Perplexityは2026年3月11日、常時稼働するMac miniを使ってローカルのファイルやアプリとPerplexityのAI機能を連携させる「Personal Computer」を発表した。先日発表したPerplexity Computerの機能を個人利用向けに広げる位置付けで、ユーザーに代わって作業を継続する“デジタル代理人”として動作する。

発表時点で一般提供は始まっておらず、初期導入グループ向けのサポート付きプログラムに参加するためのウェイトリストを公開している。価格や正式な提供開始時期、対応地域、必要なMac miniの構成などは明らかにしていない。

AD

Mac miniを常時稼働させて、ローカル環境とPerplexityをつなぐ

Personal Computerは、専用のMac mini上で24時間動作し続ける仕組みだ。Perplexityによれば、このMac miniはユーザーのローカルアプリと、Perplexityのセキュアなサーバーの双方に接続される。これにより、これまでクラウド側で動作していたPerplexity Computerに、ユーザーの手元にあるファイルやアプリの文脈を組み合わせられるようにする。

Perplexityはこの仕組みを、単なる遠隔操作ではなく、ユーザーの代わりに継続して働く「デジタルプロキシ」と表現している。外出中や別の端末を使っているときでも、各種ツール、タスク、ファイルを横断して作業を進められる点を特徴として打ち出した。利用する端末を限定せず、どこからでも操作できるとしているため、Mac mini自体を常に直接触る前提ではなく、バックグラウンドで動き続ける作業基盤として位置付けていると見られる。

24時間動作を前提にしつつ、承認と監査の仕組みを用意

常時稼働し、ローカル環境に接続する製品であるため、Perplexityは安全対策も前面に出している。同社によれば、Personal Computerは明確なガードレールを備えたセキュアな環境で動作し、センシティブな操作にはユーザーの承認が必要だとしている。

さらに、各セッションには完全な監査証跡を残し、必要に応じて直ちに停止できるキルスイッチも用意する。これは、AIエージェントがローカルファイルやアプリに接続する際に、どの操作が行われたのかを後から確認できるようにするための設計とみられる。公式には「セキュアなサーバー」「完全な監査証跡」「キルスイッチ」といった表現が使われており、無制限に自律動作する道具というより、継続動作と人間の監督を両立させる構成を志向していることが分かる。

一方で、どの種類の操作が「センシティブな操作」に該当するのか、承認フローがどこまで細かく設定できるのか、保存データの扱いや暗号化方式がどうなっているのかといった詳細は今回の発表では示されていない。導入判断に必要な技術要件や運用条件については、今後の案内を待つ必要がある。

AD

先行して発表していたPerplexity Computerを個人向けに拡張

今回のPersonal Computerは、Perplexityが前月に公表した「Perplexity Computer」の考え方を個人ユーザー向けに拡張したものと整理できる。Perplexity Computerは、目標を理解し、複数のツールをまたいで作業を進め、ユーザーが離席していても処理を継続する仕組みとして紹介されていた。

今回の発表では、その機能をPerplexity全体に広げる取り組みの一部として、Personal Computer、Computer for Enterprise、開発者向けAPI、金融リサーチ機能の強化を並べている。つまりPersonal Computerは単独の新製品であると同時に、Perplexityが「AI is the computer」という考え方を個人利用、企業利用、開発基盤の各領域に展開する流れの中に置かれている。

その中でもPersonal Computerの役割は明確だ。クラウド側のAI機能だけでは取得しにくい、ユーザー固有のファイルやローカルアプリの状態を扱えるようにし、日常的な作業環境そのものをPerplexityの実行基盤に取り込むことにある。ユーザーが個別のアプリを開き分けて指示するのではなく、常時接続されたMac miniがその橋渡し役になるという設計である。

現時点ではウェイトリスト段階、価格や詳細仕様は未公表

Perplexityは、Personal Computerについて、当面は先行参加者向けの展開になる。現時点で分かっているのはウェイトリストが開いたことまでで、正式な提供開始日、利用料金、サブスクリプションの有無、法人向けと個人向けの機能差、対応するMac miniのモデルや最低要件などは発表していない。

そのため、今回の時点で確認できる事実は、Personal Computerが専用のMac miniで24時間動作し、ローカルアプリとPerplexityのセキュアなサーバーを接続し、敏感な操作には承認を求め、監査ログとキルスイッチを備えるという点に限られる。逆にいえば、導入コストや対応範囲、どの程度の自動化が実務で可能になるかは、今後の案内次第だ。

Perplexityは同じ発表の中で、企業向けのComputer for EnterpriseやSearchAgent、Embeddings、Sandboxの4つのAPI群も発表しており、AIを検索や対話のための単体機能ではなく、継続的に作業を進める実行環境として広げようとしている。Personal Computerは、その構想を個人のローカル環境に持ち込む製品として位置付けられる。


Sources