
Intel 18Aは“先進的”過ぎるが故に他社が採用を見送った?裏面給電(BSPDN)の技術的勝利が招く「外部顧客採用」のジレンマ
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別名: 裏面電源供給ネットワーク, 裏面給電, BSPDN, Backside Power Delivery Network, BPD, BSP, バックサイド・パワーデリバリー・ネットワーク, 裏面電源供給網, 裏面電源供給, バックサイドパワーデリバリーネットワーク, バックサイド・パワーデリバリー, バックサイド・パワー・デリバリー・ネットワーク
BSPDN(Backside Power Delivery Network、裏面電源供給網)とは、電力供給用の配線をシリコンウェハーの表面ではなく背面に配置する半導体設計・製造技術である。従来はロジック回路と電源配線がウェハーの同一面に混在していたため、微細化が進むほど配線の混雑や電圧降下(IRドロップ)が深刻化していた。BSPDNは電源網を背面に移すことでこの課題を緩和し、表面をロジック配線に専有させることでトランジスタ密度と性能を高める狙いを持つ、先端プロセスにおける主要な技術要素の一つである。
BSPDNは単純な配線変更ではなく、ウェハーの薄化や接合、貫通ビアの形成など製造工程全体に大きな変更を要する技術である。実装が成功すればIRドロップの低減や配線混雑の解消によりロジックセルの高密度化と動作周波数の向上が期待できる一方、製造難易度と歩留まりへの影響が大きく、量産導入のタイミングはファウンドリごとの技術成熟度と事業判断に強く依存する。このため各社は自社ロードマップの中で導入時期を大きく異ならせている。
BSPDNの量産適用で先行したのはIntelである。2026年6月に報じられた内容によると、Intelが自社ノード「18A」にBSPDN(PowerVia)を実装したことは技術的なマイルストーンとされたが、その先進性の高さが外部ファウンドリ顧客の採用判断を躊躇させる要因になっているという指摘がある。先端過ぎる技術ゆえに他社が採用リスクを取りづらいという、技術的成功と商業的普及のジレンマが表面化した形である。
一方でTSMCはより慎重な導入路線を取っている。2026年5月に発表された2nmプロセス「N2」ファミリーの詳細では、同社はこの世代でBSPDNを採用せず、NanoFlexによるセルレベルの最適化によって約15%の性能向上を実現する方針を示した。BSPDNの初導入は次世代の1.6nmプロセス「A16」に持ち越されており、TSMCは段階的にリスクを分散しながら背面給電技術を取り込む戦略を取っていることがうかがえる。さらに2026年6月には、次世代の1.4nmプロセス「A14」の生産拠点となる台中市のFab 25の建設計画を前倒しするとも報じられており、TSMCが先端ノード全体の開発サイクルを加速させる中でBSPDNの本格採用時期にも関心が集まっている。
このほか、2026年4月に報じられたRapidusの2nmプロセス「2HP」に関する情報や、2026年6月に報じられたSamsungの次世代プロセスロードマップなど、各ファウンドリが2nm世代以降の技術方針を相次いで打ち出しており、BSPDNの採用有無や導入時期はそれぞれの技術戦略を特徴づける指標の一つとなっている。IntelとTSMCという二大プレイヤーの対照的な選択は、BSPDNが先端半導体製造における技術的成熟度と商業的採用の間の緊張関係を象徴する事例として業界内で注目され続けている。

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