RTX 5090 Founders Edition(FE)が、DLSS 5を使うとカード全体の設計電力である575Wへ達する。Tom's Hardwareが2026年9月2日に公開した試験では、電源入力を2基備えるMSI RTX 5090 Lightning Zが最大802Wを使い、3作品すべてでFEより高い平均フレームレートを記録した。FEが設定上限へ達する一方、高い電力設定を持つ別設計カードがより高い平均fpsを記録した測定である。

ただし、これを「12V-2x6が1本だから遅い」と言い換えると証拠を追い越す。2枚は同じGPUチップを搭載する一方、ブーストクロックから冷却、基板、電力上限まで別物だ。試験で確かめられたのはFEが設定上限へ達したことと、より多くの電力を使えるLightning Zが高い性能を保ったことまでである。コネクタ本数の因果は、まだ切り分けられていない。

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非公式DLSS 5を3作、4K・MFGなしで試した

測定対象はCyberpunk 2077、Hogwarts Legacy、Controlの3作品だ。出力解像度は4K、DLSS Super ResolutionはPerformanceに設定し、入力解像度を1920×1080とした。画質は最高設定で、Cyberpunk 2077ではパストレーシング、残る2作ではレイトレーシングを有効にしている。Ray Reconstructionは利用できる作品で使った。

Multi Frame Generation(MFG)は切られている。したがって、NVIDIAがNBA 2K27で示した生成フレーム込みの表示値とは違い、ここで比べる平均fpsはDLSS 5を重ねたレンダリング性能を直接反映する。DLSS 5のオンとオフも同じ設定で往復しており、NVIDIAが事前説明した50〜60%の性能負荷を第三者が確かめる最初期の材料になった。

一方、ゲームへの組み込みは正式版ではない。使われたOptiScaler_DLSSNRは、NVIDIAが公開した統合機能ではなく、開発者自身が「実験」「公式非対応」と明記する仕組みだ。NVIDIAのモデルDLLを利用者が別途用意し、対応ゲームの描画経路へ追加する。ゲーム開発者が入力バッファーやモデル設定を調整した正式統合版と、同じ速度や安定性になる保証はない。

575Wで頭打ち、Lightning Zは802Wまで使った

最も分かりやすい挙動はControlに出た。DLSS 5を有効にすると、FEは平均87.5fpsから50.9fpsへ低下し、PCATによる実測電力は563Wから575Wへ増えた。Lightning Zは107.0fpsから61.6fpsへ下がる一方、消費電力は691Wから802Wへ伸びた。オン時の平均fpsはLightning Zが21.0%高い。

作品 GPU DLSS 5オフ DLSS 5オン オン時の電力
Cyberpunk 2077 Lightning Z 99.2fps 60.0fps 723W
Cyberpunk 2077 RTX 5090 FE 88.3fps 51.3fps 551W
Hogwarts Legacy Lightning Z 124.2fps 72.8fps 720W
Hogwarts Legacy RTX 5090 FE 121.1fps 62.8fps 547W
Control Lightning Z 107.0fps 61.6fps 802W
Control RTX 5090 FE 87.5fps 50.9fps 575W

Cyberpunk 2077でも、Lightning ZはDLSS 5を有効にすると580Wから723Wへ増え、FEは482Wから551Wへ上がった。Hogwarts Legacyはそれぞれ480Wから720W、417Wから547Wである。前2作はNVAPIが報告した消費電力(NVIDIA管理APIの値)、Controlは外部計測器の値を使っているため、作品間のワット値を単純に平均してはいけない。それでも、DLSS 5を入れたFEが3作とも公称575Wの近くまで上がる傾向は共通している。

電力増加と整合するのが、DLSS 5で最終画像の照明と素材を生成する工程だ。NVIDIAの技術資料によれば、1段のピクセル空間拡散モデルがレンダリング済みフレーム、モーションベクター、時間方向の状態などを入力にする。従来の超解像のように描画負荷を下げる機能ではなく、Tensor Coreを使う処理を描画パイプラインの末尾へ加える。この追加処理が電力余力を減らしうることは、仕組みと測定結果の双方に矛盾しない。

