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NotebookLM、次は「まとめ動画生成」機能搭載? Veo 2搭載の”Video Overviews”登場との噂

Y Kobayashi

2025年5月11日

GoogleのAI搭載リサーチツール「NotebookLM」が、テキストや音声による情報整理に加え、動画生成という新たな領域に踏み出す可能性が浮上している。既存の「音声概要」機能がユーザーから高い評価を得ている中、Googleの最新動画生成AI「Veo 2」を活用した「Video Overviews(動画概要)」機能の開発が進められている可能性が報じられたのだ。

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音声概要の衝撃再び?次なる一手への期待

昨年デビューしたNotebookLMは、特にその「音声概要(Audio Overviews)」機能によって多くのユーザーを魅了してきた。 この機能は、アップロードした資料に基づいて、まるで人間が対話しているかのような自然なポッドキャスト風の音声概要を生成するもので、その質の高さは「AIが生成したとはにわかに信じがたい」と評されるほどだ。 この成功体験が、次なる進化への期待感を高めているのは間違いない。

TestingCatalogによれば、GoogleはNotebookLMに「Video Overviews」という新機能を搭載する可能性があるとの事だ。同サイトによれば、 NotebookLMのインターフェース内に「Video Overview」というボタンが出現したことが、その根拠となっている。 もし実現すれば、ユーザーは自身のノートや資料を基に、AIが生成した動画で内容を把握できるようになるかもしれない。

動画生成の心臓部「Veo 2」とVideo Overviewsの考えられる姿

このVideo Overviews機能の動力源として有力視されているのが、Googleの先進的な動画生成AIモデル「Veo 2」だ。 Veo 2は、ユーザーの指示に基づいて短時間のビデオクリップを生成する能力を持ち、特に実世界の物理法則や人間の動き、表情に対する理解が深いとされている。 これにより、不自然さの少ない、リアリティのある動画生成が期待される。

しかし、Veo 2が現在生成できる動画は数秒から、長くても数分程度と報じられている。 一方で、現在運用されている音声概要機能は時に1時間にも及ぶ音声コンテンツを生成可能だ。 このギャップをどのように埋めるのかが、Video Overviewsの具体的な姿を占う上での焦点となるだろう。

考えられる内容としては、短い動画クリップや静止画を織り交ぜ、そこに長いナレーションを組み合わせた形になるのではないかと考えられる。実際、既存の音声概要が二人の合成音声ホストによるスクリプト化された対話形式であることから、Video Overviewsもテンプレート化された、テーマに基づいた視覚化になる可能性があるだろう。YouTubeでよくあるナレーションと静止画を組み合わせた「まとめ動画」のような形をイメージしてもらえば分かりやすいかもしれない。主要なポイントを視覚的なメタファーで表現したり、定型化されたアニメーションで解説したりするスタイルが考えられそうだ。高度にカスタマイズされたクリエイティブな映像というよりは、情報を効率的に伝えるための「インフォグラフィックス」を組み合わせたような形が有力だろう。

また、TestingCatalogが共有した画像によれば、NotebookLMの「Studio」パネルのUIにも変化が見られるようだ。新しいStudioパネルには「Audio Overview」「Video Overview」「Mind Map」「Reports」という4つのオプションが表示されているという。 現在の「Notes」セクションにある「Study guide」「Briefing doc」「FAQ」「Timeline」といった機能が、「Reports」に統合される可能性も示唆されており、ユーザーインターフェース全体の整理も進んでいるようだ。

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「Editor’s Picks」が拓く、知識共有プラットフォームへの道

Video Overviewsの開発と並行して、もう一つ注目すべき変化の兆候が「Editor’s Picks」という新セクションの登場だ。 NotebookLMのホームページにこのセクションが設けられるということは、Googleがユーザー間でノートブックリソースを公開・共有し、特に有用なものをハイライトする仕組みを検討している可能性を示唆している。

これが実現すれば、NotebookLMは単なる個人のリサーチアシスタントから、コミュニティ主導の知識共有プラットフォームへとその役割を拡大することになる。 優れたノートブックや分析が「編集者のおすすめ」として紹介されることで、他のユーザーの学習や発見を促進する効果が期待できる。これは、Googleが持つ他のプラットフォーム、例えばYouTubeにおけるクリエイターコンテンツの推薦や、Google Playストアでのアプリの特集などと共通する思想が感じられる。

Google I/Oでの発表は?高まる期待と今後の展望

これらの新機能がいつ正式に発表されるのかだが、Googleの開発者向けカンファレンス「Google I/O」が間近に迫っているタイミングでのリークであることから、Google I/Oでの発表が有力視されている。 実際、音声概要も昨年のGoogle I/Oで発表された経緯があり、今年もNotebookLMに関する「エキサイティングな計画」が予告されていることから、Video OverviewsやEditor’s Picksといった新機能が目玉の一つとして披露される可能性は十分に考えられる。

さらに、TestingCatalogによれば、NotebookLMのiOSおよびAndroid向けモバイルアプリが5月20日にリリース予定であるという。 アプリストアのプレビューでは、音声概要の利用やノートブックの共有機能が示唆されており、今回の新機能の噂と合わせて考えると、GoogleがマルチモーダルなAI体験を、デバイスを問わずシームレスに提供しようとしている戦略が見て取れる。

この新たなVideo Overviews機能は、単に情報を視覚化するだけでなく、複雑な概念の理解を助けたり、学習意欲を刺激したりするような、教育的な側面での活用に大きな可能性を感じさせられるものだ。Veo 2の能力が向上し、より長い、あるいはよりインタラクティブな動画生成が可能になれば、その価値は計り知れないだろう。

もちろん、現時点ではまだ開発段階であり、実際の機能や使い勝手は未知数だ。 特に、AIによる動画生成の品質、生成にかかる時間、そして何よりも「ユーザーにとって本当に役立つのか」という点が重要になるだろう。

しかし、音声概要で示したGoogleの実力を鑑みれば、NotebookLMが次に投じる一手には、大いに期待して良いのではないだろうか。テキスト、音声、そして動画へと表現の幅を広げるNotebookLMが、私たちの情報との向き合い方をどのように変えていくのか、実際の登場が楽しみだ。


Sources

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