NVIDIAがGeForce RTX 5060シリーズを正式発表した。このラインナップには、RTX 5060 Ti(16GBと8GBの2モデル)とRTX 5060(8GB)の計3つのモデルが含まれている。RTX 5060 Tiは4月16日に発売され、価格は69,800円(8GBモデル)からとなる。一方、RTX 5060は5月に55,800円から販売開始予定だ。
RTX 5060シリーズの仕様と特徴
RTX 5060シリーズは全てNVIDIAの最新Blackwellアーキテクチャを採用し、GB206ダイをベースにしている。これらのGPUは前世代と比較して、より多くのCUDAコアと高速なGDDR7メモリを搭載しており、特に注目すべきはメモリ帯域幅の大幅な向上だ。
各モデルの詳細仕様
RTX 5060 Ti 16GB | RTX 5060 Ti 8GB | RTX 5060 | RTX 4060 Ti | RTX 4060 | |
---|---|---|---|---|---|
CUDAコア数 | 4,608 | 4,608 | 3,840 | 4,352 | 3,072 |
ブーストクロック | 2.57 GHz | 2.57 GHz | 2.50 GHz | 2.54 GHz | 2.46 GHz |
メモリ容量 | 16GB | 8GB | 8GB | 8GB/16GB | 8GB |
メモリ規格 | GDDR7 28Gbps | GDDR7 28Gbps | GDDR7 28Gbps | GDDR6 18Gbps | GDDR6 17Gbps |
メモリバス幅 | 128ビット | 128ビット | 128ビット | 128ビット | 128ビット |
メモリ帯域幅 | 448 GB/s | 448 GB/s | 448 GB/s | 288 GB/s | 272 GB/s |
TBP(消費電力) | 180W | 180W | 145W | 160W | 115W |
これら3モデルはすべて「GB206」と呼ばれるGPUダイをベースにしており、TSMCの4Nプロセス技術で製造される。

RTX 5060 Tiは4,608基のCUDAコアを搭載し、前世代のRTX 4060 Tiと比較して約6%増加している。また、28Gbpsの高速GDDR7メモリの採用により、メモリ帯域幅は448GB/sとなり、前世代の288GB/sから約56%向上している。
RTX 5060はRTX 5060 Tiのカットダウンバージョンで、CUDAコア数は3,840基となるが、同じ28Gbps GDDR7メモリを採用しており、メモリ帯域幅は448GB/sを維持している。
新世代の性能向上とDLSS 4の影響
NVIDIAによると、RTX 5060シリーズはDLSS 4のマルチ フレーム生成、超解像、レイ再構成などの機能を活用することで、前世代と比較して最大2倍の性能を実現できるとしている。

しかし、DLSS 4などの技術を除いた純粋なレンダリング性能の向上は約20%程度とされている。これは前世代からの移行を検討するユーザーにとって重要な指標となるだろう。
DLSS 4とニューラルレンダリングの実力
DLSS 4のマルチ フレーム生成は、従来のレンダリングフレームごとに最大3つの追加フレームを生成する技術で、従来の総当たりレンダリングと比較して最大8倍のフレームレートを実現できるとされている。

ただし、専門家の分析によると、フレーム生成技術の効果は必ずしも数値通りではない。特に30FPS程度の低いベースレンダリングレートからフレーム生成で100FPS以上に引き上げた場合、見た目は滑らかでも入力遅延が大きくなり、実際のゲーム体験は60FPSのネイティブレンダリングに劣るケースがある。
NVIDIAは現在100以上のゲームでDLSS 4 マルチ フレーム生成をサポートしていると主張しているが、多くはNVIDIA Appを通じたオーバーライドによるサポートであり、ゲーム内実装よりも使い勝手が悪い可能性がある。
発売情報とノートPC版
RTX 5060 Ti 16GBと8GBは4月16日に発売予定だが、8GBモデルは「わずかに遅れて」登場する可能性があるとNVIDIAは述べている。RTX 5060は5月の発売を予定しているが、具体的な日付は未定だ。
興味深いことに、RTX 5060のレビュー解禁日は4月16日となっており、実際の発売より前にレビューが公開される異例の状況となる。
5月には、RTX 5060ノートPCも発売予定で、価格は$1,099からとなる。NVIDIAによると、ノートPC版RTX 5060もDLSS 4 Multi Frame GenerationとNVIDIA Reflexにより、前世代のラップトップと比較して2倍以上の速度を実現するとしている。
Sources