。カメラで捉えた対象物に関する情報を得たり、操作したりできる。

  • テキスト認識・操作: 画像内のテキストを認識し、要約、コピー、翻訳、電話番号やメールアドレスの検出と連絡先への追加などが行える。
  • アクセス方法: iPhone 16およびiPhone 16 Proではカメラコントロールの長押し、iPhone 15 ProおよびiPhone 16eではコントロールセンター、ロック画面のコントロール、またはアクションボタンのカスタマイズでアクセス可能(脚注1参照)。
  • 外部サービス連携: 認識した商品についてGoogleで検索したり、複雑な図についてChatGPTに説明を求めたりすることも可能。これらの外部サービス利用はユーザーが任意で選択でき、共有される情報も管理できる。

ChatGPTとのシームレスな連携

AppleはOpenAIとの提携により、ChatGPTの機能をOSレベルで統合した。これにより、ユーザーはSiriや作文ツールを通じて、アプリを切り替えることなくChatGPTの機能を利用できる。

  • Siriでの利用: 特定の質問に対し、Siriが直接回答できない場合に、ChatGPTに問い合わせることを提案し、許可を得て回答を表示する。
  • 作文ツールでの利用: 文章作成中に、ChatGPTにコンテンツ生成を依頼したり、内容に合わせた画像を生成させたりすることができる。

ChatGPT連携機能は、ユーザーが明示的に有効にする必要があり、いつ、どの情報を共有するかはユーザー自身が完全にコントロールできる(脚注2参照)。ChatGPTアカウントを持っていないユーザーでも利用でき、その場合、OpenAIはリクエストを保存せず、モデルのトレーニングにも使用しない。また、ユーザーのIPアドレスは匿名化される。既存のChatGPTアカウントを連携させる場合は、OpenAIのデータ利用ポリシーが適用される。

AIプライバシーの新基準

Apple Intelligenceは、設計のあらゆる段階でユーザープライバシー保護を最優先している。

  • デバイス上処理: Apple Intelligenceを動作させる生成モデルの多くは、ユーザーのデバイス上で直接実行される。これにより、個人データがデバイス外に出るリスクを最小限に抑える。
  • プライベートクラウドコンピューティング: より高度な処理能力が必要なリクエストに対しては、「プライベートクラウドコンピューティング」と呼ばれる仕組みを利用する。これは、Appleシリコンを搭載した専用サーバー上で処理を行うもので、ユーザーデータがAppleによって保持されたり、外部に漏洩したりしないように設計されている。
  • 独立した検証: Appleは、このプライバシー保護の仕組みが確実に機能していることを示すため、独立した専門家がプライベートクラウドコンピューティングのサーバー上で実行されるコードを検証できる仕組みを、業界で初めて導入した。

Appleは、デバイス上処理とプライベートクラウドコンピューティングの組み合わせにより、AIにおけるプライバシー保護の新たな基準を打ち立て、ユーザーが安心して利用できるインテリジェンスを提供することを目指している。

Meta Desctiption

Apple IntelligenceがiOS 18.4等で日本語対応。作文ツール、画像生成、Siri強化、ChatGPT連携など新機能を多数搭載。デバイス上処理とクラウド技術でプライバシー保護も重視。詳細を解説。

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