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iOS 18.4正式リリース:Apple Intelligence大幅拡張、優先通知機能など多彩な新機能を搭載

Y Kobayashi

2025年4月1日

Appleは4月1日、iOS 18.4を一般ユーザー向けに正式公開した。Apple Intelligence対応言語の大幅拡張や優先通知機能、Vision Pro専用アプリなど多数の新機能を搭載している。同時にiPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4、visionOS 2.4、tvOS 18.4も提供開始された。

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iOS 18.4および関連OSの正式リリース

長らくベータテストが続けられていたiOS 18.4が、ついに一般ユーザー向けに公開された。同時にiPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4、visionOS 2.4、tvOS 18.4もリリースされ、Appleのエコシステム全体でのアップデートとなる。

アップデートは、iPhoneの設定アプリから「一般」>「ソフトウェアアップデート」を選択することで手動で適用可能である。自動アップデートを設定していないユーザーは、この手順で最新版を入手できる。なお、今回のビルド番号は「22E240」であり、これは最終リリース候補版(RC2)と同じものであることが確認されている。

Apple Intelligenceの機能拡張と対応拡大

iOS 18.4における最も注目すべき点の一つが、Apple Intelligenceの進化と対応範囲の拡大だ。

主な新機能

  1. 優先通知 (Priority Notifications): Apple Intelligenceが通知内容を解析し、即時対応が必要な可能性のある重要な通知を自動的に選別、通知スタックの最上部に表示する。これにより、ユーザーは重要な情報を見逃しにくくなる。ベータテスト期間中の改良により、ユーザーは優先表示するアプリ通知をカスタマイズできるようになっている。
  2. Image Playgroundの新スタイル「スケッチ」: 画像生成機能であるImage Playgroundに、新たに「スケッチ」スタイルが追加された。これにより、ユーザーは手書き風の魅力的な画像を生成できるようになった。
  3. 対応言語の追加: これまでの米国英語に加え、新たに8言語(日本語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語(ブラジル)、簡体字中国語、スペイン語)および2つの英語ロケール(インド、シンガポール)に対応した。これにより、より多くのユーザーがApple Intelligenceの恩恵を受けられるようになる。これまで対応していなかったEU圏のユーザーもiPhoneおよびiPadでApple Intelligenceが利用可能になる。

対応デバイス

これらのApple Intelligence機能は、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、およびiPhone 16の全モデルで利用可能だ。また、これまではiPhone 16シリーズのみだったビジュアルインテリジェンス機能が、iPhone 15 Pro/Pro Maxでも利用可能となり、アクションボタンに機能を割り当てられるようにもなっている。

その他のAI関連機能

  • App Storeのレビュー要約: AIがユーザーレビューを要約し、他のユーザーからの有用な洞察を一目で把握できるようにする。
  • コントロールセンター: Siriへのテキスト入力、音声入力、ビジュアルインテリジェンスなどの機能にアクセスするための専用セクションが追加された。

ただし、Apple Intelligenceの(大幅な)機能強化は遅延しており、期待されていたSiriの抜本的なアップデートは将来のリリースに持ち越されている。

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Apple Vision Pro連携アプリの登場

Apple Vision Proユーザー向けに、新しいiOSアプリ「Apple Vision Pro」が自動的にインストールされる。このアプリは、デバイスのセットアップ手順の案内、シリアル番号などの基本情報へのアクセス、新しいコンテンツや空間体験の発見を支援する。

さらに、このアプリはゲストモードの有効化を容易にし、他の人がVision Proを試す際のセットアッププロセスを大幅に短縮する。「Discover」セクションでは、Vision Pro向けのアプリ、没入型ビデオ、ゲームが紹介され、「空間ギャラリー」アプリでは空間写真や空間ビデオを一元的に表示できる。

各標準アプリの機能強化

iOS 18.4では、多くの標準アプリにも改良が加えられている。

Apple News+ (日本では未提供)

  • レシピ機能: 世界有数のレシピ出版社提供のレシピが利用可能になった。
  • レシピカタログ: レシピの閲覧・検索、お気に入り保存が可能。
  • クッキングモード: ステップバイステップの調理手順を分かりやすく表示。
  • フードセクション: レストラン情報、キッチンのヒント、健康的な食事に関する記事なども提供。

