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NVIDIA RTX 5080はベンチマークの結果ではRTX 4090に及ばず ―― NVIDIAが主張する性能向上幅はDLSS 4前提

Y Kobayashi

2025年1月27日

NVIDIAの次世代GPU「GeForce RTX 5080」の複数のベンチマーク結果が公開され、同社の現行フラッグシップモデルRTX 4090と比較して、予想を下回る性能であることが明らかになった。Time Spy、Geekbench、Blenderなど複数のベンチマークで、RTX 5080はNVIDIAの発表会での主張とは異なり、前世代のトップモデルRTX 4090を下回る結果となっている。

ベンチマーク詳細分析

Time Spy性能

Everest氏のXへのポストから、RTX 5080が3DMarkのTime Spyベンチマークで、32,701ポイントを記録した事が明らかになった。この結果はRTX 4090の36,318ポイントと比較して約10%低いスコアとなっている。

これまでNVIDIAのGPUは、前世代のフラッグシップモデルを新世代の上位モデルが上回るというパターンで進歩が見られて来たが、今回初めて過去の世代交代パターンから外れる結果となった。

Vulkanおよび OpenCLテスト

GeekbenchのVulkanテストでは、RTX 5080は281,746ポイント、OpenCLテストでは278,138ポイントを記録。

これについても、同じテスト環境(Ryzen 7 9800X3D搭載システム)でのRTX 4090の性能と比較すると、Vulkanテストで23%、OpenCLテストで17.6%低い結果となっている。

Blenderベンチマーク

Blenderベンチマークでは、RTX 5080は中央値で9,063.77ポイントを記録。これは:

  • RTX 4080 Superと比較して約8%の向上
  • 標準のRTX 4080と比較して約10%の向上

となっており、世代間の性能向上としては控えめな数値となっている。

RTX 5080仕様とユーザーへの影響

RTX 5080は最新のBlackwellアーキテクチャを採用し、以下の仕様を備えている:

  • CUDA コア数:10,752(84 Streaming Multiprocessors)
  • メモリ:GDDR7 16GB(256-bitバス)
  • AI演算性能:1,801 TOPS(Tensor Cores)
  • レイトレーシング性能:171 TeraFLOPS(RT Cores)

この性能結果は、高性能GPUの市場に大きな影響を与える可能性がある。特にRTX 4080シリーズからのアップグレードを検討しているユーザーにとって、8-10%の性能向上は投資に見合わない可能性が高い。一方で、RTX 3080 Tiなど、より古い世代からのアップグレードを検討しているユーザーにとっては、依然として魅力的な選択肢となる可能性がある。

発売時期と供給状況

RTX 5080は1月29日に製品発表が予定されているが、すでにRTX 5090で発生している供給不足と価格高騰の問題が、RTX 5080でも発生する可能性が指摘されている。MSIも公式に発売日の供給量が極めて少ないことを認めており、3か月程度は手に入れる事が困難な状況が続きそうだ。


Sources

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