AnthropicのAIサービス「Claude」で公開リンクを作った共有チャットとArtifactsが、Googleの検索結果からまとめて見つかる状態になっていた。7月25日にReddit利用者が発見し、27日にはFuturismが医療情報や社内資料を含むページを確認した。検索結果はその後に消えたものの、既知の共有URLは引き続き開けた。今回の問題は、非公開チャットへの侵入ではない。利用者が自ら公開したURLを、どこまで発見しにくく保つべきかという共有機能の設計にある。

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検索結果に並んだのはどのチャットか

発端は、Googleでsite:claude.ai/shareと検索すると、Claudeの共有ページが多数並ぶというRedditへの投稿だった。件数は確定していない。TechCrunchは7月27日午後、同じ検索を試して結果が返らなくなったと報じた。Fortuneも検索結果からの消失を確認した一方、すでにURLを知っている人は共有ページへアクセスできたとしている。

対象になったのは、利用者がClaudeの共有操作で公開URLを作ったチャットである。Anthropicの公式ヘルプによると、通常のチャットはデフォルトで非公開だ。共有を実行すると、その時点までのメッセージとArtifactsを含むスナップショットができ、URLを知る人は認証なしで閲覧できる。共有後に続けた会話は自動では加わらない。いったん共有を解除し、改めて共有すると新しいメッセージを含むスナップショットに更新される。

したがって、Claudeの全チャットが検索エンジンへ渡ったわけではない。公開リンクからアカウント全体や別の会話へ入れるようになった事実も確認されていない。だが、利用者が特定の相手へ送るつもりで作ったURLが検索欄から探せるようになると、閲覧者の範囲は一変する。今回インデックスされた総数と、各URLを検索エンジンがどこで見つけたかは公表されていない。

「リンクを知る人」から、検索可能なページへ

共有ページには、二つの公開状態が重なっている。一つは、認証なしでURLを開ける「アクセス可能性」だ。もう一つは、検索エンジンがURLを発見し、検索結果へ載せる「発見可能性」である。長くランダムなURLは総当たりを難しくするが、受信者がSNSやフォーラムへ貼ったり、公開リポジトリやウェブのログへ残したりすれば、検索クローラーは外部リンクからたどれる。

AnthropicはTechCrunchなどに対し、共有チャットのディレクトリやサイトマップをGoogleへ提供しておらず、共有URLは利用者が外部へ出さない限り推測も発見もできないと説明した。Googleは、対象ページが複数の検索エンジンでインデックスされ、サイト運営者にはクロールと検索登録を制御する手段があると回答している。両社の説明は両立する。検索エンジンはURL一覧を受け取らなくても、公開されたリンクを起点にページを見つけられるからだ。

Googleの公式文書は、検索結果へ出したくないページには認証またはnoindexを使うよう求めている。robots.txtでクロールを拒否しても、外部ページからURLを発見したGoogleが、限られた情報だけで検索結果へ載せる場合がある。機密情報ならパスワードなどのアクセス制御が必要で、noindexはURLを知る人の閲覧を止めない。

7月28日時点で、Claudeのrobots.txt/share/*のクロールを拒否している。共有ページのHTTPレスポンスもX-Robots-Tag: noneを返す。Googleの仕様では、nonenoindex, nofollowと同じ意味だ。ただし、このヘッダーがいつ加わったか、検索結果の削除にどの手段が使われたかは明らかでない。Googleは、ページ側のnoindexを読み取るにはクローラーがページへアクセスできなければならないとも説明しており、現在の二重設定が各検索エンジンでどう処理されるかは継続して確認する必要がある。

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600件弱を数えた2025年と同じ説明

Claudeの共有チャットが検索結果へ出たのは初めてではない。Forbesは2025年9月8日、Googleが600件弱の会話をインデックスしたと推定していると報じた。当時もAnthropicは、利用者がオンラインやSNSへリンクを投稿したためにGoogleやBingから見えるようになったと説明し、共有ページのディレクトリやサイトマップは渡していないと述べた。

しかし、Forbesが2025年に特定した利用者のうち1人は、検索結果に出た仕事関連のチャットをオンラインへ投稿していないと答えた。今回もAnthropicは、共有URLは利用者が自ら共有しない限り発見できないという説明を繰り返している。これはAnthropicがURLを検索エンジンへ直接渡した証拠にはならない。反対に、利用者の公開投稿だけで全URLの発見経路を説明できたことも示していない。

前回のGoogle推定は600件弱だが、今回は総数が分からないため規模の増減は比較できない。それでも、同種の露出とほぼ同じ企業説明が2025年9月から2026年7月にかけて再び現れた。検索結果からページを消す応急措置と、共有操作の意味を利用者へ伝える設計は別に検証しなければならない。

Artifactsとチャットで異なる警告

FuturismはGoogle検索から共有ページを開き、実在患者のものとみられる詳細な医療報告、患者名を含む臨床試験結果、小学生年代の子どもの氏名と電話番号を載せた文書を確認した。ほかにも、社内限定と記された企業文書や、従業員の個人情報を含む評価資料があったという。同媒体は当事者のプライバシーを守るため、該当URLを掲載していない。

チャットとArtifactsでは、公開時の警告にも差があった。Futurismによると、チャットの共有画面は「公開リンク」を作り、「リンクを知る人は誰でも閲覧できる」と案内するが、検索エンジンへ登録される可能性までは明示しなかった。一方、Artifactの公開画面は、インターネット上の誰でもアクセスでき、検索結果に表示される可能性があると警告していた。同じClaude内でも、利用者が想定する公開範囲は機能ごとにずれ得る。

公式ヘルプを読むと、共有されるデータの境界はさらに細かい。チャットに添付したファイル本体はスナップショットへ入らず、MCP連携で取得した生データも隠される。閲覧者に見えるのは会話とClaudeの応答である。ところが、添付やMCPの内容を会話本文へ貼り付けたり、Claudeが最終回答へ書き出したりすれば、その文字列は共有スナップショットに残り得る。添付ファイル本体を除外しても、会話に展開された情報は残る。

プランによる違いもある。一般公開の共有チャットを管理できるのはFree、Pro、Maxの利用者で、TeamとEnterpriseでは同じ組織のメンバーにしかチャットを共有できない。公開範囲を確かめるには、どの契約とアカウントで共有されたかを見る必要がある。

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検索結果の削除より先に、共有URLを止める

Free、Pro、Maxの利用者は、ClaudeのSettings > Privacy > Shared chatsから共有済みチャットのタイトル、共有日、URLを一覧できる。不要な共有はUnshareで無効にする。Googleの検索結果に何も出ないことは、共有ページが非公開になった証明にはならない。検索除外後も既知URLは開けたため、まずClaude側の共有一覧を確認するのが先である。

機微な情報を含むURLを公開していた場合、解除後も第三者の保存や転載が残る可能性がある。Anthropic自身も、公開された共有ページは第三者サービスにアーカイブされ得ると説明している。共有相手を限定したい文書は、認証や権限管理を備えた保管先へ移し、Claudeの公開リンクを配布経路に使わない方がよい。

サービス側には、検索可能性を共有操作の時点で明示し、公開リンクと検索登録を別々に制御する仕組みが要る。検索から外すなら、各検索エンジンが読める形でnoindexを維持し、過去URLの削除状況も追跡しなければならない。今回の対応が完了したと言えるのは、検索結果が一時的に空になった時ではなく、共有画面の警告、既存URLの扱い、複数検索エンジンでの除外方法が利用者に説明された時である。