写真アプリ

  • ライブラリ表示で、アルバムに含まれない項目やMac/PCから同期された項目をフィルタリング(表示/非表示)する機能を追加。
  • 「メディアタイプ」および「ユーティリティ」コレクション内の項目を並べ替え可能に。
  • すべてのコレクションで一貫したフィルタリングオプションを提供(最新/最古順ソートなど)。
  • アルバムを「変更日」で並べ替えるオプションを追加。
  • 設定で「最近表示した項目」「最近共有した項目」コレクションを無効化可能に。
  • Face IDが有効な場合、非表示の写真はMac/PCへの読み込み対象外に。

CarPlay

  • アイコン表示: 大画面を持つ車両では、ホーム画面に表示されるアプリアイコンが従来の2列から3列に増加。
  • スポーツアプリ連携: 新しいAPIにより、スポーツアプリが再生中インターフェースに試合スコアなどを表示可能に。
  • NACS対応: EVルーティング機能において、北米充電規格(NACS)ステーションをサポートし、対応充電器の検索が容易になった(Apple Insider)。
  • デフォルトナビゲーションアプリ設定 (EU圏): 欧州連合のユーザーは、iPhoneおよびCarPlayで使用するデフォルトのナビゲーションアプリを設定可能になった。

Safari

  • 新しいタブを開く際に、最近の検索候補を表示し、以前の検索トピックに素早く戻れるようになった。プライバシー保護のため、この候補表示を無効にするオプションも用意されている。
  • App Storeリンクのプレビューがアプリ全体を表示するように変更された。

App Store

  • ユーザーレビューのAI要約機能を追加。
  • アプリのダウンロードやアップデートを、進行状況を失うことなく一時停止・再開できる機能を追加。

その他の改善点とバグ修正

  • セットアップアシスタント: 保護者が子供用アカウントを作成する手順を合理化。
  • スクリーンタイム: 子供がアプリをアンインストールして再インストールしても、使用時間制限が維持されるように。
  • Podcast: 新しいウィジェット(フォロー中の番組、ライブラリへのクイックアクセス)を追加。
  • アンビエントミュージック: コントロールセンターから厳選されたプレイリストを即座に再生可能に。
  • Apple Fitness+: コレクションをライブラリに追加可能に。
  • ホームアプリ: Matter対応のロボット掃除機を制御可能に。シーンやオートメーションへの追加も可能。また、Matter対応の煙探知器もサポート。
  • システム言語: バングラ語、グジャラート語、カンナダ語、マラヤーラム語、マラーティー語、オリヤー語、パンジャブ語、タミール語、テルグ語、ウルドゥー語の10言語を新たに追加サポート。
  • 探す: 韓国で初めて利用可能になった。
  • その他: Walletアプリの表記変更(サブスクリプションと支払い -> 事前承認支払い)、Walletでの貯蓄口座表示時のFace ID認証、コントロールセンターの音量・明るさトグル変更、集中モードコントロールの矢印追加、セルラーバーの強度表示改善などが含まれる。
  • バグ修正: Appleのリリースノートによれば、通知のちらつき、英語以外の言語でのSiri提案の失敗、StoreKit関連のエラー、Wi-Fi通話の問題(米国)、作文ツール関連の不具合などが修正されている。

7つの新しい絵文字

Appleの公式リリースノートには記載されていないものの、9to5MacとApple Insiderによれば、iOS 18.4には以下の7つの新しい絵文字が追加されている。

  • 目の下にクマがある顔
  • 指紋
  • 葉のない木
  • 根菜
  • ハープ
  • シャベル
  • 飛び散り

macOS、visionOS、tvOSのアップデート概要

iOS 18.4と同時にリリースされた他のOSの主なアップデート内容は以下の通り。

  • macOS Sequoia 15.4: メールアプリに取引、アップデート、プロモーションなどのカテゴリ分類機能を追加。Apple News+のレシピ機能、Image Playgroundのスケッチスタイルも利用可能に。
  • visionOS 2.4: Apple Intelligence機能(文章作成ツール、スマートリプライ、Image Playground、ジェン文字、Image Wand、写真検索、メモリームービー作成、優先メッセージ、優先通知)をVision Proに初めて搭載。ゲストユーザー機能の改善(iPhone/iPadからの開始、ビューミラーリング)、空間ギャラリーアプリの追加など。
  • tvOS 18.4: 大きな機能強化はなく比較的小規模なアップデートのようだ。

今回のiOS 18.4および関連OSのアップデートは、Apple Intelligenceの本格展開に向けた重要な一歩であり、既存機能の改善や新機能の追加により、多くのユーザーにとって利便性の向上が期待される。特にこれまで本格的にApple Intelligenceが利用出来なかった日本のユーザーにとっては大きな進化と言えるだろう。利用可能になったApple Intelligenceの機能については、以下の記事も参照頂きたい。


Sources

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