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3作品を正規化すると、コネクタ単独説は弱まる

カード間の差を見る前に、各カードがDLSS 5有効後に何%の性能を残したかをそろえる必要がある。オン時の平均fpsをオフ時で割ると、Lightning Zの性能保持率はCyberpunk 2077で60.5%、Hogwarts Legacyで58.6%、Controlで57.6%となる。FEは順に58.1%51.9%58.2%だ。

作品 オン時のLightning Z対FE Lightning Zの保持率 FEの保持率 保持率の差
Cyberpunk 2077 +17.0% 60.5% 58.1% +2.4ポイント
Hogwarts Legacy +15.9% 58.6% 51.9% +6.7ポイント
Control +21.0% 57.6% 58.2% -0.6ポイント

DLSS 5有効時のLightning ZはFEより平均fpsがCyberpunk 2077で17.0%、Hogwarts Legacyで15.9%、Controlで21.0%高かった。一方、DLSS 5を有効にした後の性能保持率はLightning Zが60.5%58.6%57.6%、FEが58.1%51.9%58.2%で、差は2.4ポイント、6.7ポイント、マイナス0.6ポイントと一定しない。

ControlではLightning ZがFEより大幅に多くの電力を使ったのに、オン・オフ比ではFEを0.6ポイント下回る。逆にHogwarts Legacyでは、Lightning Zの保持率が6.7ポイント高い。高い電力設定を持つLightning Zが常に高い保持率を示したわけではなく、追加の電力余力だけを実フレームレート差の原因とは断定できない。

オフの時点でもカード間には差がある。Lightning ZはFEよりCyberpunk 2077で12.3%、Hogwarts Legacyで2.6%、Controlで22.3%速い。公式ブーストクロックもFEの2410MHzに対して2775MHzで、水冷機構と独自基板も備える。オン時の最大21.0%差を、電源入力の数だけで説明することはできない。

電力上限と12V-2x6の規格を分ける

NVIDIAの公式仕様では、RTX 5090 FEのカード全体の設計電力は575Wだ。電源要件は600WのPCIe Gen 5ケーブル1本、または8ピンケーブル4本を同梱アダプターへ接続する構成である。1本の12V-2x6入力は、この製品設定を満たすために採用されている。

PCI-SIGは12V-2x6をPCI Express Card Electromechanical 5.1で定義し、従来の12VHPWRを置き換えた。だが、今回のグラフが測ったのはフレームレートとカード消費電力である。ケーブル各線の電流や端子温度、電圧降下は測っておらず、コネクタの電気的限界を示す試験でもない。575Wへ達したという表示は、まずFEのvBIOSが定めるカード電力上限を意味する。

Lightning Zは設計の出発点が違う。MSIの仕様書は16ピン入力を2基、OC設定を800W、Extreme設定を1000W、推奨電源を1600Wとする。2基の入力は600W級を超えるカード設定を可能にする条件の一つだが、高性能の理由には2775MHzのブーストクロック、40フェーズの電源回路、水冷機構も含まれる。比較対象は「同じカードのコネクタ違い」ではなく、同じGPUチップを使う別設計である。

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正式版では同一カードの電力制限を比べたい

コネクタ本数の効果を確かめるには、同じLightning Zでクロックと冷却を固定し、電力上限だけを575Wと800W以上へ変える試験が現実的だ。可能なら同一基板で入力構成だけを変え、GPUクロックと電圧に加え、各ピンの電流と端子温度も記録する。平均fpsと1% lowに加え、フレーム時間とシステム遅延を測れば、増えた電力が体感へ届く割合まで追える。

正式なゲーム統合も別の確認項目になる。NVIDIAはDLSS 5をNBA 2K27へ投入する予定で、対象はRTX 50シリーズだ。正式版では開発者がモデル、強度、マスクを作品に合わせて決める。OptiScalerの初期実験と同じ水準の低下や電力挙動が再現するかは、提供後に測り直さなければならない。

より高い電力設定が性能を伸ばしても、効率と安全性は自動的には改善しない。ControlのLightning ZはDLSS 5オンで802Wを使い、FEより高い平均fpsを記録した。次の判断材料は「1本か2本か」という外観ではなく、同一条件で追加電力が生んだfps、遅延、温度を並べた測定である。