2026年8月16日、Redditのr/codexに、Codex Plusの週次上限が実質的に半減した可能性を訴える投稿が現れた。投稿者AppropriateRanger401は、ローカル利用履歴を読むNerfTrackの推定値が前週の約160ドルから当週の約80ドルへ下がったと述べた。数値が正しく同じ条件を比べたものなら、定額プランの週次枠が減った異常を早く捉えたことになる。

ただし、OpenAIは8月21日時点でPlusを含む各プランの週次上限を数値で公開しておらず、この投稿への公式回答も確認できない。約160ドルも約80ドルも請求額ではなく、NerfTrackがAPI料金表で換算した推定値である。利用者の画面から何を判断でき、何を判断できないのかを分ける必要がある。

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160ドルから80ドル、投稿者が訴えた変化

AppropriateRanger401は、前週の推定値を約160ドル、当週を約80ドルと記した。差は約80ドルで、前週比では50%減となる。投稿者は、リセット後の最初の2日で40%減り、その後にさらに10%減ったとも主張している。

コメント欄の体験談はそろわない。20xプランの消費が約半分に見えるという声がある一方、100ドルプランでLunaを2日で使い切ったという報告や、8月9日からは逆に倍に見えるという投稿もある。モデル、使い方、リセット時点がそろわない利用者報告から、Plus、Pro 5x、Pro 20xの全利用者に同じ変更があったとは言えない。

それでも、週次枠の実数を公表しないサービスでは、利用履歴を同じ物差しへ換算する試みには意味がある。問題は、その物差しが「週次上限」をどこまで映しているかだ。

80ドルは請求額ではなくAPI換算の推定値

NerfTrackはCodex creditsを読み取らず、表示も換算もしない。ローカルJSONLに残る未キャッシュ入力、キャッシュ入力、出力トークンをAPI単価で価格付けし、週次の使用率が増えた区間との比率から週全体のAPI換算額を逆算する。算定式は estimated_weekly_api_equivalent_usd = cost_delta_usd / (percent_delta / 100) である。

例えば、API換算コストが0.80ドル増え、週次のused_percentが1ポイント増えた区間なら、推定値は0.80ドルを0.01で割った80ドルになる。これは算定方法を示す例であり、投稿者の生データではない。定額のChatGPTプランで支払った金額や、OpenAI内部で実際に割り当てるコストを表す数値でもない。

モデルの単価差も大きい。OpenAIの現行API料金では、100万テキストトークン当たりの入力、キャッシュ入力、出力の順に、GPT-5.6 Solは5.00ドル0.50ドル30.00ドル、Terraは2.00ドル0.20ドル12.00ドル、Lunaは0.20ドル0.02ドル1.20ドルである。272,000入力トークンを超えるリクエストでは、当該リクエスト全体の入力が2倍、出力が1.5倍になる。キャッシュ書き込みも未キャッシュ入力の1.25倍だ。

NerfTrackの見出し値は、最新7件の有効な累積推定値の中央値である。コストの移動がゼロまたは負、使用率に変化がない、価格が不明、リセット境界をまたぐ場合は、保留または除外する。Fast modeは明示的な設定記録がある場合に限り、GPT-5.4へ2.0倍、GPT-5.5とGPT-5.6、未知の将来モデルへ2.5倍の補正をかける。したがって、使ったモデルや設定が変われば、同じ週次枠でもドル換算値は動き得る。

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週をまたぐ比較と、同じ週内の補正は別物だ

NerfTrackの現行比較コードは、異なる週次epochにある2点を比べる際、両方がmediumまたはhigh confidenceで、finalized済み、heartbeatではなく、percentageCoverageが10以上であることを求める。こうした条件を通った別週の成熟値なら、利用者の構成が近い場合に限り、上限変化の異常検知として使える。

一方で、同じepoch内の値はcalibrationとして比較できない扱いだ。利用履歴が増えるにつれ推定器が収束する動きと、サービス側が週の途中で枠を変えた動きは、この計算だけでは切り分けられない。投稿者が述べた「40%減の後に追加10%」は、OpenAIが段階的に引き下げた証拠にはならない。

投稿画像の元データとモデル構成は確認できていない。confidence、percentageCoverage、epoch、Fast設定も不明であり、約160ドルと約80ドルが比較ゲートを通った成熟点だったかは分からない。推論強度から画像生成まで利用構成が変われば、API換算額の差を週次枠だけの差とみなせなくなる。

公式に見えるのは5時間枠まで

OpenAIの料金ページは、ローカルメッセージとクラウドチャットが5時間枠を共有すると説明する。Plus、Pro 5x、Pro 20xの月額と、モデル別のローカルメッセージ目安は次の通りだ。週次については「追加の週次上限が適用される場合がある」とするだけで、数値は載せていない。

プラン 月額 Sol(5時間) Terra(5時間) Luna(5時間)
Plus 20ドル 10〜100 25〜200 250〜2,000
Pro 5x 100ドルから 50〜500 125〜1,000 1,250〜10,000
Pro 20x 200ドル 200〜2,000 500〜4,000 5,000〜40,000

この表は週次枠の裏付けにはならない。1メッセージが消費する量は、モデルに加え、文脈からキャッシュまでの利用条件で変わるとOpenAI自身が説明しているからだ。プロンプト文字数だけから、残りの週次枠を正確に見積もることもできない。

公開されている5時間枠と、外部から見えない週次枠は別の層にある。だからこそ、約80ドルという推定値をそのまま「Plusの新しい公称上限」と読むことはできない。

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比較を成立させるには記録すべき条件がある

今回の報告を検証するなら、同一モデル、同一速度設定、近いタスク構成で複数週を測る必要がある。各週についてNerfTrackのconfidence、percentageCoverage、epochを示し、比較ゲートを通過したfinalized値どうしを比べなければならない。Fast modeの有無も外せない条件になる。

OpenAIが週次の基準値、変更の有無、あるいは利用量表示の解釈を説明すれば、利用者側の推定と照合できる。公式の週次数値がない間は、同条件の成熟値が繰り返し下がるかを確かめることが、単独の80ドル表示を上限半減と呼べるかどうかを分ける。