AMDの成長を測る物差しは、PCやゲーム機向け半導体からデータセンターへ移った。2026年8月4日に発表した第2四半期決算では、全社売上高が過去最高の115億3,600万ドルに達し、前年同期比50%増、前四半期比13%増となった。その58%をデータセンターが稼ぎ、ゲームの構成比は約6.8%まで低下した。データセンター売上高は前年同期にゲームの2.9倍だったが、この1年で8.6倍に広がっている。

ただし、ゲームの前年同期比31%減を、四半期ごとに売上高が落ち続けている証拠とは見なせない。前四半期比では約8%増えており、ゲーム機向けsemi-custom SoCの前年の反動と、グラフィックスカード価格の上昇が異なる経路で数字を押し下げた。前年同期比と前四半期比を分けると、31%減には前年の高いsemi-custom売上高の反動が含まれ、直近四半期からの急落ではないことが分かる。

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67億1,800万ドルが全社売上高の58%を占める

データセンター売上高は67億1,800万ドルで、前年同期比107%増、前四半期比16%増となった。AMDはEPYCサーバーCPUへの強い需要とInstinct GPUの出荷拡大を要因に挙げる。2026年第1四半期の57億7,500万ドルからさらに9億4,300万ドル増え、全社売上高の過半を2四半期続けて担った。

収益面の変化も大きい。データセンター部門の営業利益は21億300万ドル、営業利益率は31%に達した。前年同期は1億5,500万ドルの営業損失、利益率はマイナス5%だったため、売上高の増加が全社利益へ直結する事業になったことが分かる。

もっとも、前年同期には米国の対中輸出規制に伴うInstinct MI308の在庫・関連費用8億ドルが計上されていた。営業損益の改善幅には、この特殊要因が消えた効果も含まれる。通常の事業採算を比べるなら、107%の増収と31%の利益率を重く見つつ、前年の赤字からの振れ幅をそのまま稼ぐ力の向上とは扱えない。

製品側では、AMDが第2四半期終了後から決算発表までにHeliosラックスケールシステム、Instinct MI450シリーズ、6th Gen EPYCを発表した。MicrosoftやAnthropicとの大規模導入計画も進み、同社は2026年後半にデータセンター売上高が加速すると見込む。今回の67億1,800万ドルは、将来計画に先行した期待値ではなく、EPYCと現行Instinctの出荷がすでに作った実績である。

前年同期比31%減、前四半期比では8%増

ゲーム売上高は7億7,900万ドルとなり、前年同期の11億2,200万ドルから31%減った。AMDは主因をsemi-custom売上高の減少としている。semi-customにはゲーム機向けSoCが含まれ、2025年第2四半期はその増加とRadeon GPU需要によってゲーム売上高が73%伸びていた。今回は高かった前年の水準が逆向きに働いた。

一方、2026年第1四半期のゲーム売上高は7億2,000万ドルだった。第2四半期はそこから5,900万ドル、約8%増えている。31%減は前年同期との比較では正しいが、ゲーム売上高が直近四半期から同じ率で急減したわけではない。

ゲーム内部でも原因は一つではない。Lisa Su CEOは決算説明会で、業界全体の部品コスト上昇がグラフィックスカードの価格を押し上げ、ゲーム用グラフィックス需要を圧迫したと説明した。semi-customの減少はゲーム機向けSoC、価格上昇はRadeonカードに効く。AMDは両者の減収額を個別には開示しておらず、31%減の全量をコンソールの製品周期か、PC部品高のどちらか一方へ帰すことはできない。

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Clientの23%増と、合算利益率の低下

Client売上高は30億6,200万ドルで、前年同期比23%増となった。Ryzenプロセッサーの需要が伸び、ゲームの3億4,300万ドル減を補った結果、Client and Gaming部門の合計売上高は38億4,100万ドルと6%増えた。ゲームの縮小がAMDのPC関連事業全体を減収へ引き込まなかったのは、Client側がそれ以上に増えたためだ。

売上高と利益は同じ方向に動いていない。同部門の営業利益は5億8,200万ドルで24%減り、営業利益率も前年同期の21%から15%へ下がった。AMDは営業費用の増加が増収効果を上回ったと説明している。Clientの成長は部門売上高を支えたが、利益率の低下まで打ち消せなかった。

Su氏は、Client市場が2026年後半に縮小するとの見通しを維持しながらも、上半期の実績とAI PCの寄与には楽観的な姿勢を示した。Ryzen PRO売上高は前年同期比50%以上増えたという。AI PCが下期の市場縮小をどこまで埋めるかは未確定だが、Ryzen PROの伸びにより、Clientの増収は消費者向けCPUだけに依存していない。

130億ドル見通しは何に支えられるのか

AMDは第3四半期の売上高を約130億ドル、上下3億ドルと予想する。中央値なら前年同期比約41%増、前四半期比約13%増で、non-GAAP粗利率は約56%を見込む。Jean Hu CFOはデータセンターの力強い2桁成長が全社を牽引する一方、Client and Gamingは小幅減になると説明した。Clientの小幅増を、Gamingの大幅な2桁減が上回る想定である。

第2四半期のGaming売上高は前年同期から3億4,300万ドル減ったが、Data Centerは34億7,800万ドル増えた。データセンターだけで全社売上高の58%を生み、同部門の21億300万ドルの営業利益は、Client and Gamingの5億8,200万ドルを大きく上回った。130億ドル見通しの達成には、EPYCとInstinctの出荷拡大でData Centerの成長を続け、Client and Gamingの小幅減を上回る必要がある。